2022年度/3J01102001
【月2、木1】法社会学 <後期>
法社会学とは、法は社会のなかでどのような機能を果たしているのか、人々は法とどのようにかかわっており、そうした人々の法とのかかわりが、法の作動の現実にどのような影響を及ぼしているのかといった問題を、社会科学の理論と方法を用いて探求する学問である。その研究対象には、一般の人々の法に関連した意識や行動、専門家として法の運用に携わる人々の構成や、それらの人々の意識や行動、法と政治や経済とのかかわり等、様々なものが含まれている。また、それらの研究対象にアプローチするための方法も、社会学、人類学、経済学、政治学、心理学等の社会科学の諸分野における研究の発展を踏まえて、今日においては著しく多様化してきている。この授業は、そうした法社会学の主たる理論動向や研究成果を概観するものである。
- 担当教員氏名
- 阿部 昌樹
- 科目ナンバリング
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 4
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 法に関連した様々な社会現象を法社会学的に説明するとはどのようなことなのかを理解したうえで、実際に、法に関連した様々な社会現象を、法社会学の領域においてこれまでに蓄積されてきた研究成果に依拠して説明できるようになることが、この授業の第一の到達目標である。さらに、この授業では、そもそも法とは何であり、なぜ存在しているのかという、法を学ぶことの前提となる根源的な問いに対しても、それらの問いを社会の生成や存続と関連づけて捉え、何らかの回答を示すことができるようになることも目指す。これが、この授業の第二の到達目標である。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 成績評価は期末試験による。期末試験は100点満点とし、60点以上を合格とする。期末試験の問題は、受講者のそれぞれが、上記の「到達目標」にどの程度まで到達しているかを測定するものであり、ただ単に授業の内容を正確に理解できているかどうかを問うようなものではなく、授業では取り上げなかったような法に関連した社会現象に関しても、それを法社会学的に説明することができるようになっているかどうかや、法が社会において担っている、あるいは担わざるを得ない機能はどのようなものなのかについての理解が深められているかどうかを、成績評価の基準とする。単位を取得するためには、以下の4点を達成することが求められる。
- 法社会学という学問の特質を、法解釈学と対比して説明することができる
- 授業で取り上げた具体的な法現象の半分以上について、その社会学的な意味を説明することができる。
- 授業で示した数値的データの半分以上について、それが何を意味しているのかを説明することができる。
- 法とは何であり、なぜ存在しているのかについて、初歩的な社会学的説明を行うことができる。
- 履修上の注意
- 憲法、民法、刑法等の実定法科目を既にいくつか履修し、法律を解釈するということがどのようなことなのかを、ある程度理解している必要がある。また、民事訴訟法または刑事訴訟法を既に履修しているか、同時に履修することが望ましい。
- 教科書
- 佐藤岩夫・阿部昌樹編『スタンダード法社会学』(北大路書房・2022年)を教科書として使用するが、授業は教科書に沿って行われるわけではない。各回の授業と教科書との対応関係は、第1回の授業で示す。また、各回の授業に関連した資料を随時配布する。受講者全員が、教科書の該当箇所と資料を精読したうえで、それぞれに疑問点を抽出したうえで出席していることを前提に、授業を進める。
- 参考文献
- 参考文献は授業中にも適宜指示するが、さしあたり以下のものを挙げておく。 ・村山眞維・濱野亮『法社会学〔第3版〕』(有斐閣・2019年) ・宮澤節生・武蔵勝宏・上石圭一・菅野昌史・大塚浩・平山真理『ブリッジブック法システム入門〔第4版〕』(信山社・ 2018年) ・飯田高『法と社会科学をつなぐ』(有斐閣・2016年) ・阿部昌樹・和田仁孝編『新入生のためのリーガル・トピック50』(法律文化社・2016年) ・木佐茂男・宮澤節生・佐藤鉄男・川嶋四郎・水谷規男・上石圭一『テキストブック現代司法〔第6版〕』(日本評論社・2015年) ・和田仁孝編『法社会学』(法律文化社・2006年) ・和田仁孝・太田勝造・阿部昌樹編『法と社会へのアプローチ』(日本評論社・2004年) ・和田仁孝・太田勝造・阿部昌樹編『交渉と紛争処理』(日本評論社・2002年)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | 法社会学とは何をする学問なのか | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第2回 | 法社会学における法のとらえ方 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第3回 | 法意識と法行動①──日本人は訴訟嫌いなのか | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第4回 | 法意識と法行動②──法行動をどのように説明するのか | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第5回 | 紛争とその処理①──紛争の発生と変容 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第6回 | 紛争とその処理②──紛争処理の諸形式 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第7回 | 紛争とその処理③──紛争処理と合意 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第8回 | 紛争とその処理④──裁判外紛争処理制度 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第9回 | 紛争処理制度としての裁判①──法的紛争処理の特質 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第10回 | 紛争処理制度としての裁判②──裁判による紛争処理の現実 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第11回 | 紛争処理制度としての裁判③──現代型訴訟と司法の機能拡大 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第12回 | 法専門職──法の専門化・自律化と法専門職の生成・発展 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第13回 | 弁護士①──弁護士役割論 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第14回 | 弁護士②──弁護士および弁護士業務の日本的特色 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第15回 | 弁護士③──弁護士増員の社会的意味 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第16回 | 裁判官①──裁判官任用制度 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第17回 | 裁判官②──日本の裁判所組織と裁判官人事 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第18回 | 裁判官③──司法行政と裁判官の独立 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第19回 | 検察官──独任制官庁としての検察官と検察一体の原則 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第20回 | 隣接法専門職──隣接法専門職分立の意味と日本的特色 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第21回 | 統治機構としての司法①──三権分立 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第22回 | 統治機構としての司法②──司法消極主義 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第23回 | 統治機構としての司法③──司法によるガバナンス | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第24回 | 法と社会統制①──逸脱と統制 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第25回 | 法と社会統制②──法的社会統制の特質 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第26回 | 法と社会変動①──社会の変化と法の変化 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第27回 | 法と社会変動②──法による社会改革 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第28回 | 法と社会変動③──法の実効性 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第29回 | 法化①──法化とは何か | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第30回 | 法化②──日本社会の法化 | 事前学習:教科書該当箇所および配付資料の精読、疑問点の抽出 事後学習:授業内容の整理、参考文献の確認 |
第31回 | 定期試験 |
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Updated on 2023/12/24 9:47:27