2024年度/1AHB022100
【火2】物理数学1 <後期>
(公大) / 物理数学1 (市大)
フーリエ解析は、物理学あるいは数理物理楽のほとんどあらゆる分野で不可欠の道具である。 本講義では、このフーリエ級数展開とフーリエ変換の数学的基礎と応用を解説する。フーリエ級数展開のアイディアは、有限区間で定義された適切に性質を持つ任意の関数は、異なる周波数を持つ三角関数の線形和によって表現できるということである。また、フーリエ積分(あるいはフーリエ変換とも呼ばれる)は、関数の定義されている区間が有限ではなく、無限であること、また三角関数の線形和が、異なる周波数を持つ三角関数の、周波数についての積分で表されることが異なる。性質のよくわかっている三角関数を使うことで、偏微分方程式を解くことが容易になったり、また解の性質を理解することが容易になることがある。また、現象の解析にもフーリエ変換による周波数解析が役立つことがある。
- 担当教員氏名
- 伊藤 洋介
- 科目ナンバリング
- AHBPHY22003-J1 (公大) / SBPM14201 (市大)
- 授業管轄部署
- 理学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 2年 (公大) / カリキュラムにより異なります。 (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換の数学的基礎を習得する。とくにフーリエ級数・変換が何かを理解し、具体的に計算できるようにする。また、これらを使った常微分・偏微分方程式の解法を習得する。とくに境界値問題をフーリエの方法を使って解けるようにする。
- 各授業回の説明
- 授業内容
- 物理学においてよく使われるフーリエ解析の解説をおこなう。フーリエ解析を偏微分方程式の解法や解の性質の解析に使えるようになることが目標であるが、フーリエ級数の収束定理なども解説し、より深い理解を得られるような授業をおこなう。自分で手を動かして計算して慣れていくことが大切であるので、計算レポートを高頻度で課す。
- 事前・事後学習の内容
- 授業前に講義ノートや参考書を読み内容の概要を把握する。授業後はノートの復習をし、講義ノートや参考書を再度読み理解を深めると共に、練習問題を解き応用力を養う。レポート問題を解いて提出する。課されたレポートの締め切りは、休暇をまたぐもの以外は、レポートが課されてから原則1週間とする。講義中わからなかったことをまとめて次回講義で質問できるようにすること。
- 成績評価方法
- レポート(40%)と試験(60%)によって評価する。フーリエ級数展開の概念を理解し説明できるようになること、適切な関数のフーリエ級数、変換を求めることができること、パーセバルの等式の応用として講義で説明する級数、定積分の計算をできるようになることを合格の最低基準とする。また偏微分方程式の斉次境界値問題をフーリエの方法を使って解けるようになることを目標とする。
- 履修上の注意
- 式は自分で手を動かして導いてください。
- 教科書
- 講義で配布する講義ノート
- 参考文献
- 『フーリエ解析』(大石進一著、岩波書店)
『フーリエ解析』(福田礼次郎著、岩波書店)
『フーリエ解析 (シリーズ物理数学)』(江沢洋著、朝倉書店)
『フーリエ解析とその応用』(洲之内源一郎著、サイエンス社)『フーリエ解析と偏微分方程式 (技術者のための高等数学)』(近藤・阿部・堀翻訳、培風館)
『解析概論』(高木貞治著、岩波書店) 『数理物理入門(基礎数学11、改訂改題)』(谷島賢二著、東京大学出版会) 『偏微分方程式 (理工系の基礎数学 新装版 4)』(及川正行著、岩波書店) など - オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | フーリエ級数・変換の有益さの紹介、フーリエ級数展開による波動方程式の解法、関数の周期化について、また三角関数の直交関係 | 三角関数の積和・和積の公式、オイラーの公式、部分積分、偏微分、三角関数を含む積分などを利用したり計算できたりすること。 |
第2回 | フーリエの解法、フーリエ級数の定義 | |
第3回 | ベッセルの不等式、パーセバルの等式、リーマン・ルベーグの補題 | |
第4回 | フーリエ級数の例、不連続点における振る舞い | |
第5回 | フーリエ級数の収束性の証明 | |
第6回 | ギブスの現象、任意区間のフーリエ級数 | |
第7回 | 偏微分方程式の境界値問題:境界条件の種類、解の一意性 | |
第8回 | 偏微分方程式の境界値問題:1次元拡散方程式、1次元波動方程式 | |
第9回 | 多重フーリエ級数 | |
第10回 | 偏微分方程式の境界値問題:ラプラス方程式 | |
第11回 | フーリエ変換の定義と収束定理、性質 | |
第12回 | フーリエ変換の例、畳み込み積分 | |
第13回 | 微分方程式のフーリエ変換による解法 | |
第14回 | ラプラス変換の定義と性質 | |
第15回 | ラプラス変換の応用、常微分方程式、積分方程式 | |
第16回 | 定期試験 |
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Updated on 2025/4/5 6:25:53