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2023年度/2B10152001 (府大)

【火3】マクロ経済学I <前期>

マクロ経済学では,一国や地域の経済活動がどのように決定されるかを学びます。人々は消費者,労働者,投資家,経営者などとして経済活動に関わり,企業は雇用,投資,生産,消費などを行います。企業が設備投資をする場合や,個人が住宅投資をするときには金融機関を通じて資金調達をします。生産者,金融機関が獲得した売上は他の企業への支払いや被雇用者への賃金として経済に還流します。政府は個人,法人から税金を徴収し,補助金を支給したり公共サービスを供給します。 マクロ経済学では複雑に交差する様々な経済活動の相互作用とその結果を理解するために,大胆に抽象化されたモデルを用います。モデルは経済現象を俯瞰するための見取り図であり,モデルを使うことによって現実経済の複雑さに惑わされることなく現象の本質を掴むことができます。具体的には,「一国経済の平均的豊かさをどのように計測するか」「平均的豊かさがどのように決定されるか」「物価水準はどのように決定されるか」「不況時にはどのような経済政策が有効か」「中央銀行の金融政策はどのような効果をもつか」といった重要な問題に答えられるようになります。 この授業で学ぶマクロ経済モデルを適切に用いれば,現実の経済現象を見通しよく理解できるようになるでしょう。 《扱うテーマと関連科目との関係》 マクロ経済学は広範なテーマを扱う分野ですが,「マクロ経済学 I」 では価格が伸縮的な長期における経済分析の基礎的な話題と、価格が粘着的な短期?中期のマクロ経済変動とその対策に関する理解を深めることを目標にします。 「マクロ経済学入門」ですでに扱ったテーマも数多く含まれますが、いくつかの新しい内容が加わることと、既習の内容をより高いレベルで理解することが求められます。これには次のような例を挙げることができます。 《新しい内容》

  • GDP の所得面の議論
  • 大国開放経済における経済政策に関する議論
  • インフレーションの議論
  • 豊富な事例分析
《入門で履修済みだがより詳しく学ぶ内容》
  • 価格指数などの指標に関する詳細な計算方法
  • 労働市場不均衡に関する議論
  • 総供給曲線の導出過程についての議論
《授業の方法》 この授業では反転授業を実施します。事前学習として指定した教材を自習してください。毎週の授業時間では練習問題の取り組みを通して知識を深めます。

