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2023年度/1KDA011001 (公大)

【集中講義】創薬科学実習1 <前期>

本実習を担当する8研究Gが提供する実習から1実習を選択し,1週間の実習を行う.各実習内容は授業計画を参照のこと.

科目ナンバリング
AKXPHA32005-J4 (公大)
授業管轄部署
農学部
授業形態
実習
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
集中講義
配当年次
2年 (公大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
1単位 (公大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
本科目では,創薬科学・創薬プロセスに関する知識と実施技術の修得を目的とする. 具体的には,以下の能力を身につけることを達成目標とする. ① 酵素結合免疫吸着法 (ELISA) や表面プラズモン共鳴法 (SPR) を用いて,受容体−リガンド相互作用の解離定数やバイオ医薬品の阻害定数を決定し,医薬品の作用機序を考察できるようになる. ② 創薬研究で大きな知見を生む,蛋白質のX線結晶構造解析の基礎的な実験(結晶化,X線回折データ測定及び構造解析)について習熟する.さらに,コンピュータ上で観察することで蛋白質と阻害剤との相互作用について理解を深めながら,阻害剤の選択性及び活性を論理的に向上させうる基礎的素養を身に付ける. ③ 細胞培養用試薬の作製,細胞の観察,継代作業ができるようになる.細胞生存性の評価実験の原理を理解し,細胞生存性を評価できるようになる. ④ タンパク質の精製に必要な実験(各種クロマトグラフィー含む)とSDS-PAGE,さらに難水溶性薬剤による内因性トリプトファンの蛍光消光効果を測定し,リガンドとタンパク質の相互作用に伴うストイキオメトリーや結合親和性について考察できるようになること.細胞培養用試薬の作製,細胞の観察,継代作業ができるようになる.細胞生存性の評価実験の原理を理解し,細胞生存性を評価できるようになる. ⑤ 遺伝子およびタンパク質に関する種々のデータベースからの情報の取得, 配列相同性解析, さらにはゲノム変異や各種オミクス解析で得られたビッグデータを活用したバイオインフォマティクス解析ができるようになる. ⑥ 蛍光標識化学の理解,共焦点レーザー顕微鏡の基礎的な使用技術,細胞染色法,イメージング技術の取得と細胞内への薬物移行評価・考察ができるようになる. ⑦ インビボイメージング装置により薬剤のマウス体内動態について評価・考察できる様になること,また動物実験倫理を身につける. ⑧モノクローナル抗体の特性やその特性を活かした実験法の原理を理解し,抗原の定量法を習得し,定量法による感度や精度などの違いを考察ができるようになる.
授業内容
①藤原G(理学):バイオ医薬品の主な作用メカニズムは,疾患関連タンパク質の受容体・リガンド相互作用の阻害である.本実習では,バイオ医薬品・受容体・リガンドの相互作用を定量的に評価するための基本的技術を習得する. ②木下G(理学):創薬標的となる蛋白質の機能を知り,それを制御するためには,立体構造が大きな手がかりとなる.本実習では,蛋白質の立体構造を決めるX線結晶構造解析の基礎的技能を実習する.さらに,コンピュータ上でX線結晶構造を観察して蛋白質と阻害剤の結合様式を理解し,阻害剤の選択性あるいは活性向上に向けた提案を各自が発表し,相互に議論する. ③中瀬G(理学):抗がん剤を含め細胞制御を行う薬物は,標的細胞を認識して細胞形質膜に結合し,細胞内移行後に薬効が働くべき細胞内オルガネラ集積が必要である.本実習では,薬物の細胞標的・細胞内導入研究において,蛍光標識を用いた受容体結合や細胞内移行性,細胞膜透過性等の目的薬物の可視化,受容体や各オルガネラ染色を用い,共焦点レーザー顕微鏡の基礎技術習得,及びタイムラプスイメージング等での薬剤細胞内移行評価に関する実習を行う. ④乾G(農学):バイオ医薬品とは,遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて製造したタンパク質を有効成分とする医薬品である.本実習では,タンパク質の取り扱いに関する基本的技能を習得するために,大腸菌発現系によるタンパク質精製を行い,タンパク質の定性または定量試験を実施する. ⑤石橋G(農学):近年,ゲノム情報を利用して創薬への手掛かりを見出す,いわゆる「ゲノム創薬」が注目されている.ゲノム創薬の出発点は,様々な疾患に関連したゲノムの情報や,その転写産物(RNA)に関する膨大な情報であり,コンピュータを利用してこれらのビッグデータを解析すること(バイオインフォマティクス)により,新規の創薬標的候補を探索する.本実習では,このバイオインフォマティクス解析の一端を体験する. ⑥児島G(工学):医薬品の薬理活性やドラッグデリバリーシステムの性能評価はまずは細胞レベルで実施される.実習では,がん細胞の培養と細胞の生存性の評価方法 (MTTアッセイ,live/deadアッセイ)に関する実習を行う. ⑦長﨑G(工学):創薬に向けて前臨床試験では薬物の小動物における安全性や体内動態評価が実施される.本実習ではマウスにおける高分子薬剤の体内動態を近赤外蛍光性物質を利用したインビボイメージングにより評価する. ⑧立花・横山G(工学):モノクローナル抗体はその特異性と親和性の高さから,医薬品や診断薬に利用される生体物質である.本実習では,モノクローナル抗体の特性や実験法を理解し,医療分野において用いられるELISA法やイムノクロマト法などモノクローナル抗体を用いた実習を行う.
事前・事後学習の内容
本実習の理解には予習と復習が不可欠です。下記授業計画欄に実習内容を示していますので,記載されている内容に関して事前に独自に調べておいて下さい。分らない部分を明確にしておいて頂ければ,実習時に説明します。また,実習内容の理解と復習をかねて、レポートを提出して頂きます。
成績評価方法
授業目標(達成目標)の1~8の中(8実習項目)から,選択した1実習に相当する1項目の達成度で成績評価を行う.選択した実習の内容についてのレポートを提出し,実習中の討論の状況(30%)とレポートの内容(70%)に基づき,実習項目の達成度を評価し,100点満点中,60点以上を合格とする.
履修上の注意
本授業の内容は、授業担当者の実務経験を活用したものである.
教科書
各実習において別途プリントを配布する.

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参考文献
「ホートン生化学」第5版(東京化学同人) 「Dr. Bonoの生命科学データ解析」坊農秀雅著、菅原秀明編(メディカルサイエンスインターナショナル)(2017年) 「細胞生物学実験法」 野村港二編集、朝倉書店 「遺伝子導入なるほどQ&A : 実験のコツがつかめる基礎知識+siRNA・タンパク質の導入もわかる!」落谷孝広, 青木一教編集、羊土社 「特集“中分子創薬とDDS”」二木史朗編、Drug Delivery System  35 巻 (2020) 3 号 「創薬科学入門」佐藤健太郎(オーム社)
オフィスアワー
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教員への連絡方法(メールアドレス等)
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その他
(関連科目)創薬科学のすすめ,創薬科学特殊講義,ゲノム創薬学, 製品製造化学,バイオ医薬品化学,薬物送達学

Updated on 2024/2/27 6:53:30

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