2023年度/1ALA018001 (公大) / (府大)
【火2】獣医細菌学 <前期>
細菌学は、獣医学を学ぶ上で欠かすことのできない基礎必須科目で、今後学習する獣医国際防疫学、人獣共通感染症、食品衛生学、獣医衛生学、獣医公衆衛生学、獣医伝染病学や獣医内科学を理解する上でも重要です。本講義では、細菌の分類、一般性状、物質代謝や遺伝について学習し、その上で様々な細菌が人や動物にどのような病気を引き起こすかについて学びます。また、それぞれの病原細菌の形態や構造、染色性、酸素の利用能、環境中での生息場所や地理的分布についても学習します。細菌はグラム染色によって大きく2つのグループ、すなわちグラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられるますが、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアと一般細菌という分類もあります。それぞれの細菌学的特徴についても学習します。これらを理解した上で、感染源、感染経路を含めどのような動物にどのような病気を引き起こすかについて学びます。さらに、消毒法、滅菌法やワクチンについて学び、細菌感染症の予防に役立てます。様々な抗菌薬や抗真菌薬を構造や作用機序の違いに基づき、それぞれどのような細菌や真菌感染症の治療に使えるかについて理解します。中間試験と期末試験によって、これらの理解度を確認します。
- 科目ナンバリング
- ALAANS23001-J1 (公大) / CVANS2304-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 獣医学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- りんくう
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 2年 (公大) / 2年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- (1)微生物とは肉眼で見ることができないほど小さな生物の総称であり、人を含む動物(家畜、家禽、伴侶動物、野生動物、実験動物など)の疾病の原因となる細菌、ウイルスや真菌が含まれる。これら病原微生物学の歴史をを学び、細菌、ウイルスや真菌の違いを理解する。 (2)細菌は様々な性状の違いにより分類されている。細菌の分類、細菌の一般性状(形態、微細構造、栄養、増殖)、物質代謝(異化代謝、同化代謝、代謝調節)、細菌の遺伝と変異(染色体とゲノム、プラスミド、バクテリオファージ、遺伝子の伝達、変異、遺伝子発現調節)について理解する。 (3)感染症の発症は細菌の持つ病原性と宿主の抵抗力の凌ぎ合いの結果である。感染と発症、感染経路と経過、宿主と寄生体との関係や感染症成立の要因について理解する。 (4)細菌は大きくグラム陰性菌と陽性菌に分類される。一方、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアと一般細菌にも分類される。一般細菌の中でグラム陰性菌として人を含む動物に病原性を示す細菌について理解する。 (5)一般細菌の中でグラム陽性菌として人を含む動物に病原性を示す細菌について理解する。 (6)マイコプラズマ、リケッチアやクラミジアと一般細菌との違いを理解し、人を含む動物にどのような病気の原因となるかについて理解する。 (7)真菌の特徴、具体的にどの真菌や真菌の代謝産物が人を含む動物にどのような病気を引き起こすかについて理解する。 (8)消毒、滅菌やワクチンについて学習し、細菌感染症の予防法について理解する。 (9)抗菌薬や抗真菌薬の種類や作用機序を学習し、細菌感染症や真菌感染症の治療法について理解する。
- 各授業回の説明
- 授業内容
- 上記の計画は予定であり、変更することがあります。また、対面授業を予定していますが、状況によってはオンラインに切り替えることもあります。
- 事前・事後学習の内容
- 細菌学は覚えることが多く、授業の理解には予習・復習が不可欠です。シラバスに毎回の授業内容に対応する2つの教科書の対応したページを記載しています。予習として教科書の当該部分を読み、授業で取り扱うトピックについて大まかなイメージをつかむよう心がけてください。講義内容をまとめたプリントも配布します。復習に役立ててください。
- 成績評価方法
- 授業目標の達成度を中間試験が30%、期末試験が70%として評価します。合格(C以上)のための最低基準は、合計で60%以上であることが必要です。
- 履修上の注意
- 出席は講義開始時と開始後40分の2回確認します。1回目に確認できない時は遅刻、2回目にも確認できない時は欠席となります。遅刻3回は欠席1回として扱い、5回までの欠席は定期試験を受験できますが、それ以上の欠席で定期試験受験資格を失います。
- 教科書
- 獣医微生物学第4版(文永堂出版)、コアカリ獣医微生物学(文永堂出版)
- 参考文献
- ブラック微生物学第3版、原著8版(丸善)、病原微生物学 基礎と臨床 (東京化学同人)、標準微生物学、12版(医学書院)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- (関連科目)獣医衛生学A、B、獣医公衆衛生学、人獣共通感染症学、食品衛生学B
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
---|---|---|
