2023年度/2B10286001 (府大)
【木4】共生文化論入門 <前期>
現代社会の「共生」をめぐる重大なトピックを、5人がそれぞれとりあげ、オムニバス形式で授業をおこなう。それぞれ、エスニシティ、レイシズムと歴史認識、セクシュアリティ(LGBT)、そして都市と貧困である。排外主義、レイシズム、ナショナリズム、性的多様性、都市開発、「格差」の深刻化、貧困者の差別・排除と、現代世界はさまざまな「病」を抱えあえいでいる。こうした問題は、すべての知が総力をあげて取り組むべき問題である。ここでは、複数の課題についてのそれぞれ専門の教員が、やさしい入門の講義をおこない、これからの大学での学習の過程の基礎作りをおこなう。
- 科目ナンバリング
- ASSSS1103-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 現代システム科学域
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 1年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 共生とはなにか? いま、共生はとてもかんたんに口にされている。しかし、その一方で、差別も戦争も、そして自然破壊も、その勢いが衰えるどころか、むしろ強まっている。 この授業では、エスニシティ、ジェンダー、セクシュアリティ、など、複数の現象、トピック、アプローチ、そして考え方を提示するなかから、なにを専門としようとも、現代社会に生きるためには必須の知識と発想の基本である「共生」とはなにかを、深く学ぶ第一歩とする。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 各教員の指示にしたがってください。
- 成績評価方法
- 1,各自教員の提出する課題と、学期末のレポートによって評価します。 2,配分は、50+50である。合格のラインは60%。 3,授業に出席して、授業を理解していることが前提です。
- 履修上の注意
- 成績評価の方法などに変更もありうるので、担当教員の指示に注意をすること。
- 教科書
- 適宜、指示をする。
- 参考文献
- 適宜、指示をする(一部は、以下の授業計画のなかにあげてある)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- (関連科目)「社会共生科学入門Ⅰ, Ⅱ」など
授業 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | イントロダクション 「共生」とはなにか? シラバスを配布し、授業の進行について全般的説明を行う。 |
第2回 | 水俣病事件を考える(1)近代の病としての水俣病。キーワード:近代産業主義、「生産力ナショナリズム」 |
第3回 | 水俣病事件を考える(2)石牟礼道子の思想①。キーワード:『苦海浄土』、「死民」、水俣病闘争 |
第4回 | 水俣病事件を考える(3)石牟礼道子の思想②。 キーワード:水俣病問題における構造的かつ重層的な差別、人間の原存在の意味への問い |
第5回 | 韓国女性運動史(1)キーセン観光と日韓女性による反対運動 キーワード:ヘイトスピーチ、差別、歴史の否定、排外主義 参考文献:樋口直人『日本型排外主義』名古屋大学出版、2014年 |
第6回 | 韓国女性運動史(2)民主化闘争と女性運動の進展キーワード:政治言説、メディア、サブカルチャー、参加文化 参考文献:倉橋耕平『歴史を否定するメディア文化(仮)』青弓社、2018年(近刊) |
第7回 | 韓国女性運動史(3)「性売買特別法」の制定と性労働者運動の興隆 参考文献:津田大介・日比嘉高『「ポスト真実」の時代』祥伝社、2017年 |
第8回 | セクシュアリティ(1)「LGBT」とは誰を指しているのか?という問いから、ジェンダーとセクシュアリティを考察するための基礎概念を共有する。 |
第9回 | セクシュアリティ(2)レズビアン/ゲイの歴史――「同性愛」概念の誕生と普及から同性愛解放運動までを概観する。 |
第10回 | セクシュアリティ(3)都市のなかのセクシュアリティ――大阪のゲイタウンを事例に「共生」の可能性について考察していく。 |
第11回 | 都市と共生(1)ジェントリフィケーションとは何か? 世界各地におけるジェントリフィケーション(貧困地域が再開発されることによって地価が高騰し、貧困層が居住できなくなること)の問題を取り上げる。また、それに対抗するためにつくられた映像、パフォーマンス、ビラなどの各種メディアを駆使した実践的な運動を紹介したい。 |
第12回 | 都市と共生(2)釜ヶ崎における再開発と追い出しについて① (ジェントリフィケーションの事例紹介) 前回の授業で紹介したジェントリフィケーションの問題を、大阪・釜ヶ崎地域にあてはめて紹介する。近年、釜ヶ崎における「都市再生」や「安心・安全のまちづくり」が叫ばれるなかで、共に生きる社会が構想されるのではなく、一部の人々にとって住み良い「まちづくり」のみが推進されているように思われる。特に新今宮駅前再開発事業(商業施設誘致、アート・プロジェクト、社会福祉施策)にともなって、労働者や野宿者が追い出されている昨今の現状について具体的に説明を行いたい。 |
第13回 | 都市と共生(3)釜ヶ崎における再開発と追い出しについて② (ジェントリフィケーションの事例紹介) 前回言及できなかったことを補足的に説明する。 |
第14回 | まとめ |
第15回 | 予備日 |
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Updated on 2024/2/27 6:36:52