2023年度/1BPA119001 (公大)
【集中講義】精神看護学特論 <前期>
精神看護専門看護師が行う治療技法の基本理論と基本的な技法について学習する。治療技法として支持的精神療法、認知療法、行動療法、心理教育、ソーシャルスキルトレーニング、集団精神療法、動機づけ面接、アサーション、アンガーマネジメント、マインドフルネス、オープンダイアローグ、リラクセーション、精神科薬物療法についての基本理論と技法について学習する。これらの治療技法における精神科看護師の役割と、精神看護専門看護師の直接ケアへの適用や活用について考える。
- 科目ナンバリング
- BPYNUR67005-J1 (公大)
- 授業管轄部署
- 看護学研究科
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 羽曳野
- 開講区分
- 集中講義
- 配当年次
- 1年 (公大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 1. 精神疾患を持つ人、その家族の体験について説明ができ、精神科リハビリテーションに基づいた包括的な介入の必要性とリカバリーを促進するケアの必要性について説明できる。 2. 精神看護専門看護師がよく用いる身体的・心理的な治療方法である、基本的な傾聴技法、認知療法、行動療法、心理教育、ソーシャルスキルトレーニング、動機づけ面接、アサーション、オープンダイアローグ、リラクセーション、アンガーマネジメント、リラクセーションについて、理論の概要と基本的な方法の説明ができる。 3. 精神科薬物療法で用いられる抗精神病薬、抗うつ薬の作用機序と副作用、抗躁薬、抗不安薬の特徴と副作用について説明ができる。 4. 身体的・心理的な介入方法を受けている患者に対する精神科看護師の役割について説明できる. 5. 技法の精神看護専門看護師の活動への活用例について説明できる。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 講義のディスカッションへの貢献度(30%)プレゼンテーションの準備と発表(40%)達成目標の達成度(30%)で評価する。 ディスカッション参加度(30%)については、グループワークにおける参加度で評価する。 プレゼンテーション(40%)内の下記目標の達成度と,ディスカッションを通じた下記目標の達成度(30%)で,到達目標の達成度については評価を行う. 1.その療法の歴史,定義あるいは理論の概要,基本的な方法が説明できる. 2.その療法について,自分の生活あるいは患者の具体的な例を交えて説明できる. 3.疑問点について説明できる. 合格のための最低基準は自分が担当したプレゼンテーションにおいて以下のことができることとする. 1.その療法の歴史,定義あるいは理論の概要,基本的な方法について説明できる. 2.疑問点について説明できる.
- 履修上の注意
- (関連科目)精神看護学援助特論1~7,精神看護学演習1A・1B,精神看護学演習2A・2B,精神看護学実習1~5,実践看護科学特別研究,実践看護科学課題研究
- 教科書
- 毎回,参考文献に呈示した文献を中心に呈示する.
- 参考文献
