2023年度/1FCB623010
【金3】国際人権法 <前期>
(公大) / 国際人権法特論 (公大) / 国際人権法 (市大)
この授業は講義形態で行われる。国際人権規約をはじめとする人権諸条約が締結され、また国連をはじめとする国際機関の人権保護活動が活発化する中で、国際人権法と呼べる分野が確立・発展してきた。本講義では、その法システムについて手続と実体の両面から検討するとともに、日本国内での具体的な適用・実施状況を国内判例の研究を通じて検討する。その内容は、① 国際人権法の規範内容と実施状況の検討、② 国内裁判所での利用:国際法と国内法の関係、直接適用や間接適用の問題、③ 人権諸条約における国家(政府)報告制度の意義と課題、④ 個人通報制度利用、⑤ 国連の人権保護手続、⑥ 近年の人権をめぐる世界的状況の把握である。
- 担当教員氏名
- 桐山 孝信
- 科目ナンバリング
- FCALAW84023-J1 (公大) / BCALAW62023-J1 (公大) / JAAPP8916 (市大)
- 授業管轄部署
- ロースクール
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 2年 (公大) / 1年 (公大) / 2年 (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (公大) / 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 講義の具体的な到達目標は、国際人権法システムの全体像について理解し、国内外の事例研究を通じて、問題解決への手がかりをつかめるようになることである。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- ・評価は上記の到達目標の達成度について評価する。 ・評価方法は次の2点で行う。 (1)講義での発表またはコミュニケーションカードの提出:40% (2)学期末の試験:60% ・合格のための最低基準:国際人権法システムの全体像の概要を理解し、国内外の事例研究を通じて、問題解決のための論点を提示することができる。
- 履修上の注意
- 国際問題について関心を持つ受講生を期待する。
- 教科書
- 芹田健太郎、薬師寺公夫、坂元茂樹著『『ブリッジブック国際人権法(第2版)』(信山社、2017 年)
- 参考文献
- 申ヘボン『国際人権法(第2版)』(信山社、2016 年)が有用なので、浩瀚ではあるが国際人権法に深い関心を持たれた学生はこれも読むことをおすすめする。
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- 法学政治学専攻開講科目「国際人権法特論」との合同開講とする。
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
---|---|---|
第1回 | 国際人権法の形成 憲法や刑事法の授業で扱う人権といわゆる「国際人権」はどこがどのように違うのか、なぜ国際社会で人権保護の重要性が唱えられるようになったのか、そしていかなる発展を経て今日に至っているのかを概説し、「国際人権法」という学問領域の目的と範囲を明確にする。 | 事前:教科書7章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第2回 | 国際的実施措置の検討(1)国家報告制度 現在の国際社会が備えている人権保護のための国際的仕組みについて概観し、とくに人権諸条約が規定している実施措置の一つである国家報告制度の意義と内容について検討を行う。 | 事前:教科書8章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第3回 | 国際的実施措置の検討(2)国家報告制度の実効性について 引き続き国家報告制度の意義と内容について検討を行う。具体的には日本が自由権規約委員会や社会権規約委員会や人種差別撤廃委員会に提出した報告書やそれに対するNGOのカウンターレポートを読み、その内容と問題点を検討する。 | 事前:教科書8章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第4回 | 国際的実施措置の検討(3)個人通報制度 日本には適用がないが、国際人権機関に対する個人通報手続について、その役割と課題を検討する。特に自由権規約とヨーロッパ人権裁判所の実行について言及する。 | 事前:教科書9章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第5回 | 国際法と国内法の関係(1)論理的関係 日本で人権条約を利用するにあたっては、その前提として、国際法と国内法の関係について理解しておく必要がある。ここでは、国際法と国内法との関係について、論理的関係の問題について考察する。 | 事前:教科書12章―1の熟読 事後:授業の内容確認 |
第6回 | 国際法と国内法の関係(2)法的効力 前回に続き、国際法と国内法の関係について、法的効力の問題を考察する。 | 事前:教科書12章―1の熟読 事後:授業の内容確認 |
第7回 | 国際法と国内法の関係(3)直接適用 前回に続き、国際法と国内法の関係について、日本における問題を取り上げて検討する。直接適用の事例の検討を、自由権規約と社会権規約が問題となった判例を考察する。 | 事前:教科書12章―2の熟読 事後:授業の内容確認 |
第8回 | 国際法と国内法の関係(4)間接適用 前回に続き、いわゆる直接適用と間接適用の事例を検討し、日本における国際人権訴訟の戦略のあり方を考える。 | 事前:教科書12章―3の熟読 事後:授業の内容確認 |
第9回 | 国際人権法は憲法を超えられないのか 上告理由の制限など、憲法訴訟にしばしば見られる、憲法の人権保障で足りるとする一般的傾向にたいして、国際人権法の観点から問題点を考察する。 | 事前:教科書12章―4の熟読 事後:授業の内容確認 |
第10回 | 国際人権の具体的内容:差別禁止事例を中心に(1)差別禁止事例 国内裁判所で下される判決において、差別禁止事例について、問題の所在も含めて、国際人権法の立場から考察する。 | 事前:配布資料の熟読 事後:授業の内容確認 |
第11回 | 国際人権の具体的内容(2)外国人の参政権 参政権については、いわゆる外国人の参政権問題の他に国内の民主化をめぐる論点としても参政権が取りざたされていることも踏まえて、問題の所在を考察する。 | 事前:配布資料の熟読 事後:授業の内容確認 |
第12回 | 条約によらない国際人権保障(1)人権理事会の制度 国連人権理事会の設置以後、条約によらない特別手続きにおいて人権保護を実現しようとする試みがなされている。その制度の概要と実際の運用について概論する。 | 事前:教科書7章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第13回 | 条約によらない国際人権保障(2)人権理事会の機能 前回に続いて条約によらない人権保障のうち、従来テーマ別手続と呼ばれていたものの概観と問題点を、具体的な事例をもとにして考察する。 | 事前:教科書7章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第14回 | 人権の国際化からグローバル化へ(1)国際刑事裁判所 グローバル化時代と言われる世界の中で国際人権法はどのように発展・変化しているのかを、国際刑事裁判所の実態を通して考察する。 | 事前:教科書10章の熟読 事後:授業の内容確認 |
第15回 | 人権の国際化からグローバル化へ(2)人道的介入 国連を中心とする最近の活動、特に「人道的介入」や「保護する責任」といわれている議論の意義と問題点を考察する。 | 事前:配布資料の熟読 事後:授業の内容確認 |
第16回 | 期末試験 |
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Updated on 2024/2/27 6:44:18