2024年度/1AJL018001
【水2】材料物理化学1 <前期>
(公大) / 材料組織I (府大)
材料の組織とその形成機構は平衡熱力学(エネルギー平衡論)と非平衡熱力学(速度論)を総合して理解される。この科目ではまず前者を扱い、平衡状態図を統計熱力学的な基本概念から理解し、種々の二元系および三元系状態図に関する知識を得る。同時に、状態図と組織の関係を学ぶ。
- 担当教員氏名
- 鈴木 通人
- 科目ナンバリング
- AJLMAE32015-J1 (公大) / BCMAE3818-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 工学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 3年 (公大) / カリキュラムにより異なります。 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 複数の成分元素から成る材料が、ある圧力・温度・組成においてどのような状態(相)をとるかは各相の自由エネルギーで決まり,平衡状態図で記述される。自由エネルギーにもとづいて相平衡を理解し,平衡状態図の科学的基礎とその実際に関する知識を身に付けることを目的とする。 まず平衡状態図に関して、以下を目標とする。 (1) 二成分系と三成分系の状態図を読み解くことができる。 (2) 二成分系合金の相平衡・相変化と、相変化に伴う組織変化を状態図にもとづいて説明できる。 (3) さまざまなパターンの状態図の成り立ちを構成相のギブズエネルギーと構成成分の化学ポテンシャルにもとづいて理解でき、説明できる。 次に、相変化の最も簡単な例である凝固現象に関して、以下を目標とする。 (4) 核生成・成長モデルと、均一核生成・不均一核生成モデルを理解し、その内容を説明できる。 (5) 合金の凝固現象の特徴と、その結果生じる固相内の組成不均一や微細組織の成り立ちを理解し、説明できる。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 授業目標の達成目標 (1) ~ (5) の達成度を、演習(20%),中間試験(40%),期末試験(40%)によって評価する。合格の条件は、5項目に関する基本的な問題が解けること。 演習問題は授業中に随時与える(次回の授業の前日までにレポートとして提出)。
- 履修上の注意
- 速度論(拡散現象)を主題とする「材料物理化学2」、固相における相変化を扱う「構造材料科学」とあわせて受講することを想定している。
- 教科書
- 「アトキンス 物理化学(上) 第10版」(東京化学同人)Peter Atkins・ Julio de Paula 著、中野元裕・植田貴洋・奥村光隆・北河康隆 訳 補助教材を配布する。
- 参考文献
- 松原英一郎 他 著「金属材料組織学」朝倉書店 (2011). 坂 公恭 著「材料系の状態図入門」朝倉書店 (2012). 三浦憲司 他 著「見方・考え方 合金状態図」オーム社 (2003). 横山亨 著「図解 合金状態図読本」オーム社 (1974). 日本金属学会 編「講座・現代の金属学 材料編 2:ミクロ組織の熱力学」日本金属学会 (2005). F. C. Campbell 編「Phase diagrams: understanding the basics」ASM International (2012). D. R. F. West, N. Saunders 著「Ternary phase diagrams in materials science」3rd edition, CRC Press (2017). A. Prince 著「Alloy phase equilibria」Elsevier (1966).
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | 相平衡の概念とギブズ(自由)エネルギー、一成分系のギブズエネルギー | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第2回 | 一成分系の温度-圧力状態図、相変化の駆動力 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第3回 | 二成分系溶体 (1):理想溶体、化学ポテンシャル | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第4回 | 二成分系溶体 (2):正則溶体、活量 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第5回 | 二成分系溶体 (3):合金構造(固溶体、規則合金、中間化合物) | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第6回 | 二成分系状態図 (1):相平衡と自由エネルギー、ギブズの相律、全率可溶系、相分離系 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第7回 | 二成分系状態図 (2):規則相形成系、共晶系、複雑な系 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第8回 | 中間試験 | 第1回から第7回までの内容を復習する。 |
第9回 | 三成分系状態図 (1):表示法(等温断面、縦断面)、二相系 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第10回 | 三成分系状態図 (2):三相系(共晶系、包晶系) | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第11回 | 三成分系状態図 (3):三相系(偏晶系、相分離系) | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第12回 | 三成分系状態図 (4):四相系(三元共晶系、三元偏晶系) | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第13回 | 凝固現象における均一核生成と不均一核生成 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第14回 | 単相合金の凝固 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第15回 | 複相合金の凝固、急冷凝固 | 教科書の該当箇所を予習する。与えられた課題に取り組む。 |
第16回 | 期末試験 | 第9回から第15回までの内容を復習する。 |
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Updated on 2025/4/5 6:29:18