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2023年度/1GAF004001 (公大) / (府大)

【木3】共生社会と宗教 /[中百舌鳥]全N <前期>

「社会」とはいったい何であるのか。 ふだん私たちが空気のようにその存在を意識することのない「社会」に、私たちは強く縛られている。と同時に、この社会の拘束なしに、個人は個人として自立し生きることはできない。この逆説の含意は、私たちが生きる現代社会の性質を考えるとき、深い意味をもつ。 この講義は、人間が縛られながら深く依存している社会を、社会学的な概念や理論という「道具」を用いて分析をくわえていく。 そのプロセスのなかで、21世紀初頭、国民国家のゆらぎ、世界経済の激動、いっこうに収束しない民族・地域紛争、環境問題の深刻化、そして、それらすべてを被うグローバリゼーションの加速度を加えるような進展など、人類がこれまでに経験したことのない、地球的規模の大転換期を生きる私たちが、いやおうなく直面せざるをえない問題と、担わなければならない課題の一端を明らかにしていきたい。 さらに、人類社会における共存と共生の可能性を宗教社会学的に検討するために、授業計画に挙げたように宗教文化とその多様性を概観し、課題と問題点を考察し検討する。

担当教員氏名
秋庭 裕
科目ナンバリング
XXXCHU16004-J1 (公大) / FLCHU1274-J1 (府大)
授業管轄部署
国際基幹教育機構(学部)
授業形態
講義
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
週間授業
配当年次
1年 (公大) / 1年 (府大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (府大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
近代化以降の社会がそれ以前に比べて質的にも量的にも大きな変化変容を遂げたことは周知の事実である。とりわけ現代社会は変化のさらなる加速とも相俟って、いっそう複雑で予測の難しい状況を生み出している。こうした状況に対して社会学や隣接領域の諸学は、どのような概念や考え方を用いて取り組もうとしているのか、これまで培われてきた基本的な概念や研究テーマを紹介し、現代社会とその変容を読み解く方法論を身につける。 上述の基礎に立ち、宗教と社会の関係を考察し、理解を得る。じつは、宗教は、社会の「核」なのである。宗教的な価値や理念を欠いては社会は存立しない。しかし、それが一見したところでは見えないところが、現代社会の特徴なのである。科学技術は日夜とどまることのない飛躍的な進歩を重ねるこの時代にあっても、人類社会は、本質的な平和や安寧を十全に展望できない。今日もまた地球はコンフリクトに満ちている。しかし、この時代ほど、人類の共存と共生の必要が叫ばれる時代はない。この講義では、その基盤と可能性を宗教社会学的な観点から考察・理解できるようにする。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回イントロダクション「社会学入門」。 「社会」入門するとは?大学生になるとは?学歴とは?参考文献:吉川徹『学歴分断社会』ちくま新書 2009, 吉川徹『日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち』光文社新書 2018 を概観すること。
第2回「社会学」で、何が分かるのか? 「社会」は合理的?参考資料:クリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』Warner Bros.2007 梯久美子『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』新潮文庫2008 を見たり読んでみよう。
第3回一神教の世界:「コーシャー」とユダヤ教の世界に学ぶ タブーと戒律とは何か?予習と復習。課題は前回授業で提示。
第4回一神教の世界:イエスとキリスト教 西洋世界とその基礎 神とGODはどうちがう予習と復習。課題は前回授業で提示。
第5回日本と欧米の宗教状況概観 宗教を比較すると分かること 比較社会学の視点予習と復習。課題は前回授業で提示。
第6回日本と欧米の宗教状況概観 不合理な宗教・日本人は無宗教か?・欧米における世俗化・ 宗教から見たアメリカ合衆国の特色予習と復習。参考文献は下記参照。 梅原猛『日本人の「あの世」観』中公文庫 1983年
第7回日本人の死生観 その2、新宗教の問い 日本と欧米の宗教状況概観 不合理な宗教・日本人は無宗教か?・欧米における世俗化・ 宗教から見たアメリカ合衆国の特色予習と復習。参考文献は下記参照。 加地伸行『沈黙の宗教―授業』ちくま学芸文庫 2011年。
第8回E.デュルケームの問い1『自殺論』の到達点 エゴイズムと社会 社会に「殺される」、その1?予習と復習。課題は前回授業で提示。
第9回E.デュルケームの問い2『自殺論』の到達点 利他主義の問い 社会に「殺される」?予習と復習。課題は前回授業で提示。
第10回M.ウェーバー、資本主義の誕生、その1 欲望と禁欲 「欲望という名の電車」は、止まらない予習と復習。課題は前回授業で提示。
第11回M.ウェーバー、資本主義の誕生、その2 「神」が、バブルを生んだのか?予習と復習。課題は前回授業で提示。
第12回人間の「欲望」について E.デュルームとM.ウェーバーをつなぐ予習と復習。課題は前回授業で提示。
第13回R.K.マートンの社会学 社会を理解する1 中範囲理論と機能主義予習と復習。課題は前回授業で提示。
第14回Festinger の仕事 呪術から宗教へ 「予言が外れるときランドセルが輝く!?」予習と復習。課題は前回授業で提示。
第15回今、宗教が分からなければ世界が分からない 宗教は、人間にとってエピソード的ではない、本質的なのである グローバリゼーション時代を生きるために予習と復習。課題は前回授業で提示。
事前・事後学習の内容
この講義では、多くの受講生が初めて接する「大学の講義」の一つにカウントされると思う。 そもそも大学での授業は、受講のための準備、受講したものの応用の両面で、(出席は当然であるが)授業時間外のタスクも必須不可欠であることを強調しておく。 「大学の講義」をいかに聞き、講義における問題設定を、自分自身の問題意識のなかで再構築し、いかに自分自身の知的探求の営みに転轍(てんてつ)していくのか。本講義は、そのためのガイダンスの意味も含んでいる。
成績評価方法
成績は、試験(持ち込み参照一切不可)および/あるいは、レポートによる。成績の評点(100点満点)で成績評価する。 試験では、授業目標で掲げた社会学の理論と方法の理解度合いによって評価する。評価は、下記の達成度合いに応じ、評点を付す。 授業で取り上げた各項について概説ができ(評価「C」)、その習得した知識に基づいて、各人の問題意識との接点から発展的に社会学的思考ができること(評価「B」以上)。
履修上の注意
参考文献など、講義中で言及する資料について「必ず」目を通すこと。またそのために図書館の利用について習熟すること。
教科書
教科書は使用しない。

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参考文献
もっともベーシックなもののみあげておく。その他、随時・適宜授業中に紹介する。 R.コリンズ『脱常識の社会学』岩波書店 伊藤公雄・橋本満編『はじめて出会う社会学』有斐閣 デュルケーム『自殺論』中公文庫 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫
オフィスアワー
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教員への連絡方法(メールアドレス等)
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Updated on 2024/2/27 6:35:40

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