2023年度/3S01125000 (市大)
【金2】代数学Ⅳ <後期>
代数学IIIに引き続いて、代数学の基本的な対象である体の基礎理論、特に代数拡大の理論を展開する。体の代数拡大の理論とは、具体的には、体に係数を持つ多項式の根を考えることである。アーベルの方程式を根の間の変換を与える群で調べる考え方は、ガロアにより部分体と部分群の対応という革命的な理論に発展した。この理論は、代数的整数論や代数幾何学をはじめとする種々の数学的理論において用いられる基本的理論である。
- 担当教員氏名
- 江尻 祥
- 科目ナンバリング
- SAALG6301 (市大)
- 授業管轄部署
- 理学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 3年 (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 体の基礎理論、特に代数拡大の理論を説明できるようになることをこの授業の到達目標とする。体論では、これまでに学んできた線形代数・群・環などの抽象的な代数学を具体的に応用する。古典的理論を理解するとともに、抽象的手法の有用性も学び、さらなる自己の数学的発展のための基礎を身につける。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 定義、証明を理解し、演習問題を解くことによって理解を深める、というのが順当な学習方法である。しかし、内容は高度であり、一度聞いただけで簡単に分かることは少ない。立ち止まってじっくり考えることも重要だが、そればかりでなく、何が分からないかをはっきりさせた上で、ひとまず先に進むことも大切である。進んだ視点から見直すと、分からなかったことが分かるようになることはよくある。
- 成績評価方法
- (1) 代数学IVは代数学IV演習とセットで履修することが望ましい。 (2) 主として授業の最後に課すレポートで評価する。体の代数拡大の基礎概念を説明できることが合格の最低基準である。 (3) 代数学IV演習では、到達目標の達成度を測るための課題を毎週出題する。代数学IV演習を履修している場合、課題のレポートと演習中の応答などの受講状況も加味する。
- 履修上の注意
- 代数学Ⅰ、 代数学Ⅱ、代数学Ⅲの知識を仮定する。内容は高度に抽象的であり、理解するためには地道で継続的な努力が求められる。その努力の後には、十分な論理的思考能力を身につけること、及び抽象数学の美しい理論を理解する喜びを知ることができる。
- 教科書
- 雪江明彦:代数学2 環と体とガロア理論、日本評論社
- 参考文献
- 藤崎源二郎:体とガロア理論、岩波書店
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | 群と環の復習 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第2回 | 多項式環の素イデアル | 教科書の対応する部分を読む。 |
第3回 | 部分体と拡大体 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第4回 | 体の有限次拡大 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第5回 | 代数閉包 | 教科書の対応する部分を読む。講義後、ここまでの範囲で課すレポート問題を解く。 |
第6回 | 体の自己同型及び体の埋め込みへの拡張 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第7回 | 有限体 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第8回 | 分離拡大と非分離拡大 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第9回 | 単拡大 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第10回 | ガロア拡大 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第11回 | ガロアの基本定理 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第12回 | ガロアの推進定理 | 教科書の対応する部分を読む。講義後、6-12回の範囲で課すレポート問題を解く。 |
第13回 | ガロア群の計算 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第14回 | ガロア理論の応用 | 教科書の対応する部分を読む。 |
第15回 | 円分体 | 教科書の対応する部分を読む。講義後、ここまでの全範囲で課すレポート問題を解く。 |
第16回 | 期末レポート | ここまでの講義で解説した定理を復習する。 |
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Updated on 2024/2/27 6:45:54