2023年度/1HAB001101
【集中講義】研究公正A (杉本・中百舌鳥) <前期>
(公大) / 研究公正B (杉本・中百舌鳥) (公大) / 研究公正 A (杉本・中百舌鳥) (府大) / 研究公正 B (杉本・中百舌鳥) (府大)
博士前期課程、修士課程の学生が研究公正について自らの問題として考える姿勢を培い、研究不正の種類や内容について理解することを目的とする。具体的には、研究公正や研究不正の問題と自らの研究活動を関連付けて考えられること、研究不正等に関して基礎的な知識を身に付けることの2点を目標とする。
- 担当教員氏名
- 市田 秀樹、山東 功、牧岡 省吾、土屋 貴志、阿部 昌樹、中山 雄司、麻田 俊雄、寺北 明久、兼子 佳久、秋田 成司、金 大貴、小泉 望、岡田 利也、塩田 正之、立石 千晴、岩田 晃、細田 泰子、所 道彦、水鳥 能伸、橋本 文彦、阿多 信吾、宮本 貴朗、貫上 佳則、山崎 伸二、近藤 友宏、竹林 崇
- 科目ナンバリング
- YYYCET51001-J1 (公大) / YYYCET71015-J1 (公大) / FGCET5102-J1 (府大) / FGCET5102-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 国際基幹教育機構(大学院)
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 集中講義
- 配当年次
- 1年 (公大) / 1年 (公大) / 1年 (府大) / 1年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 1単位 (公大) / 1単位 (公大) / 1単位 (府大) / 1単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 1.研究公正や研究不正の問題と自らの研究活動を関連付けて考えられること。 2.研究不正等に関して基礎的な知識を身に付けること。
- 授業内容
- ●共通講義+e-learning:第1〜4回相当 「研究公正」科目を大学院共通科目(必修)として履修することの意義について、研究公正の観点から概説する。特に近年においては、不適切なオーサーシップや二重投稿が研究不正とみなされることが増えていることから、不適切なオーサーシップとはどのような行為であり、なぜ問題なのか、また適切なオーサーシップの基準はどのようものなのか、さらには研究成果の発表における二重投稿やサラミ出版とはどのような問題なのかといった、オーサーシップと二重投稿の問題を中心とした研究発表の倫理について具体的な事例をもとに検討する。そのほか、特定研究不正行為や、研究データ管理、利益相反など責任ある研究活動に向けた知識を整理する。共通講義では、外部講師による最近のトピックスに関する特別講義を1回実施する。また、e-learning方式を用いて「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」等についての解説や研究公正に関する各知識の確認を行う。 ●各研究科担当講義:第5〜6回相当 各研究科における研究の特性に応じつつ、それぞれの研究分野において留意すべき研究公正/研究倫理上の必要な知識と概念について概説する。研究不正が起こる背景とその問題について考察するとともに、科学研究がもたらす社会への影響などを、身近な出来事として自発的に思考できるようになることを目指す。 <現代システム科学研究科> 人間を対象とする研究における研究倫理上の留意点(対象者の保護、説明と同意、参加中断の自由、個人情報の保護など)について、過去の研究事例について触れながら解説する。さらに、人間を対象とする研究の実施において必要とされる研究倫理申請における注意点、実際の申請と審査の仕組み等について解説する。 <文学研究科> 盗用(剽窃)について考察する。盗用の実態と、どうすれば盗用でない「正当な引用」になりうるか、そもそもなぜ盗用をしてはいけないのか、等について考える。 <法学研究科> (1)研究公正の意義、内容、社会的必要性・重要性等について理解を推し進めた上で、特に法学系の論文・レポート作成や研究活動においておかしやすい研究不正の特徴について具体的事例を介して検討することで、研究公正を自覚的に意識した研究活動をおこなっていくことができるようになること目指す。 (2)社会科学の分野では、調査票を用いて、あるいは様々な程度に構造化された聞き取り調査によって、人々の意見や経験に関するデータを収集することが、しばしば行われている。そうしたデータ収集は、調査対象者に個人情報の提供を求めるものであり、人権侵害の可能性を随伴しているし、収集したデータに依拠した研究成果を公表することが、調査対象者の個人情報の不当な開示となる可能性もある。また、収集したデータの改竄や収集していないデータの捏造は、それ自体、重大な研究不正である。この授業回では、そうした社会科学の分野の人を対象とした研究におけるデータの扱いをめぐる諸問題について学習する。 <経済学研究科><経営学研究科> (1)経営学・経済学分野の研究における研究不正(ねつ造、改ざん、盗用)の事例紹介と研究不正を行わないために注意しなければならないことの議論をする。 (2)大学院生も含めて、研究者としての専門教育を受けたものは、その発言が市民の実際の生活に大きな影響を当たることがあるため、強い責任が伴うことを忘れてはいけない。特に、「災害」や「危機時の意思決定」に際しては、「間違ってはいない」が「他にも情報はある」という場合に、その表現形式によって市民の行動をコントロールすることも可能であるが、悪用してはならない。 ※(1)(2)とも経営学研究科と同時開講 <情報学研究科> 以下の3つの項目について2回に分けて講義する。 【個人情報保護法】個人情報保護法は、情報学に関連する研究活動において必ず関係する法律となった.本講義では,個人情報保護法が事業者等に課している義務の概要とその対応について解説する. 【著作権法】研究活動において,知的財産権(知的所有権)の知識は必要不可欠となっている.知的財産権は大きく二つに分けることができる.一つは特許権,実用新案権,意匠権,商標権などの産業財産権(工業所有権)と,文化的な創作物を保護対象とする著作権である.本講義では,著作権についてその概要と研究活動において注意すべき点などについて解説する. 