第1回 | 微生物学序論:微生物と人との関わり、病原微生物学の歴史(山﨑) | 獣医微生物学P1?9、コアカリ微生物学P1-5および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第2回 | 細菌の分類、細菌の一般性状(形態、構造と機能)、増殖と代謝(増殖、物質の獲得機構、代謝)(山﨑) | 獣医微生物学P11?38、コアカリ微生物学P6-18および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第3回 | 細菌の遺伝学(染色体とゲノム、プラスミド、バクテリオファージ、遺伝子の伝達、変異,遺伝子発現調節)(山﨑) | 獣医微生物学P39?60、コアカリ微生物学P19-31および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第4回 | 細菌の感染と発症(感染と発症、感染経路と経過、宿主ー寄生体関係、病原性と毒力、生体の防御機構(山﨑) | 獣医微生物学P61?74、コアカリ微生物学P32-39および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第5回 | 中間試験、グラム陰性菌1(腸内細菌科、ビブリオ科,アエロモナス科)(山﨑) | 獣医微生物学P101?121、コアカリ微生物学P44-54および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第6回 | グラム陰性菌2(パスツレラ科、シュードモナス目、レジオネラ目、フランシセラ属、ディケロバクター属)(山﨑) | 獣医微生物学P121?135、コアカリ微生物学P55-59, P79-81および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第7回 | グラム陰性菌3(バークホルデリア属、ボルデテラ属、テイロレラ属、ナイセリア属、スピリルム属、ローソニア属、ブルセラ属、バルトネラ属)、リケッチア目(山﨑) | 獣医微生物学P135?151、コアカリ微生物学P59-63, P83-85および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第8回 | グラム陰性菌4(カンピロバクター属、ヘリコバクター属、バクテロイデス門、フソバクテリア門、ベイヨネラ科、スピロヘータ門)(山﨑) | 獣医微生物学P151?165、コアカリ微生物学P63-65および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第9回 | グラム陽性菌1(ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、メリソコッカス属、スタフィロコッカス属、その他のグラム陽性球菌)(山﨑) | 獣医微生物学P165?176、コアカリ微生物学P66-69および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第10回 | グラム陽性菌2(グラム陽性芽胞形成桿菌、グラム陽性無芽胞性桿菌)(山﨑) | 獣医微生物学P176?190、コアカリ微生物学P69-74および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第11回 | 放線菌関連(コリネバクテリウム属、マイコバクテリウム属、アクチノマイセス属、アクチノバクラム属、トルエペラ属、ノカルジア属、ロドコッカス属、デルマトフィルス属、ビフィドバクテリウム属、レニバクテリウム属、プロピオニバクテリウム属、ストレプトマイセス属)(山﨑) | 獣医微生物学P190?204、コアカリ微生物学P74-79および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第12回 | マイコプラズマ目、アコレプラズマ目、クラミジア目(マイコプラズマ科、リケッチア科、アナプラズマ科、クラミジア目)(山﨑) | 獣医微生物学P204?224、コアカリ微生物学P81-83, P86-90および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第13回 | 真菌学 (真菌学総論、真菌学各論、マイコトキシン)(日根野谷) | 獣医微生物学P457?479、コアカリ微生物学P185-195および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第14回 | 微生物の滅菌と消毒(滅菌、消毒)、微生物学的検査と安全(感染症診断、検査法、バイオセーフティーとバイオセキュリティー)(日根野谷) | 獣医微生物学P75?85、コアカリ微生物学P196-205および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第15回 | 細菌感染症の予防及び治療(ワクチン、抗菌薬の種類と特徴、薬剤耐性菌と化学療法、菌交代症と副作用)(日根野谷) | 獣医微生物学P86?99、コアカリ微生物学P40-43, P206-209, P213-220および関連した内容を2時間予習し、2時間復習する。 |
第16回 | 期末試験(山﨑、日根野谷) | 15回勉強した内容しっかり把握し試験に臨む。 |
Loading...
Updated on 2024/2/27 6:49:33