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2023年度/1AKC025001

【水1】環境気候学 <後期>

(公大) / 都市気候環境学 (府大)

地球の気候は植物の生育・農作物の生産のみならず,人間生活や経済活動を左右し,ひいては大規模な気候変動が人類やその文明の将来にも影響する。この授業では,これまで実際に起きてきた,あるいは現在も発生している気候変動のメカニズムについて,気象その他の物理的現象と関連付けて理解できることを目的とする。特に世間にあまねく知られているような『気候温暖化』説だけでなく,気候学に関する最新の知見に裏打ちされた内容について学習する。とりわけ気候変動が植物や人類をはじめとする生物に及ぼす影響,ならびに地球環境の形成に及ぼす物理的過程について正しく理解する。

担当教員氏名
山田 宏之青野 靖之
科目ナンバリング
AKCOES32012-J1 (公大) / CEOES3220-J1 (府大)
授業管轄部署
農学部
授業形態
講義
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
週間授業
配当年次
2年 (公大) / 3年 (府大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (府大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
気候変動や異常気象,植生分布や生育に及ぼす気候の影響,農作物の作期や作柄と気候との関係,都市化にともなう気候変動,過去に実際に起きたと見られる気候推移,エルニーニョなど海洋の現象が気候にもたらす影響,温室効果ガスや太陽活動の盛衰など気候変動の機序にかかわる要因,天文物理的な視点から見た地球環境変動の機序などの学習を通し,植物と気候学との関連を中心とした基礎的事項を理解するとともに,環境問題について自らが思索し適切に評価することのできる能力を身につける。具体的には以下の能力を身につけることを達成目標とする。
  • 気候に関する定義,また気候変動と異常気象との違いが理解できていること。
  • 農作物に及ぼす気候変動の影響について,対応策を考え始められること。
  • 地球規模の温暖化と都市温暖化との,空間サイズや発生メカニズムの違いが説明できること。
  • 都市熱環境にさらされる人体の温冷感への影響やそれを左右する要素を的確に説明できること。
  • これまでの地球環境の推移の大要が理解できていること。
  • 近年の地球温暖化に関する議論の論点がおおむね整理・理解でき,それを的確に説明できること。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回 放射と大気の大循環 入射量の地域差,大気の3つの大循環,上層のジェット気流の発生について学習。気象学での放射過程(短波放射/長波放射),ならびに大気大循環に関する内容をよく復習しておくこと。
第2回 気候変動(気候変化)と異常気象 気候とは何かについて,さらには気候変動と異常気象の正確な定義について学習。統計学における確率密度曲線,正規分布,標準偏差についてよく復習しておくこと。
第3回 気候区分と植生分布 種々の気候区分,暖かさ/寒さの指数に基づく植生気候区分,樹種ごとの分布の特徴を学ぶ。日本における大まかな植生区分(ブナクラス,ヤブツバキクラスなど)とその分布を概観しておくこと。
第4回 気候と水稲作 気温平年値を用いた作期計画,冷害,高温による品質低下(白未熟粒)の軽減策を学習。水稲作の作業手順を確認しておくこと。
第5回 気候と果樹作 温帯落葉樹の生活環,温暖化による果樹の生育不全,品質低下の軽減策を学習。これまで他講義で学習した内容から,温帯落葉樹のライフサイクルについて確認。また,日本の果樹の種類とその産地をしっかり確認。
第6回 都市環境の変化と現状 都市化に伴う土地被覆の改変の推移,気温,風速場など,都市における気候の変遷やその特徴を振り返り,都市環境の変化を学習。大阪の都市発達過程を下調べしておく。新聞などでは,都市温暖化の原因をどのように解説しているか,過去の記事や解説を検索して押さえておく。
第7回 都市ヒートアイランドの構造と発生機序 市街化にともなう地表面の改変がもたらす放射収支,熱収支の変化によることを理解。また都市風と海陸風など小スケールの風系についても学ぶ。市街地で実感する都市特有の環境をよく思い出し,その発生場所・時間帯を整理しておく。気温や風向などについて注意しておく。