【RDM(研究データマネジメント】研究活動に関わる種々のデータは,これまでは研究者や各研究分 野により保管・共有・活用されてきました.一方で,大学等の学術機関には公的資金により生成された研究データを適切に管理・ 共有するとともに後世に継承することが求められています.本講義では,適切な研究データマネジメントについてその考え方について解説する. <理学研究科> 理学研究科では自然現象に潜む原理を探求し活用する道を拓く学問の探求を行う。研究成果は論文等を介して外部に公開されるため、内容については事実に基づき客観的に検証可能な形で実施される必要がある。これらの点に留意して議論を展開する。 <工学研究科> 工学研究科では以下の2つの項目について2回に分けて講義する。 【製造物責任法と公益通報者保護法】(弁護士 長部 研太郎 先生) 製造物によって消費者に被害が発生した場合において,製造業者等に責任が生じるのはどのようなときかについて,製造物責任法を,事業者の不祥事の多くが事業者内部からの通報を契機として明らかになっていることから,その重要性と通報者の保護の必要性について,公益通報者保護法を,それぞれ具体的な事例をベースに理解できるようになることを目指す。 【研究者が知っておくべき知的財産権とその関連法】(弁理士 森田 拓生 先生) 産業財産権法4法の趣旨と保護対象、著作権法,不正競争防止法,研究における各種権利の取り扱いについて理解できるようになることを目指す。 <農学研究科> 遺伝子組換え技術・ゲノム編集技術に関する研究者、行政、メディア、市民団体など異なるステイクホルダーの意見を取り上げ、科学研究が社会にもたらす影響並びに社会がアカデミアに与える影響について検討する。 <獣医学研究科> 研究遂行において、病原微生物、動物ならびに遺伝子組換え生物等を取り扱うことが多いことから、バイオセーフティ関連実験ならびに動物実験において必要とされる法的ならびに倫理的管理について講述する。 <医学研究科> (1)基礎生命科学における研究不正について、実例を用いて概説する。研究論文作成時に過失によって起こりがちな研究不正について理解する。 (2)医学系研究において必要な研究倫理についての知識を習得するために、「ヘルシンキ宣言」や日本の研究において必須の知識となる「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」また、利益相反(COI)についても概説する。 <リハビリテーション学研究科> (1)人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省)、およびその指針に基づいたリハビリテーション学領域における研究倫理申請について解説する(平岡浩一)。 (2)脳卒中後の上肢麻痺に対する臨床研究の歴史と当方の経緯を遡りながら、臨床家や研究者が研究的思考を持ってどのように新規技術にアクセスし、エビデンスとするのかについて、事例報告からランダム化比較試験への流れ、資金獲得のノウハウなどについて講義する(竹林崇)。 <看護学研究科> 医療における研究倫理の歴史や原則を踏まえ、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の基本方針と主な内容、国内外の看護研究における倫理指針について概説する。また、研究倫理審査委員会の役割・責務を解説し、具体的な事例をもとに研究活動の不正行為について検討する。 <生活科学研究科> 生活科学は、生活に焦点を当てた学際複合の研究分野であり、すべての研究が人の健康、環境、福祉に直接的に関係する。また、研究を進めていく上で特有の研究倫理上の課題が存在する。生活科学各分野の研究テーマや研究方法と関連させつつ、研究公正、研究倫理上の課題について事例を含めて講義する。 ●グループワーク:第7〜8回相当 研究公正に関する具体的な課題を設定し、グループ・ワークを行う。研究不正に関するさまざまな事例のなかから数例を選定し、各事例において何が研究不正行為にあたり、なぜそれが起こっているのかをブレインストーミングする。そのさい、単に不正行為をピックアップするのではなく、それらが行われた、あるいは行われうる背景や環境(職位・ジェンダー・組織間にある序列関係、人員・研究費・機材・機会の不均衡等)を抽出できる思考力を涵養する。さらに、行われた、あるいは行われようとしている研究それ自体の科学的および倫理的妥当性についてディスカッションできることを目指す。
- 事前・事後学習の内容
- 次のキーワードについて事前に調べておくことが望ましい。 研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン、研究者行動規範、責任ある研究活動、特定研究不正行為(捏造、改ざん、盗用)、オーサーシップ、二重投稿、サラミ出版、研究データ管理、利益相反、科学(技術)と研究倫理
- 成績評価方法
- 単位を取得するためには、「講義」「e-learning」「グループワーク」「レポート課題」について全ての受講または提出の完了が必要であり,そのうえで研究公正や研究不正の問題と自らの研究活動を関連付けて考えられること、研究不正等に関して基礎的な知識を身に付けることの2点を達成することが求められる。 成績を評価する手段として、①講義に関するチェックテスト、②e-learningの受講修了、③グループワークでの取り組み状況など、①〜③を含めた授業への貢献(態度(出席点とする場合がある))と、④期末提出のレポート課題の評点から総合的に判断する。成績評価に用いる割合は、授業への貢献(態度)が50%、レポートが50%である。
- 履修上の注意
- 本授業は、「研究公正B」と同時開講します。 研究公正Bについては、本シラバスにおける「博士前期課程、修士課程」の箇所を「博士後期課程、博士課程」と読み替えてください 講義日程の詳細については,Moodleに掲載します. 必ず.Moodleの掲示には注意を払い,受講を進めてください.
- 教科書
- 必要に応じて資料等を配布する。
- 参考文献
- 授業中に指示する。
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
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Updated on 2024/2/27 6:53:20