- 下記以外に,毎回の講義前に提示する。提示された図書以外に,テーマに沿って適切と考える図書と文献を自分で検討すること。 ・ケン・スティール他、前田ケイ訳(2009):幻聴が消えた日、金剛出版. ・カタナ・ブラウン,坂本明子(2012):リカバリー 希望をもたらすエンパワーメントモデル,金剛出版. ・S・S・ウォリン他、奥野光(2002):サバイバーと心の回復力,金剛出版. ・Benjamin J. Sadock, Virginia A. Sadock著,井上令一監訳(2016):カプラン臨床精神医学テキスト DSM-5 診断基準の臨床への展開,メディカル・サイエンス・インターナショナル. ・アレン・E・アイビイ,福原真知子,椙山喜代子,國分久子,楡木満生訳(1985):マイクロカウンセリング,川島書店. ・クララ・ヒル著,藤生英行他訳(2014):ヘルピングスキル 探求・洞察・行動のためのこころの援助法,金子書房. ・ジュディス・S・ベック,伊藤絵美他訳(2015):認知療法実践ガイド 第2版 基礎から応用までージュディス・ベックの認知療法テキストー,星和書店. ・三田村仰(2017):はじめて学ぶ行動療法,金剛出版. ・芝田寿美男(2017):臨床行動分析のすすめ方―ふだん使いの認知行動療法,岩崎学術出版社. ・鈴木丈・伊藤順一郎(1997):SSTと心理教育,中央法規出版. ・大島巌・加藤大慈(2015):IMR入門 疾病管理とリカバリー IMRブックレットシリーズ1, 認定NPO法人地域精神保健福祉機構. ・大島巌・加藤大慈(2015):IMRの実践 一人ひとりのリカバリーのために IMRブックレットシリーズ2, 認定NPO法人地域精神保健福祉機構. ・後藤雅弘(2012):家族心理教育から地域精神保健福祉まで,金剛出版. ・遊佐安一郎(1984):家族療法入門 システムズ・アプローチの理論と実際、星和書店 ・後藤雅弘(1998):家族教室の進め方―心理教育的アプローチによる家族援助の実際,金剛出版. ・前田ケイ(2013):基本から学ぶSST 精神の病からの回復を支援する,星和書店. ・久野恵理(2009):元気回復行動プラン,道具箱. ・鈴木純一(2014):集団精神療法 理論と実際,金剛出版. ・山口隆他(1987):やさしい集団精神療法入門、星和書店 ・アーヴィン・D・ヤーロム,川室優(19911):グループサイコセラピー,金剛出版,. ・アメリカ集団精神療法学会,日本集団精神療法学会(2014):AGPA集団精神療法実践ガイドライン,創元社. ・平木典子(2009):アサーション・トレーニング-さわやかな〈自己表現〉のために,金子書房. ・C.D.ウェブスター他,吉川和男監訳:HCR-20第2版 暴力のリスク・アセスメント,星和書店. ・包括的暴力防止プログラム認定委員会編(2005):包括的暴力防止プログラム、医学書院. ・エマ・ウィリアムズ他著,壁屋康弘他翻訳(2012):軽装板 アンガーコントロールトレーニング,星和書店. ・ジョン・カバッドジン,春木豊訳(2007):マインドフルネスストレス低減法,北大路書房. ・ウィリアム・R・ミラー他著,松島義弘、他訳(2007):動機づけ面接法 基礎・実践編, 星和書店. ・ヤーコ・セイックラー,トム・アーンキル著,齋藤環訳(2019):開かれた対話と未来 今この瞬間に他者を思いやる,医学書院. ・五十嵐透子著(2015):リラクセーション法の理論と実際,医歯薬出版株式会社. ・佐々木雄二著(1984):自律訓練法の実際,創元社. ・Stepfen M.Stahl著,千波純一他監訳(2015):ストール精神薬理学エセンシャルズ 神経科学的基礎と応用,メディカル・サイエンス・インターナショナル. ・樋口輝彦・石郷岡純著(2011):抗精神病薬のリスク・ベネフィット 専門医のための精神科臨床リュミエール25,中山書店. ・メュール・V.マンカット他、本橋伸高(2012):パルス派ECTハンドブック、医学書院.
