2023年度/1AJJ018001
【水2】物理化学1A <前期>
(公大) / 物理化学IIA (府大)
物理化学序論で習得した理想気体および実在気体の熱力学に関する知識を基礎として、対象を期待から凝縮系(溶液)に変え、1. 溶液の熱力学、2. 相平衡、3. 電解質溶液の熱力学に関して講義します。具体的には、理想溶液および実在溶液の熱力学、希薄溶液、束一的性質、相図、表面張力、吸着、電解質水溶液の熱力学、電気化学電池などについて、問題演習や作図を通じて理解を深めることを目的とします。各章の終了後には小テストを行い、習得した知識や技能が身についているか確認します。 なお、講義中に随時問題演習を行ないますので、指数・対数の計算ができる計算機を必ず持参して下さい。
- 科目ナンバリング
- AJJCHE23003-J1 (公大) / BCCHE2614-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 工学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 2年 (公大) / カリキュラムにより異なります。 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 本授業の目標は、「溶液の熱力学に関する法則を理解し、論理的に表現できること」、「相図を作成し、相律や相平衡について解説できること」、「液体や固体の表面に関する法則を理解し、論理的に表現できること」、「電解質水溶液や電気化学電池に関する法則を理解し、論理的に表現できること」です。 具体的には、以下の能力を身に付けることが達成目標です。 1. 理想溶液と実在溶液の違いを理解し、これらの溶液での熱力学的性質、部分モル量、活量係数を計算することができる。 2. Raoultの法則、Henryの法則、束一的性質を理解し、定量的に取り扱うことができる。 3. 相律について理解し、様々な相平衡における相の数、成分の数、自由度を計算することができる。 4. 理想溶液と実在溶液の圧力-組成図、温度-組成図を描くことができる。 5. 様々な相平衡における温度-組成図を理解し、どのような相変化が起こるか説明できる。 6. 液体の表面と内部の違いを理解し、表面張力を計算することができる。 7. 化学吸着と物理吸着の違いを理解し、表面積を計算することができる。 8. 電解質溶液の電気抵抗の測定から、比伝導率、モル伝導率、輸率、イオン伝導率を計算することができる。 9. 理想溶液や実在溶液でのイオン平衡を理解し、活量係数や平衡定数を計算することができる。 10. 電気化学電池、標準電極電位、Nernstの式を理解し、起電力、熱力学的パラメーターを計算することができる。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 授業目標(達成目標)の達成度で評価します。 成績評価には、定期試験、小テスト、課題の提出物の結果を用い、原則として定期試験25%, 小テスト(25%×2回=50%), 課題の提出物25%の割合で評価し、合計して60%以上を合格とします。 合格のためには、最低以下のことができる必要があります。 ・「溶液」、「相平衡」、「溶液中の電解質」に出てくる熱力学に関する諸法則を説明でき、理論的な取り扱いもできる。 ・二成分系の相図を作成し、相律や相平衡について説明できる。
- 履修上の注意
- ・各回の授業では問題演習を行いますので、指数・対数計算のできる計算機を必ず持参して下さい。・日程については、教員の急病、学会発表、などにより変更することがあります。その際、オンライン(非同期)授業または補講をします。各月の補講日は念のために予定を入れないでください。また、オンライン授業に備えて、各自でオンライン環境を整えてください。・予習プリント、講義プリントは、各回の授業前にPDFファイル形式で授業支援システムに掲載しますので、各自でダウンロードしてください。講義プリントは、各回の授業に必要ですので持参して下さい。復習プリントも事前に掲載しますが、授業終了後にダウンロードできるようにしています。 ・病気、けが、忌引、教育実習、介護実習等の止む得ない理由で欠席した場合には担当者までメールで連絡して下さい。講義動画で自習できるようにします。
- 教科書
- 物理化学(上)第6版、G. M. バーロー著、大門 寛ら訳(東京化学同人)ISBN 9784807905027
- 参考文献
