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2023年度/1FCB101010 (公大) / (市大)

【月3、木2】人権の基礎理論 <前期>

憲法上の基本的人権保障の基本構造を理解するとともに、各人権規定に関する主要な判例・学説を検討することを目的とする。受講者は教科書を含む憲法の概説書と教材の指定された箇所の予習をしたうえで受講に臨まなければならない。授業においては、重要な箇所や理解が難しい箇所に重点を置きつつ、より詳しい説明を行なう。講義にあたっては、予習用レジュメにそって、基礎的概念および重要判例等を、適宜、質疑応答を通して検討する。受講生は、事前に十分な予習を行うことが求められる。このほか、関連する項目に関する課題を課すことなどにより、論述の能力を涵養するための指導を行う。

担当教員氏名
渡邊 賢
科目ナンバリング
FCALAW71001-J1 (公大) / JAEPU7701 (市大)
授業管轄部署
ロースクール
授業形態
講義
開講キャンパス
杉本
開講区分
週間授業隔週偶数
科目分類
法律基本科目
配当年次
1年 (公大) / 学年指定なし (市大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。

単位数
3単位 (公大) / 3単位 (市大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
法律基本科目のなかでも、この科目は3年課程の1年次に開講されるもので、いわゆる未修者を対象とするものである。この講義のこのような位置づけを前提として、この講義では、日本国憲法における基本的人権の保障の全体像と、個別の人権規定による人権保障のあり方を検討する。この検討を通して、受講生が、各人権規定に関する基本的な判例・裁判例及び学説を精確に説明できるようになることが、この講義の第一の到達目標である。また、これら判例・裁判例が判断の対象とした具体的な事例をきちんと押さえていくことを通して、具体的な事例のなかに含まれる憲法上の問題点を発見する能力を身につけ、それを向上させ,、合わせて論述能力の涵養を図ることが、この講義の第二の到達目標である。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回イントロダクション【法の分類、各種の制定法相互間の効力関係、裁判手続などにつき学習する】事前学習:法の分類、各種の制定法相互間の効力関係、裁判手続などに関する予習。 事後学習:法の分類、各種の制定法相互間の効力関係、裁判手続など、法曹養成専攻における学修にとって必要な前提知識を理解しているか、復習する。
第2回法の下の平等その  1【尊属殺人罪(最判昭和 48・4・4 刑集 27・3・256)、非嫡出子の法定相続分に関する判例を通して、「平等」の観念に関する基本的な理解、憲法 14 条の規範構造、平等権審査の基本的な枠組等を学習する】①事前学習においては、教科書の該当箇所、レジュメおよび所定の判例(いずれも初回の授業までに告知する)を通読することが求められる。②事後学習においては、特に、事前学習で生じた疑問が授業を通して解決されているかを確認すること。【以下、第 23 回まで同じ。】
第3回法の下の平等その 2【同上】
第4回信教の自由と政教分離その1【信教の自由に関する加持祈祷事件判決(最判昭和38・5・15刑集17・4・302)、政教分離に関する剣道実技拒否事件最判平成8・3・8民集50・3・469、津地鎮祭訴訟最判昭和52・7・13民集31・4・533等を通して、信教の自由と政教分離の意義、両者の関係、信教の自由の内容、限界、政教分離の法的性格、違憲審査基準等を学習する】
第5回信教の自由と政教分離その 2【同上】
第6回表現の自由その 1【検閲と表現に対する事前抑制に関する北方ジャーナル事件最判 61・6・11民集 40・4・872、性表現規制に関するチャタレー事件最判 32・3・13 刑集 11・3・997 等を通して、「表現の自由の優越的地位」の理論、表現の自由を保障する意義、検閲・事前抑制の法理等を含む表現の内容に対する規制に関する問題、性表現規制に関する判例理論を学習する】
第7回表現の自由その 2【同上】
第8回経済的自由その 1【職業選択の自由に係る小売市場事件最判昭和 47・11・22 刑集 26・9・586、薬事法距離制限事件最判昭和 50・4・30 民集 29・4・572、財産権に係る森林法共有分割制限事件最判昭和 62・4・22  民集 41・3・408等を通して、職業選択に自由や財産権に関する問題(就中規制目的と人権制約の範囲や立法府の裁量の範囲との関係につき学習する。また、また損失補償の基本問題についても学習する。