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | レジリエンスとリカバリーの促進:レジリエンスと精神障害のある人のリカバリーについて学び、精神疾患をもつ人の体験からその人のレジリエンス、リカバリーを促進したもの、看護として重要なこと、看護師の役割について検討する | 事前学習:カタナ・ブラウン,坂本明子(2012):リカバリー 希望をもたらすエンパワーメントモデル,金剛出版.、S・S・ウォリン他、奥野光(2002):サバイバーと心の回復力,金剛出版.その他文献を読んで、リカバリーとレジリエンスとは何か考えておく。 ケン・スティール他、前田ケイ訳(2009):幻聴が消えた日、金剛出版を読んで,この人のレジリエンス、リカバリーを支えたものについて考えておく。 事後学習:理解不足の点について復習する. |
第2回 | 基本的な傾聴の技法:マイクロカウンセリングとヘルピングスキルの基本的な考え方と技法について学ぶ | 事前学習:クララ・ヒル著,藤生英行他訳(2014):ヘルピングスキル 探求・洞察・行動のためのこころの援助法,金子書房.の呈示された箇所を読んで,ヘルピングスキルの基本的な技法についてまとめること.事後学習:マイクロカウンセリング技法と合わせて基本的な傾聴技法について理解不足な点について学習する. |
第3回 | 認知療法の基本:認知療法の歴史、認知モデルの考え方、認知療法の基本的な方法について学び、看護ケアへの適用について検討する | ジュディス・S・ベック,伊藤絵美他訳(2015):認知療法実践ガイド 第2版 基礎から応用までージュディス・ベックの認知療法テキストー,星和書店.の指定箇所を読んで,認知モデル,認知療法の基本的な用語と方法についてまとめる.事後学習:7カラム法の用い方について復習する. |
第4回 | 行動療法の基本:行動療法の歴史、行動分析と行動療法の基本的な方法について学び、看護ケアへの適用について検討する。 | 三田村仰(2017):はじめて学ぶ行動療法,金剛出版,芝田寿美男(2017):臨床行動分析のすすめ方―ふだん使いの認知行動療法,岩崎学術出版社の指定箇所を読んで,行動分析、行動療法の基本的な考え方と関わりについてまとめる.事後学習:行動分析の考え方について復習する. |
第5回 | 心理教育の基本:心理教育の歴史的な背景と対象、基本的な方法、元気回復行動プランについての基本的な考え方について学び、看護ケアへの適用について検討する。 | 鈴木丈・伊藤順一郎(1997):SSTと心理教育,中央法規出版, メアリー・エレン・コープランド,久野恵理(2009):元気回復行動プラン,道具箱.の指定箇所を読んで,心理教育の歴史的な背景と基本的な方法、元気回復行動プランの基本の知識についてまとめる.事後学習:心理教育の考え方と元気回復行動プランの方法について復習する. |
第6回 | SSTの基本:SSTの歴史的な背景、対象、基本的な方法について学び、看護ケアへの適用について検討する | 鈴木丈・伊藤順一郎(1997):SSTと心理教育,中央法規出版, 前田ケイ(2013):基本から学ぶSST 精神の病からの回復を支援する,星和書店を読んで,SSTの基本の知識についてまとめる.事後学習:SSTの方法について復習する. |
第7回 | 集団精神療法の基本:集団の心性、集団の治療要因、集団精神療法の歴史、対象と基本的な方法、集団精神療法のプロセスについて学び、リーダー、コリーダー、メンバーとしての役割について考える。 | 鈴木純一(2014):集団精神療法 理論と実際,金剛出版.,アーヴィン・D・ヤーロム,川室優(19911):グループサイコセラピー,金剛出版,.アメリカ集団精神療法学会,日本集団精神療法学会(2014):AGPA集団精神療法実践ガイドライン,創元社.の指定箇所を読んで,集団の心性,集団の治療要因,集団精神療法のプロセス,介入方法についてまとめておく.事後学習:理解が不十分な点を復習する. |
第8回 | アサーションの基本的な考え方:アサーションの歴史、アサーション権、DESC法、基本的なコミュニケーション方法について学び、看護ケアおよび看護師支援での活用について検討する | 平木典子(2009):アサーション・トレーニング-さわやかな〈自己表現〉のために,金子書房.の指定箇所を読んで,アサーションの歴史,アサーション権,DESC法,基本的なコミュニケーション方法についてまとめる.事後学習:理解が不十分な点について復習する. |
