2023年度/1BFA011000 (公大) / (市大)
【集中講義】研究公正A(都市経営) <前期>
大学院都市経営研究科における研究活動をすすめるにあたり、まず基礎となる4つの重要点、(1)盗作の防止、正しい引用の仕方、(2)研究費の正しい使い方、(3)個人情報を扱う調査やアンケートの仕方、(4)データの扱い方や電子的手段等についての知識を取得したあと、都市経営研究科の4つの研究分野「都市政策・地域経済」「都市行政」「都市ビジネス」「医療・福祉イノベーション経営」に関わる研究校正のテーマについて、より具体的な形で知見を深める。
- 科目ナンバリング
- BFYOSO5E011-J1 (公大) / AMXXX5511 (市大)
- 授業管轄部署
- 都市経営研究科(創造都市含む)
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 梅田サテライト
- 開講区分
- 集中講義
- 科目分類
- 基礎科目
- 配当年次
- 学年指定なし (公大) / (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 1単位 (公大) / 1単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 大学院都市経営研究科における研究活動をすすめるにあたり、必要不可欠な「研究公正」についての基礎知識を身につけることを目標とする。結果、院生が修了論文作成時において、研究不正を自身で回避できるとともに「研究倫理委員会」の審査の必要性の有無を判断できるようになる。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- (1)到達目標の達成度について評価を行う。オリエンテーションで提示する4重点項目を中心とした理解度チェックと、各教員の評価をあわせ、合評する。 (2)全体としては試験30%、討議への参加・レポート等70%の総合評価とする。 (3)合格(単位修得)のための最低基準は、院生が論文作成時に最低限身に着けておくべき「研究公正」の基礎知識について、一定の水準に達していること。
- 履修上の注意
- 当科目は、研究活動の基礎概念のイントロダクションをなす科目であり、不正行為を事前に防止し公正な研究活動を推進するための教育の一環として、大阪公立大学の大学院生は必須科目として位置づけられている。
- 教科書
- 以下の公開情報が基本テキスト。各自、事前にダウンロードして保存が必要。 (公開情報) ① 日本学術振興会「科学の健全な発展のために」編集委員会 (2015)「科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-【テキスト版】」。 https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1353972.htm ② 文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課 研究公正推進室(2021)「公正な研究活動の推進に向けた取組」。 https://www.mext.go.jp/content/20210521-mxt_kiban02-000004257_1.pdf また、各講師から都度、講義のレジュメを配布する。
- 参考文献
- (上記、教科書を参照)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | (遠藤尚秀担当)「オリエンテーションと概観」都市経営研究科の研究分野の立場から、研究公正を概説した後、(1)盗作の防止、正しい文献引用の仕方、電子空間上からの情報の取り方と引用の仕方、(2)研究費の正しい使い方、(3)個人情報を扱う調査、(4)データの扱い方や電子的手段等について、あらためて都市経営研究科の立場から総括する。 | 事前の情報は初回ないし電子掲示板で指示する。事後の内容は復習すること。 |
第2回 | (市田秀樹担当)近年においては、不適切なオーサーシップや二重投稿が研究不正とみなされることが増えていることから、不適切なオーサーシップとはどのような行為であり、なぜ問題なのか、また適切なオーサーシップの基準はどのようものなのか、さらには研究成果の発表における二重投稿やサラミ出版とはどのような問題なのかといった、オーサーシップと二重投稿の問題を中心に、研究発表の倫理について具体的な事例をもとに検討する。 | 第1回参照 |
第3回 | (第2回と同様) | 第1回参照 |
第4回 | (堀尾正靱担当)研究公正の問題構造が一通り見えたところで、改めて、問題の本質を考えることにしたい。まず、この回では、社会において「研究」とは何かを、「情報」とは何であり、「学術的知識」とは何でどのように形成され共有されるのかを、人間と「学術研究対象」との関係、人間社会における「学術的知識」の持つ意味などとの関係を含めて考察する。また、クーンのパラダイム論、武谷の三段階論など、集合的な研究における学術的認識の発展段階の存在を考える。このような枠組みの中で、研究者の研究方法論をとらえるとともに、研究不正の重大な問題を確認し、研究公正の現代的重要性を把握する。 | 第1回参照 |
第5回 | (第4回と同様) | 第1回参照 |
第6回 | (井上理砂子担当)(井上理砂子担当)都市行政の分野の立場から研究公正について論じる。(1)研究不正とメディア:発掘捏造事件(2000年)やSTAP細胞事件(14年)、熊本地震データ偽造(19年)など一般社会にも大きな話題となった不正事例ではいずれも、マスコミが相反する役割を果たした。「告発を受けた調査報道」というメディアの本分ともいえる役割と、「研究分野における『スター』賛美」「特異性や刺激が際立つ説の歓迎」など不正を招きかねない風潮形成への加担という負の役割だ。講義ではSTAP事件の例に、いまだ課題の多い、不正と研究成果のメディア報道について考える。(2)ファクト・チェックのいま:フェイクや不正はネット社会において、真実よりも速く広く拡散するといわれる。一方でネット査読やオープンソースによる市民参加の調査や検証によって、国境を越えた集合知がこれらに対抗しようとする動きも盛んだ。地道な作業ながら、連携することで、不正や隠ぺいを許さない社会へのキャンペーン的な役割を果たす取り組みを考える。 | 第1回参照 |
第7回 | (井上理砂子担当)第6回と同様 | 第1回参照 |
第8回 | (名渕浩史担当)都市ビジネスの分野の立場から研究公正について論じる。特に企業・消費者等に対するリサーチ(量的調査・質的調査)と成果の公表における倫理的課題について検討する。 | 第1回参照 |
第9回 | (第8回と同様) | 第1回参照 |
第10回 | (志水洋人担当)保健医療社会学分野の立場から研究公正・倫理について論じる。英国の議論を参照しつつ、日英でのフィールドワーク経験をもとに話題提供する。具体的には、調査の事前準備、調査過程でのラポール形成、倫理的配慮における画一化の難しさなどを検討する。自身の「失敗談」も交えることで議論を促進したい。 | 第1回参照 |
第11回 | (第10回と同様) | 第1回参照 |
第12回 | (服部俊子担当)『科学・技術と倫理』科学哲学・科学史の観点から、科学や技術が内包する倫理問題や科学や技術が社会におかれることで生じる倫理問題について説明する。 | 第1回参照 |
第13回 | (第12回と同様) | 第1回参照 |
第14回 | (服部俊子・遠藤尚秀担当)都市経営研究における倫理的配慮(演習形式):模擬研究テーマをもとに、研究に内在する倫理問題を研究者として考え、配慮する方法を学ぶ。 | 第1回参照 |
第15回 | (遠藤尚秀担当)講義の総括と4重要点の理解を中心にペーパー試験を行う。 | 第1回参照 |
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Updated on 2024/2/27 6:50:33