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2023年度/1AKC028001 (公大) / (府大)

【金2】水理学 <前期>

水をはじめとする流体の基本的性質・諸元について解説促した後,静止状態にある流体(水)の力学的特質,動き(流れ)を伴う流体の力学的特質の順にそれらの基本原理を解説します.また,必要に応じて各現象を表現する工学的な支配方程式などについても詳述します. 水理学的な現象は実際に目で見てみると理解が深まりやすいので,適宜,簡単な模型を使っての実演的説明も行います. この講義では,内容の理解にとどまらず,実際の数値計算も正しく行えるようになることを目標にしていますので,適宜,授業支援システムの小テスト機能を利用して,数値計算問題を解くトレーニングも行います.

担当教員氏名
中桐 貴生
科目ナンバリング
AKCAGR32015-J1 (公大) / CEAGR2114-J1 (府大)
授業管轄部署
農学部
授業形態
講義
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
週間授業
配当年次
2年 (公大) / カリキュラムにより異なります。 (府大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (府大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
緑地や地球の環境形成において,重要な要素の1つとなる「水」の基本的な性質とその運動(流れ)の基本原理を理解し,さらに,利水や治水,水辺環境整備,生態系保全などに関する工学的計画や,そのための施設設計などを行う専門技術分野において不可欠である水理学についての基礎知識や応用力を習得することを目的とする.また,以下の知識を理解・習得し,それらに関する数値演算を行えるようになることを具体的な達成目標とする. 1.単位や次元など,力学に関する基礎的な用語や知識について正しく理解し,説明できるようになること. 2.流体としての水の基本的な性質について理解し,理論的な説明ができるようになること. 3.静水圧に関する基本的な知識を理解し,簡単な数値計算問題を解けるようになること. 4.ベルヌーイの定理を理解し,説明できるようになること. 5.水の運動について,ベルヌーイの定理を使って説明でき,さらに数値計算問題を解けるようになること. 6.運動量の法則,摩擦損失,実用的流速公式について説明できるようになること. 7.管水路に関する基本的な流れの性質や関連用語について理解し,説明できるようになること. 8.サイホンや水車,ポンプなど,応用的な管水路流れに関する理論的説明や数値計算が行えるようになること. 9.開水路おける水理特性曲線や比エネルギー,水面形状などについて説明でき,さらに数値計算問題を解けるようになること. 10.オリフィス,ゲート,せきにおける水の流れについて説明できるようになり,さらに数値計算問題を解けるようになること.
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回導入:シラバスに沿って講義の全体的な説明を行う.水理学の学習に必要な基礎的用語および流体の基本的性質について学習する. (目標)水の基本的な力学的性質について理解する.1回生で履修した緑地環境科学入門演習で学んだ数学・物理学に関する内容を復習しておくとともに,教科書の第1章をしっかり読んでおくこと.
第2回静水力学1:流れのない流体(静水)に焦点を当て,水圧と全水圧,水深と圧力の関係,圧力水頭,パスカルの原理,およびマノメーターの原理について学習する. (目標)水圧と全水圧の違いや,マノメーターの原理や用途について説明でき,水深と水圧の関係式の導出ができる.前回の授業内容を復習するとともに,教科書の2.1および2.2の内容を予習しておくこと.
第3回静水力学2:マノメーターに関する圧力計算,断面モーメント,水平・鉛直な平面に作用する水圧分布などについて学習する. (目標)圧力水頭の概念およびパスカルの原理を利用して,各種マノメータに関する数値計算問題が解けるようになる.断面一次モーメントおよび断面二次モーメントについて説明でき,さらに水平あるいは鉛直な平面に作用する全水圧に関する基礎的な計算問題が解けるようになる.前回の授業内容および1回生の緑地環境科学入門演習で習った断面一次および二次モーメントを復習し,教科書の2.3.3までの内容を予習しておくこと.
第4回静水力学3:傾斜した平面や曲面に作用する水圧分布,浮力と浮体の安定について学習する. (目標)傾斜した平面や曲面など,より複雑な面に作用する全水圧と作用点の位置について数値計算問題が解けるようになる.また,浮力と浮体に関する知識を理解し,浮力の計算や浮体の安定計算ができるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の2.3.4~2.6の内容を予習しておくこと.
第5回水の運動1:流れのある流体を扱う上で必要となる用語とその意味,流れの状態,連続式,流れの種類について学習する. (目標)流れの種類や連続式に関する知識を理解する.静水力学までの内容全体について復習し,教科書の3.1~3.4の内容を予習しておくこと.
第6回(目標)完全流体と粘性流体の違いについて説明できるようになる.また,ベルヌーイの定理について理解し,簡単な計算問題が解けるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の3.5~3.7の内容を予習しておくこと.
第7回水の運動3:完全流体と粘性流体におけるベルヌーイの定理の適用と,具体的な応用例について学習する. (目標)ベルヌーイの定理を応用した流速や流量を計測するための装置の基本原理を理解し,実際に数値計算できるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の3.8の内容を予習しておくこと.
第8回水の運動4:運動量の法則,摩擦損失,流速公式について学習する. (目標)運動量の方程式および連続の式について理解し,それらに関する数値計算問題が解けるようになる.また,流速公式について理解する.前回の授業内容を復習し,教科書の3.9~4.2の内容を予習しておくこと.