担当教員氏名
佐藤 健治
科目ナンバリング
AMECO2210-J1 (府大)
授業管轄部署
現代システム科学域
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
週間授業
配当年次
2年 (府大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (府大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
一国の経済活動を測る種々の経済指標・データの定義と特徴を理解し,財政金融政策がそれら指標にどのような効果を及ぼすかを理解するためのマクロ経済理論,経済モデルを学習します。 経済理論を理解することの効能は,ある政策が「どのような条件の下で」,「なぜ」そのように働くのかといった点に明確な主張や仮説を提供できることにあります。個別の事例研究と比べると抽象理論は幾分とっつきにくく感じるかもしれませんが,十分なトレーニングを積むことで現実との接点が次第に見えてくるものです。新聞やニュースで見聞きする重要な経済問題について,マクロ経済理論にもとづいた考察ができるようになれば,政策決定の良否について自分なりの意見を持てるようになります。 このような観点に基づき,本講義では次の3点を授業の達成目標として掲げます。
  • データを理解する
  • モデルを理解する
  • モデルを応用できる
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回ガイダンス, 科学としてのマクロ経済学1章
第2回マクロ経済学のデータ2章
第3回国民所得:どこから来てどこへ行くのか3章
第4回貨幣システム:どのようなものでどのように機能するか4章
第5回インフレーション:原因と影響と社会的コスト5章
第6回開放経済6章
第7回開放経済(つづき)6章
第8回失業と労働市場7章, 《中間試験》
第9回景気変動へのイントロダクション8章
第10回総需要I:IS-LMモデルの構築9章
第11回総需要II:IS-LMモデルの応用10章
第12回総需要II:IS-LMモデルの応用10章
第13回開放経済再訪:マンデル=フレミング・モデルと為替相場制度11章
第14回総供給およびインフレーションと失業の短期的トレードオフ12章
第15回総供給およびインフレーションと失業の短期的トレードオフ12章
第16回《期末試験》教科書の全範囲(主に後半部分)
事前・事後学習の内容
《準備学習》 入門レベルのマクロ経済学を習得済み、かつ、中級レベルのミクロ経済学を並行履修することが望ましい。未修であっても履修を妨げるものではありませんが,参考書として挙げた中では,家森『マクロ経済学の基礎』に記載されているような内容(GDP の構成,IS-LM分析,AD曲線)については習得済みとして授業を進めます。 また,ミクロ経済学の知識は重要なので,定評のある教科書を手元に置いておく方がよいでしょう。中級レベルのミクロ経済学の教科書として次の2つを推薦します。
  • 神取道宏(2014)『ミクロ経済学の力』日本評論社
  • Hal R. Varian (2014) Intermediate Microeconomics: A Modern Approach, 9th. W W Norton. (『入門ミクロ経済学』佐藤隆三監訳, 勁草書房)
《授業時間外の学習》 予習として,教科書の指定した範囲に目を通してくること、また指定する動画教材に取り組むこと。授業を聞いた後には,教科書の練習問題および授業中に配布する練習問題を繰り返し解いて練習すること。 特に、マクロ入門を未習の方は学習時間を十分に確保していただく必要があると思います。
成績評価方法
中間試験(6章 or 7章の終了後に持ち帰り試験または授業支援システムのテスト, 100pt)と期末試験(100pt)を受験し、以下の基準を両方とも満たす場合に合格とします。
  • 中間試験の点数が 60pt 以上 (6割)
  • 期末試験の点数が 40pt 以上 (4割)
  • 合計得点が 120pt 以上(6割)
合格者の成績は中間試験,期末試験, 練習問題(授業支援システムを活用する),授業への積極的な参加をもとに相対評価し,成績分布がおおむね次の割合になるようにします。 A+ 5%, A 25%, B 40%, C 30%
履修上の注意
教科書、講義動画を使って十分に予習した上で授業に参加してください。
教科書
N・グレゴリー・マンキュー『マンキュー マクロ経済学I 入門編』第4版 足立他訳,東洋経済新報社 授業でスキップする項目も含めて試験範囲に入る可能性があります。必ず手元に用意してください。

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参考文献
N・グレゴリー・マンキュー『マンキュー マクロ経済学II 応用編』第4版 各自の到達度・到達目標に応じて次の本が役に立ちます。 《マクロ経済学を初めて学ぶ》
  • 家森信善 (2021)『マクロ経済学の基礎 第2版』〈ベーシック+〉 中央経済社
  • 二神孝一 (2017)『マクロ経済学入門 第3版』日本評論社
《入門的なマクロ経済学の復習をしたい》
  • 福田慎一・照山博司(2016)『マクロ経済学・入門 第5版』有斐閣
《同等レベルの教科書で理解を補いたい》
  • 宮尾龍蔵 (2017) 『コア・テキスト マクロ経済学 第2版』新世社
  • 浅子和美・加納悟・倉澤資成(2009)『マクロ経済学 第2版』新世社
《より高いレベルの教科書にチャレンジしたい》
  • 齊藤誠・岩本康志・太田聰一・柴田章久(2016)『マクロ経済学 新版』有斐閣
  • 二神孝一・堀敬一(2017)『マクロ経済学 第2版』有斐閣
オフィスアワー
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その他
(関連科目) 《事前に履修することを強く推奨する科目》 マクロ経済学入門,ミクロ経済学入門I,経済学と経営学のための数学 《事前に or 並行して履修することを推奨する科目》 ミクロ経済学 I 《マクロ経済学 I の後に履修することを強く推奨する科目》 マクロ経済学II, 動態マクロ経済学 《マクロ経済学 I の後に履修することを推奨する科目》 金融入門, 金融システム, 財政学A, B, 地方財政I, II, 労働経済I, II

Updated on 2024/2/27 6:24:51

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