第9回経済的自由その 2【同上】
第10回人身の自由その 1【刑事手続における諸権利の内容を学習するとともに、成田新法事件最判平成 4・7・1 民集 46・5・437 等を通して、行政手続における手続保障のあり方を学習する。これらの学習を通して、適正手続に関する基本問題に関する理解を深める。
第11回人身の自由その 2【同上】
第12回中間試験
第13回生存権その 1【生存権に関する朝日訴訟最判昭和 42・5・24 民集 21・5・1043 や堀木訴訟最判昭和 57・7・7 民集 36・7・1235 を学習し、併せて、生存権の自由権的側面に関する論点の学習を通して、生存権の権利性をめぐる問題や、生存権の自由権的側面に関する問題について検討する。
第14回生存権その 2【同上】
第15回教育を受ける権利その 1【教育を受ける権利に関する旭川学テ事件最判昭和 51・5・21 刑集30・5・615 等の検討を通して、学習権と教育権の所在の問題を中心に教育を受ける権利について学習する。
第16回教育を受ける権利その 2【同上】
第17回労働基本権その 1【労働基本権について、主に、公務員の労働基本権の制限に関する全逓東京中郵事件最判昭和 41・10・26 刑集 20・8・901、全農林警職法事件最判昭和 48・4・25 刑集 27・ 4・547 等の検討を通して、公務員の労働基本権の制限に関する判例の動向とその意義、問題点について学習する】
第18回労働基本権その 2【同上】
第19回包括的基本権その 1【表現の自由と名誉・プライバシーに関するいくつかの判例・裁判例、及び自己決定と輸血拒否に関する最判平成 12・ 2・29 民集 54・2・582 の検討を通して、表現の自由と名誉・プライバシーとの調整の在り方、および自己決定権の内容、制約原理について学習する。
第20回包括的基本権その 2【同上】
第21回人権の適用範囲と人権の制約原理【人権の適用範囲の問題につき、三菱樹脂事件最判昭和48・12・12 の検討を通して、いわゆる私人間効力論を巡る議論を学習する。また、人権の制約原理に関する議論を概観し、内在的制約、政策的制約、パターナリスティックな制約の内容とその相互関係を学習する。
第22回人権の享有主体その 1【外国人の人権享有主体性に係るマクリーン事件最高裁判決最判昭和53・10・4 民集 32・7・1223 等の検討を通して、外国人の人権の問題と国民主権論との関係、その他、未成年者・法人の人権についての議論について学習する。
第23回人権の享有主体その 2【同上】
第24回期末試験
成績評価方法
到達目標の到達度を図るため、本講義では絶対評価を用いて成績を評価する。具体的には、中間試験(成績評価全体のうち20%を占める)、各講義における質問や議論への参加の状況(成績評価全体のうち10%を占める)から構成される)、及び学期末の試験(成績評価全体のうち70%の比重を占める)により評価を行う。 各人権規定に関する基本的な判例・裁判例及び学説を精確に説明できること、および具体的な事例のなかに含まれる憲法上の問題点を的確に把握できることが、この講義に合格するための最低基準である。
履修上の注意
原則として講義形式の授業であるが、基本的な判例等を素材として、質疑応答や議論をまじえ、双方向的な授業の中で学生の理解を深めるようにするので、十分事前準備をすること。毎回の授業終了後は必ず復習をすること。
教科書
・野中俊彦=中村睦男=髙橋和之=高見勝利『憲法ⅠⅡ〔第 5 版〕』(有斐閣、2012 年) ・長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編『憲法判例百選ⅠⅡ[第 7 版]』(有斐閣、2019 年) ・大阪市大憲法判例集Ⅰ&Ⅱ(大阪市大で教材用に作成したもの。法学部事務室にある)

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参考文献
講義中に適宜配布し、あるいは指定する。
オフィスアワー
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
教員への連絡方法(メールアドレス等)
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -

Updated on 2024/2/27 6:20:27

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