第8回 都市と湿度場 さまざまな湿度について学習する。また都市における湿度場の特徴についても理解する。相対湿度,水蒸気圧,露点温度,飽差,湿数,混合比,容積絶対湿度,比湿などの中で,他授業では何が使われたか,振り返ってみる。
第9回 都市熱環境と人体の温冷感(1) 人体の暑さ寒さの感じ方を左右する要素,それらを考慮した体感温度を学習。人間の暑い・寒いの感じ方(温冷感)には,どのような要素が左右するかを,具体的にイメージしておく。
第10回 都市熱環境と人体の温冷感(2) 人体周囲の熱収支に基づく,現在では至極一般的な体感温度(SET*)を学習・理解。評価対象条件と基準条件の2つの条件を使った評価方法であることを理解しやすくするために,よくレジメを読んで予習しておく。
第11回 古環境と気候変動(1) 恐竜絶滅後 (6,550万年前以降),ネオグラシエーション (約5,500年前)までの地球環境変動を学習。植生がいかに気候の影響を受けてきたかを学ぶ。古環境や古生物相について,初学者/初等教育向けの資料でもよいので,調べておく。
第12回 古環境と気候変動(2) 気候変動が人類の歴史にどのように関与したのか,過去約3,000年間の出来事を学習。農業やそれを営む人間が,過去の気候に如何に翻弄されてきたかを学ぶ。日本における戦乱の時代,飢饉の多かった時代がいつだったのかを押さえておく。
第13回 気候変動の現状 エルニーニョ南方振動など大規模な大気変動の特徴を学習する。全球的な温暖化傾向などについて学ぶ。最近数年に起きた異常気象,不作・凶作などに注意を向けてみる。
第14回 地球温暖化内因説と温室効果ガス 地球温暖化内因説を深堀りし,温室効果ガスと併せて学習。また気候変動の実情やメカニズムに関する議論について,海外の情勢も踏まえながら学習。初等教育で教わった気候温暖化のメカニズムを復習しておくとともに,京都議定書やパリ協定に関する一般的な情報に注意を向ける。気候変動のメカニズムをめぐる議論,地球温暖化脅威派と懐疑派の対立軸について,各自調べる。
第15回 太陽活動が及ぼす気候変動(温暖化外因説) 太陽活動の盛衰の気候への関与を『スベンスマルク効果』で理解,宇宙気候学という科学の学際的な新地平の一端を学習する。太陽活動が活発になると何が起きるかを下調べする,放射能,放射線についても調べておく。
第16回 期末試験 前述の目標を達成できているか,試験を行います。
成績評価方法
合格となるためには,都市温暖化と地球温暖化の現象そのものや発生機序が異なること,気候変動と異常気象との違いならびに関係,気候が植生や農業に及ぼす影響,地球規模の気候変動のメカニズムの概要に関する理解度を問う期末試験の問題が解けることが必要。期末試験では到達目標の達成度について評価を行う。 授業への参加姿勢30%,期末試験70%の配分で成績を評価する。 期末試験の際にノート・レジメの持ち込みは一切不可。追試験は行わない。 期末試験当日に忌引・加療を要する怪我・学校感染症(第1~3種)により受験できなかった場合には改めてレポートを課すので早めに申し出ること。怪我・感染症の場合は医師の診断書の写しを必ず提出のこと。
履修上の注意
履修は,原則としてすでに「気象学」の単位を取得している者に限る。 授業への参加姿勢については,講義への出席回数をもとに算出する。 やむをえない理由による講義の欠席に関する取扱は以下の三項目に限る。
  • 公式戦‥‥顧問の先生に一筆書いてもらう→出席回数0.5回分を加える。
  • 教育実習,介護実習……その旨を欠席届で報告→出席回数1回分を加える
  • 学校感染症あるいは大怪我による病欠・入院‥‥医師の診断書の写し(事後でよい)を提出→出席回数0.5回分を加える。
教科書
プリントを配布する。

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参考文献
やさしい気候学 (第4版),仁科淳司著,古今書院,2019年,2,600円【ISBN-13 : 978-4-7722-8511-7】 建築環境学, 木村健一編,丸善,1992年,4,500円【ISBN-13 : 978-4-621-03706-4】 地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか(DOJIN選書),宮原ひろ子著 化学同人,2014年,1,600円【ISBN-13 : 978-4-7598-1661-7】
オフィスアワー
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Updated on 2024/2/27 6:29:43

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