- 1. 熱力学-基礎と演習-、山下弘巳ら著(朝倉書店)ISBN 9784254250367(物理化学序論の教科書です。予習の際に使用します。無駄にはしません。) 2. 物理化学(上)、P. W. アトキンス著、千原秀昭ら訳(東京化学同人)ISBN 9784807906956(最新版は第10版、高価ですが、全ページカラーで非常に詳しく書かれています。) 3. バーロー物理化学問題の解き方 第6版、藤代亮一ら著(東京化学同人)ISBN 9784807905041(復習プリントを解く際に参考にしてください。)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- (本講義と密接に関連する科目)物理化学序論(1年後期、本講義の先行講義科目です)、物理化学演習ⅠA(2年後期、本講義の内容を全て含んでいます)、電気化学(3年後期、「溶液中の電解質」で学習した内容を全て使います)、触媒化学(3年後期、「相平衡」の吸着で学習した内容を使います) (その他の関連科目)分析化学A、機器分析学
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | 本講義のガイダンス(授業概要、到達目標、授業計画、成績評価についての説明) 物理化学序論の復習(テスト形式) | 物理化学序論(1年後期、必修科目)で学習したことを事前に復習しておいてください。特に、物理化学序論において初めて学んだ「専門用語」や「基本法則」は本講義でも出てきますので、正しく理解し、解説できるくらいにしておきましょう。また、事後学習として、物理化学序論の復習プリントの中で、できなかった項目は、物理化学序論の教科書を読み直して理解しておきましょう。 |
第2回 | 溶液(1)「理想溶液」 1)2つの理想気体を混合するときの自由エネルギー変化は正か負か? 2)理想溶液とは何か?理想気体と同じか? 3)理想溶液を形成するときに熱力学的性質はどのように変化するか? | 第6章 溶液、6.1 理想気体混合物の熱力学(PP. 304~309) (事前学習)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後学習)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第3回 | 溶液(2)「実在溶液」 1)実在溶液とは?理想溶液との違いは? 2)部分モル体積とは? 3)Gibbs-Duhemの式とは? | 6.2 混合物の成分の熱力学的性質(PP. 309~317) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第4回 | 溶液(3)「Raoultの法則」 1)化学ポテンシャルとは?自由エネルギーとの違いは何か? 2)Raoultの法則とは? 3)実在溶液の蒸気圧-組成曲線を描いてみよう。 | 6.3 溶液およびその成分の自由エネルギー (PP. 317~322) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第5回 | 溶液(4)「Henryの法則と束一的性質」 1)Henryの法則とは?Raoultの法則との関連性は? 2)束一的性質とは何か? 3)束一的性質にはどのような現象があるか? | 6.4 溶媒と溶質 ~ 6.7 浸透圧(ただし、6.5は省略)(PP. 322~336) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第6回 | 溶液のまとめ(小テストを含む) | (事前)溶液(1)~溶液(4)で講義した内容の小テストをしますので、講義プリントの内容を総復習してください。特に、式の誘導や授業中に行った作業については、自力でできるようにしておきましょう。本講義で新たに学習した専門用語や法則について完結明瞭に説明できるようにしておきましょう。また、授業中に行った問題演習も自力で解けるようにしておきましょう。 |
第7回 | 相平衡(1)「相律」 1)相や成分とは何か? 2)相と成分の数をしっかりと数えよう! 3)自由度とは何か?相律とは何か? | 第7章 相平衡、7.1 相、成分および自由度の数 ~ 7.2 相律(PP. 345~354) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第8回 | 相平衡(2)「二成分系の蒸気圧-組成図と沸点-組成図」 1)理想溶液の蒸気圧-組成図を描き、気-液平衡について考えよう。 2)理想溶液の沸点-組成図を描き、気-液平衡について考えよう。 3)蒸留とは?蒸留を繰り返すとどうなるのだろうか? | 7.3 蒸気圧-組成図 ~ 7.4 沸点-組成図と蒸留(PP. 354~360) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第9回 | 相平衡(3)「液-液平衡と固-液平衡」 1)混ぜたときに二相に分離する場合の温度-組成図を理解しよう。 