第9回管水路1:管水路における基本的な流れの性質や関連用語,水頭損失,単線管水路について学習する. (目標)管水路における基本的な流れの性質や関連用語について理解する.単純な構造の単線管水路における水の流れについて,エネルギー線および動水勾配線が正しく描けるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の4.3~4.4.2の内容を予習しておくこと.
第10回管水路2:サイホン、水車、ポンプなどの流れについて学習する. (目標)サイホンや水車,ポンプなど,応用的な管水路における水の流れについて説明できるようになり,またこれらに関する数値計算も行えるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の4.4.3~4.4.5の内容を予習しておくこと.
第11回管水路3:枝状管水路や管網など,より複雑な形状の管水路の流れについて学習する. (目標)枝状管水路や管網など,より複雑な形状の管水路の流れについて理解し,流量計算ができるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の4.5~4.6の内容を予習しておくこと.
第12回開水路1:開水路における基本的な流れの性質や関連用語,水理特性曲線について学習する. (目標)開水路における基本的な流れの性質や関連用語,水理特性曲線について理解し,説明できるようになる.第4章までの内容について全体的に復習し,教科書の5.1~5.6の内容を予習しておくこと.
第13回開水路2:複断面河川における計算,不等流における比エネルギーや水面形状などについて学習する. (目標)複断面河川における流量計算の考え方を理解し,計算できるようになる.また,不等流における比エネルギーや水面形状などについて理解し,さらに比エネルギーを使った数値計算問題が解けるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の5.7~5.9の内容を予習しておくこと.
第14回オリフィスと水門(ゲート):水路における主要な水理構造物であるオリフィスおよび水門(ゲート)での水の流れについて学習する. (目標)オリフィスおよび水門(ゲート)における水の流れについて,数式を用いて説明できるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の第6章の内容を予習しておくこと.
第15回堰:堰の種類および様々な堰における水の流れについて学習する. まとめ:これまでの総括と,受講生の理解度が低いと判断された,あるいは受講生から再説明の要望のあった内容について補足説明を行う. (目標)堰の種類や堰における水の流れについて理解し,数式を用いて越流量を計算できるようになる.前回の授業内容を復習し,教科書の第7章の内容を予習しておくこと.全体を通じて,理解が不十分なところがあれば授業中に質問できるように整理しておくこと.
事前・事後学習の内容
水理学に関する教科書や参考書は,ここで紹介されているもの以外にも入門的なものからより専門的なものまで数多く出版されており,独学でもかなりの内容を理解することができると思います.予習によってある程度の理解を予め深めておくとともに,自分にとって理解するのが難しいと感じる部分を明確にしておき,その部分に関する説明がなされる講義の時には特に集中して聴くようにするという学習方法をお勧めします. 講義では,時間的に各単元の基本知識と基礎的な問題の解き方の説明までしかできませんので,将来,水理学の知識を必要とする分野(農業土木,一般土木,林学,造園など)に進む可能性があるのであれば,教科書や参考書に掲載されている演習問題になるべく多く挑戦し,解き方や知識の活かし方に「慣れる」かたちで応用力を養っておくことが重要です. 水理学の知識を習得する上で,ごく基礎レベルではありますが,高校物理の知識(力学)が必要ですので,自分の理解度に応じた予習・復習が求められます.なお,授業時間外学習の成果や受講生の理解度を積極的に評価するために,講義中に質問をして受講生からの発言を求めたり,単元ごとに実施予定の小テストを工夫したりしていきたいと考えています.
成績評価方法
「授業目標」の中の到達目標1~10の到達度で成績評価を行う.C(合格)となるためには,1~10の各項目に関する基本的な問題(一般土木,農業土木系公務員試験レベル)が解けることが必要です.(ただし,軽微な計算ミスは除く) 成績は,原則として,演習(授業支援システムの小テスト機能を利用)40点,期末試験50点,授業へのコメント10点の100点満点で評価します.授業へのコメントについては,講義中の積極的な質問や発言,講義に対する建設的なコメント(毎回配布する出席カードに記入),課題の提出状況などに応じて適宜加点します.
履修上の注意
1回生の後期で履修した「緑地環境科学実習演習入門B」の内容が十分に理解できていることを前提として授業を進めますので、各自で復習しておくこと。 毎回の授業に関する連絡は、授業支援システムを通じて行うので、各回の授業前に該当するトピック欄を確認しておくこと。
教科書
基礎から学ぶ水理学,岡澤 宏・中桐 貴生編著,理工図書,2017,3000円+税

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参考文献
水理学の基礎,有田正光著,東京電機大学出版局,2006年,2700円+税 水理学演習,有田正光・中井正則共著,東京電機大学出版局,1999年,3600円+税 基礎水理学,林 泰造著,鹿島出版,1996年,3600円+税
オフィスアワー
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教員への連絡方法(メールアドレス等)
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その他
(関連科目)緑地環境科学実習演習入門B,構造力学,緑地水文学,土壌物理学,水環境管理学

Updated on 2024/2/27 6:41:23

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