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Project TryAngleは学生スタッフによる大学公認のシステム開発チームです。 利用者の観点からより便利になるよう、学生自身の手で新システムの開発などを行っています。

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2024年度/1AAB046001 (公大) / (府大) / (府大)

【月3】文化と共生 <後期>

この授業ではとくに、アフリカ、アジア、オセアニアなどの世界システムの周辺に生きる人びととのあり方と、現代日本社会のあり方を比較対照して検討したい。具体的には、コロナ・パンデミックの対応をめぐる日本とメラネシアの比較、資本主義的開発の跡地に創発する新たなエコノミー、焼畑農耕から見る新たな自然‐人間関係などのテーマについて見ていく。

担当教員氏名
橋爪 太作
科目ナンバリング
AABCUA22036-J1 (公大) / AESES2316-J1 (府大) / DWOSO2226-J1 (府大)
授業管轄部署
現代システム科学域
授業形態
講義
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
週間授業
配当年次
2年 (公大) / 2年 (府大) / 2年 (府大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (府大) / 2単位 (府大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
この授業ではグローバル資本主義経済の中で、政治・経済的にマイナーな側の人々の暮らしに注目し、それらが私たち近代社会のあり方を新たな角度から批判・再考する可能性を、具体的な事例に即してみてゆくことを目的とする。「政治・経済的に劣位にある側の人々」とは、文化人類学などが対象としてきた第三世界の人々で、従来は異文化研究の対象とされてきた集団である。この授業では、このような人たちの生のあり方を、単なる「異文化」としてではなく、私たちもそれに属している資本主義システムと、その基盤をなす地球という惑星の中でマイナーな立場にある人々ととらえ、そのような背景の中で、これらを解釈する。また、第三世界の人々だけでなく、現代日本をはじめとする近代社会にみられるさまざまな文化・社会現象も同じ枠組みで分析できないかどうか、検討していく。受講者は、アフリカやメラネシアといった現在の世界システムの中で周縁化された人々が、気候変動をはじめとする人新世的状況の中でどのような構造的な不利益を被っているかを理解し、かつ、そうした周縁化の背景となってきた近代的な世界観を乗り越える思考の可能性を、それらの人々の中に見出す。最終的には中心と周縁それぞれの視点を交差的に比較することを通じて、自然と社会がともに不安定化しつつある現代世界を生き延びるヴィジョンを獲得することを、この授業の達成目標とする。 具体的には以下の能力を身につけることを達成目標とする。 1.「人新世」概念が文化人類学を含む人文社会科学全般に対して持つ意義を説明できること 2.新自由主義的資本主義が政治的・経済的・惑星的にどのような状況を引き起こしたのかを説明できること 3.自然/文化の二項対立を前提としない、新たな自然と人間のあり方について具体的な事例から説明できること
授業内容
第1回    イントロダクション:プラスチックが新たな地層になる時代における「文化」 第2回    人新世の問題提起:気候工学か、人間の解体か 第3回    死が埋まる土地:ソロモン諸島マライタ島における自然と人間の別様な関係 第4回    「穏やかで規則的な自然」の成立:19世紀西洋における文化の離床 第5回    近代の内旋:1968年という転換点 第6回    【「自然/文化」の再考(1)】自然をつくる文化:科学実験室の人類学的探求 第7回    【「自然/文化」の再考(2)】他者の合理性:在来知、呪術、信念 第8回    【「自然/文化」の再考(3)】「ジャガー」とは誰か:アマゾニアとメラネシアの民族誌から 第9回    近代の原風景:宮崎駿『もののけ姫』を観る 第10回    シシ神の森の「再生」:宮崎駿『もののけ姫』の人類学的考察 第11回    破局の後に生き延びる:アナ・ツィン『マツタケ』について 第12回    再野生化の空間:先進諸国における自然/文化の再構築 第13回    複数の自然の衝突:多文化主義下における開発の問題 第14回    アブラヤシの影の下で:グローバリゼーションと他者の収奪 第15回    大絶滅の時代に人間であること:マルチスピーシーズの倫理
事前・事後学習の内容
授業中に教員が言及した参考書等を読むことにより、個別のテーマについて理解を深める。
成績評価方法
成績は、授業目標1から3の達成度で成績評価を毎回行う。具体的には、小テストと最終レポートによって採点する。C以上の評価には、毎回授業で行う小テストで6割以上、最終レポートで6割以上の成績を必要とする。
履修上の注意
「異文化の理解」も履修することが望ましい。
教科書
なし

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参考文献
橋爪太作 2024『大地と星々のあいだで:生き延びるための人類学的思考』イーストプレス +授業中に指示する
オフィスアワー
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
教員への連絡方法(メールアドレス等)
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
その他
(関連科目)異文化の理解 社会調査実習Ⅰ 社会調査実習Ⅱ

Updated on 2025/4/5 6:15:43

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