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2023年度/3S01173000 (市大)

【火4】確率・統計概論 <後期>

確率論における基礎概念を解説する。特に、確率・統計の双方で重要な中心極限定理についても簡単に紹介する。時間の許す限りにおいて、統計学の最も初歩的な事項と手法を解説する。

担当教員氏名
吉田 雅通
科目ナンバリング
SAANA4204 (市大)
授業管轄部署
理学部
授業形態
講義
開講キャンパス
杉本
開講区分
週間授業
配当年次
カリキュラムにより異なります。 (市大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。

単位数
2単位 (市大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
確率変数とその分布という中心概念を理解し、確率分布の典型例(2項分布・Poisson分布・正規分布など)の諸性質(平均・分散などの計算も含む)を把握する。もっとも初歩的な統計的推測を(理論を踏まえ)運用できる。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回確率変数とその分布のイントロダクションが今回のテーマである。この講義全体の主題が確率変数とその分布であり、初回は、まず高校数学で学んだことの再整理から始め、ほんの少し高い視点に立って再考する。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第2回前回に引き続くが、今回は、確率変数Xのとりうる値がとびとびの場合、すなわちXが離散型である場合を対象とする。今回から、Xの分布の具体形を指定し、そのときのXの性質を学ぶ。たとえて言えば、中学校で初めて学ぶ「関数」の具体例である1次関数から、高校へ進むと2次関数、多項式関数(整式)、有理関数(分数式) 、三角関数、指数・対数関数、といったように、指定された具体形をもつ関数たちを学んできた。この講義でも、似たように、指定された具体形の分布に従う確率変数たちを少しずつ増やしていくことになる。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第3回今回も引き続き、指定された具体形の分布に従う確率変数を紹介する。今回は、確率変数Xのとりうる値の集合が連続的な場合(非可算;たとえば実数全体、正の実数全体など)を考える。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第4回前回までに、具体形をもつ確率分布に従う確率変数たちを紹介してきた。今回から一般的な議論を紹介していく。いつでも基礎となるのは、もちろんXの従う分布である。 まず、重要な特性量である確率変数Xの期待値(平均)・分散を、Xの従う分布によって定義する。そして、前回までに挙げたXの具体例に対する平均・分散の計算を行なう。平均・分散を計算することは、確率統計の第一歩であり、各自で十分に復習しておいてほしい。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第5回前回、確率変数Xの期待値(平均)・分散という量を定義し、具体的な計算を個別に紹介した。今回は、(ある程度)統一的に、平均・分散を計算する別の方法を紹介する。キーワードは、 確率変数Xの積率母関数(モーメント母関数ともいう)である。Xの積率母関数もXの従う分布で定義されるが、Xの積率母関数が定義されていれば、これはXの従う分布についての(ほとんどの)情報を含むことが知られている。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第6回これまでは、1個の確率変数Xについて議論してきた。今回から、2個以上の確率変数たちを同時に考えていく。この考察が1個の確率変数Xの考察と大きく異なる点は、確率変数たちの間の相互関連の状況を考えざるを得ない点である。最もシンプルで最も重要な相互関連状況として、「確率変数たちが互いに独立である」という状況を先ず第一に考えたい。素朴に言えば、独立な状況とは、文字通り"互いに影響しない"状況であるが、数学的に厳密な意味で「独立性」を定義するためには、「確率変数たちの同時分布」(多次元確率分布、あるいは多変量の分布)から始める必要がある。同時分布は、確率統計を通じて、最も基礎的な概念である。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第7回前回から "複数の確率変数たちをまとめて考える" という立場に移った。中心となる道具は「同時分布」となる。同時分布についての情報は、個々の確率変数の分布(周辺分布)たちの情報をすべて含む。さらに、たとえばN個の確率変数たちを考えると、これらの和は1個の確率変数(これをSと書いておこう)となるが、Sの分布も(原理的には)同時分布から特定される。Sのように、確率変数たちの関数である確率変数を、一般に「統計量」と呼ぶ(ここでいう量は確率変数である)。また今回、統計量の初等的な例を挙げる。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第8回"複数の確率変数たちをまとめて考える"と同時分布という基本的な道具が考察の対象となった。ただ、同時分布そのものを理解することは概して難しい。ここで思い出してほしいのは、1個の確率変数の分散という特性量は数値であった。そこで同時分布の特性を示す数値として、共分散という特性量を紹介する。共分散と密接に関わる相関係数も紹介する。相関係数は、確率変数たちの間の相互関連の度合いを数値として示す量であり、重要なものになる。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第9回中間テストを実施する。具体形をもつ確率分布に従う確率変数Xの平均・分散の計算問題の予定。事前に、平均・分散の計算を自力で行なえるように復習しておくこと。中間テスト後、テスト中にできなかった問題などについて再検討すること。
第10回中間テストの解説。授業後、中間テストあるいはその類題について復習しておくこと
第11回公理的確率論の初歩的な部分を紹介する。これまでとは違い、数学的抽象度が高くなるが、具体例を混ぜながらイントロダクションを行なう。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第12回前回に引き続き、公理的確率論の内容で、基礎となる定理「確率の連続性」とその理論的応用を紹介する。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第13回確率統計で最も有名な2つの定理「大数の法則」と「中心極限定理」を証明ぬきで紹介する。今回は、定理の解釈や雰囲気が主になるだろう。授業後、配布資料で今回の授業内容の大ざっぱな発想をイメージ程度でよいので反芻しておいてほしい
第14回統計の初歩中の初歩であり、基礎ともなる「区間推定」のいくつかのパターンを紹介する。時間的制約のため、統計分野は、ほんのすこし触る程度になるが、できるかぎり紹介してみたい。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第15回「区間推定」とならび基礎中の基礎となる「仮説検定」のいくつかの事例を紹介する。授業後、配布資料で今回の授業内容を十分に復習すること
第16回定期試験
成績評価方法
中間試験(20%)・定期試験(80%)により評価する。到達目標として ・具体的に指定された確率分布に従う確率変数の特性量(平均・分散・積率母関数など)の計算が行なえること ・公理的確率論の基礎である確率空間の基礎的性質が理解できていること とする。合格の最低基準としては ・平均と分散を具体的に計算できること ・確率空間の最も初歩的な定理の証明を遂行できること とする。
履修上の注意
くりかえしになるが、確率変数とその分布という中心概念を、具体例での計算と理論的考察の両面から、できる限り理解を深めて貰いたい。
教科書
毎回、配布資料に沿って解説する。

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参考文献
必要に応じて、あるいは質問に応じて、適宜紹介する予定
オフィスアワー
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
教員への連絡方法(メールアドレス等)
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -

Updated on 2024/2/27 6:28:59

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