第9回 | 精神疾患をもつ人の家族への支援:家族療法の歴史、対象、基本的な方法について学ぶ。また精神疾患を持つ人の家族の体験と心理、髙感情表出の特徴のある家族の背景と基本的な支援方法について学び、看護ケアでの適用について検討する | 遊佐安一郎(1984):家族療法入門 システムズ・アプローチの理論と実際、星和書店の指定箇所を読んで、家族療法の概要、システムズ・アプローチの基本的な考え方についてまとめておく。後藤雅弘(1998):家族教室の進め方―心理教育的アプローチによる家族援助の実際,金剛出版、後藤雅弘(2012):家族心理教育から地域精神保健福祉まで,金剛出版.の指定箇所を読んで、家族の心理、髙感情表出の特徴のある家族の背景と基本的な支援、家族心理教育の方法についてまとめておく。事後学習:理解不十分な点について復習する。 |
第10回 | 動機づけ面接の基本:動機づけ面接の背景、対象、基本的な方法について学び、看護ケアでの適用について検討する。 | 事前学習 ウィリアム・R・ミラー他著,松島義弘、他訳(2007):動機づけ面接法 基礎・実践編, 星和書店.の指定箇所から,動機づけ面接の背景、基本的な考え方と方法についてまとめる. 事後学習 理解不足の点を復習する。 |
第11回 | オープンダイアローグの基本:オープンダイアローグの歴史、基本的な方法について学び、看護ケアへの適用について検討する | ヤーコ・セイックラー,トム・アーンキル著,齋藤環訳(2019):開かれた対話と未来 今この瞬間に他者を思いやる,医学書院等を読み、オープンダイアローグの歴史,基本的な方法についてまとめる. 事後学習.理解不十分な点について復習する. |
第12回 | リラクセーションの基本:リラクセーションの基本的な考え方と、呼吸法、自律訓練法とマインドフルネスの基本的な方法について学び、看護ケアでの適用について検討する | 事前学習:五十嵐透子著(2015):リラクセーション法の理論と実際,医歯薬出版株式会社.と佐々木雄二著(1984):自律訓練法の実際,創元社.の指定箇所を読んで、リラクゼーションの歴史、基本的な作用と方法についてまとめる。ジョン・カバッドジン,春木豊訳(2007):マインドフルネスストレス低減法,北大路書房.の指定箇所を読んで,マインドフルネスの基本的な方法についてまとめる. 事後学習:理解不十分な点の復習と呼吸法の方法について復習する. |
第13回 | アンガーマネジメントの基本:怒りと攻撃性の理論、アンガーコントロールトレーニングの基本的な考え方と方法について学び、看護ケアでの適用について検討する。またCVPPPとディエスカレーションの基本的な考え方について学ぶ。 | 事前学習 包括的暴力防止プログラム認定委員会編(2005):包括的暴力防止プログラム,医学書院. ,エマ・ウィリアムズ他著,壁屋康弘他翻訳(2012):軽装板 アンガーコントロールトレーニング,星和書店.の指定箇所を読んで,CVPPPの基本的な考え方とディエスカレーション、アンガーコントロールの基本的な考え方と方法についてまとめる. 事後学習:理解が不十分な点について復習する. |
第14回 | 1.治療共同体、精神科作業療法、デイケアについてその歴史、基本的な考え方について学び、看護ケアへの適用について検討する 2.電気けいれん療法の基本:電気けいれん療法の基本的な考え方と方法について学び、電気けいれん療法を受ける患者の看護について検討する | 1.鈴木純一(2014):集団精神療法 理論と実際,金剛出版.、山口隆他(1987):やさしい集団精神療法入門、星和書店を読み、治療共同体、精神科作業療法、デイケアの歴史と基本的な考え方についてまとめる 2.メュール・V.マンカット他、本橋伸高(2012):パルス派ECTハンドブック、医学書院.を読み、ECTの基本的な考え方と方法、観察とケアについてまとめる 事後学習.理解不十分な点について復習する. |
第15回 | 精神科薬物療法の基本:抗精神病薬,抗うつ薬,気分安定薬,抗てんかん薬,抗不安薬と睡眠薬について,基本の薬理作用,薬の種類と特徴,効果と副作用について学び、精神科薬物療法を受ける患者の体験を踏まえた看護ケアについて検討する | Stepfen M.Stahl著,千波純一他監訳(2015):ストール精神薬理学エセンシャルズ 神経科学的基礎と応用,メディカル・サイエンス・インターナショナル.の指定箇所を読んで,抗精神病薬,抗うつ薬,気分安定薬,抗てんかん薬,抗不安薬と睡眠薬について,基本の薬理作用,薬の種類と特徴,効果と副作用についてまとめる.医学中央雑誌で精神科薬物療法を受ける患者の体験について書かれた文献を1つ検索し、用意する。事後学習:理解不十分な点について復習する. |
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Updated on 2024/2/27 6:48:01