2)固-液平衡における3つのパターンとは何か? 3)各パターンにおける温度-組成図を理解しよう。 | 7.5 混じり合わない液体 ~ 7.7 固体化合物の生成(PP. 357~370) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第10回 | 相平衡(4)「表面張力と吸着」 1)液体の表面と内部の違いは何か? 2)なぜ液体は毛細管を上昇するのか? 3)物理吸着と化学吸着の違いは何か? | 7.9 液体の表面 ~ 7.11 吸着(PP. 374~391) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。最初は何も見ないで解答し、その後、物理化学序論の教科書「熱力学-基礎と演習-(朝倉出版)」や本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」 の該当項目を読みながら答え合わせをしましょう。間違えたところは理解し直しておきましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。解き方については詳しく記載していませんが、本講義の教科書「バーロー物理化学(上)第 6 版(東京化学同人)」の章末問題を改変している問題が多いので、正解に至る過程を知りたい場合には「バーロー物理化学問題の解き方 第 6 版(東京化学同人)」を 参照してください。 |
第11回 | 相平衡のまとめ(小テストを含む) | (事前)相平衡(1)~相平衡(4)で講義した内容の小テストをしますので、講義プリントの内容を総復習してください。授業では、相図を用いて様々な相平衡について説明しましたが、総復習の際に相図についての理解を深めておきましょう。特に、式の誘導や授業中に行った作業については、自力でできるようにしておきましょう。本講義で新たに学習した専門用語や法則について完結明瞭に説明できるようにしておきましょう。また、授業中に行った問題演習も自力で解けるようにしておきましょう。 |
第12回 | 溶液中の電解質(1)「電解質水溶液の性質」 1) 比伝導率、モル伝導率を理解しよう。 2) 溶液中の電気伝導におけるイオンの役割を考えよう。 3) イオン移動度を理解しよう。 | 第8章 溶液中の電解質 8.1 比伝導率とモル伝導率 ~ 8.2 電気分解とイオン移動度(PP. 398~411) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。 |
第13回 | 溶液中の電解質(2)「理想溶液と実在溶液でのイオン平衡」 1) 理想溶液でのイオン平衡を考えよう。 2) 実在溶液でのイオン平衡を考えよう。 3) 活量係数とイオン強度を理解しよう。 | 8.3 イオン平衡:理想溶液 ~ 8.5 高濃度溶液中の活量係数(PP. 411~426) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。 |
第14回 | 溶液中の電解質(3)「電気化学電池と標準電極電位」 1) 電気化学電池とは何か?アノード、カソードとは何か? 2) 標準電極電位を理解しよう? 3) 標準電極電位の求め方を学ぼう。 | 8.6 電極と電気化学電池 ~ 8.7 標準電極電位(PP. 426~437) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。 |
第15回 | 溶液中の電解質(4)「Nernstの式と起電力」 1) Nernstの式を理解しよう。 2) 電池の起電力を標準起電力と活量係数から求めよう。 3) 電池の起電力からどのように熱力学データを得るかを学ぼう。 | 8.8 Nernstの式 ~ 8.10 液間電位差(PP. 438~451)(8.11は省略) (事前)「予習プリント」をダウンロードして解答しましょう。 (事後)「復習プリント」をダウンロードして解答し、答え合わせをしましょう。 |
第16回 | 定期試験(溶液中の電解質のまとめ) | (事前)溶液中の電解質(1)~溶液中の電解質(4)で講義した内容の小テストをしますので、講義プリントの内容を総復習してください。特に、式の誘導や授業中に行った作業については、自力でできるようにしておきましょう。本講義で新たに学習した専門用語や法則について完結明瞭に説明できるようにしておきましょう。また、授業中に行った問題演習も自力で解けるようにしておきましょう。 |
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Updated on 2024/2/27 6:29:37