2024年度/1AJM001001
【水1】物理化学序論 (化学バイオ工学科) <後期>
(公大) / 物理化学Ⅰ (化学バイオ工学科) (市大)
我々の周りにある様々な物質の構造・物性・反応にみられる特徴(マクロな性質)は、物質を構成する原子・分子の振る舞い(ミクロな性質)が集合することにより 現れる特徴である。物理化学は、物質がしめすマクロな性質を原子・分子というミクロな構成成分の振る舞いの視点から理解することを目指す学問である。物理化学序論では、物理化学の初段階として熱力学の基礎を学ぶ。熱力学とは、物質の存在状態およびその状態の変化(相変化や化学反応など)とそれにともなうエネルギー(熱)の出入りというマクロな現象を、経験則として体系化したものである。したがって、物質の性質とその変化を取り扱う物質化学系学類においては、熱力学は重要な知識の体系である。本授業では、気体の分子運動の詳細な取り扱いを通じて、巨視的現象である熱力学や化学平衡を分子レベルで理解できるようになるために、化学熱力学の基礎を学ぶ。具体的には、熱力学の基礎として必要な各項目を、以下の授業計画に沿って学ぶ。
- 担当教員氏名
- 米谷 紀嗣
- 科目ナンバリング
- AJMCHE21001-J1 (公大) / TPPC11101 (市大)
- 授業管轄部署
- 工学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 科目分類
- 物理化学・化学工学系科目
- 配当年次
- 1年 (公大) / 1年 (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 熱力学の基本概念である内部エネルギーとエンタルピーや熱容量、エントピー、自由エネルギー、化学平衡等を理解できるようになることを目標とする。段階的には、(1)熱の出入りにともなって起きる物質の変化の方向を予測できるようになること、(2)最終的に到達する状態(平衡状態)を推定できるようになること、(3)逆に、様々な条件の下における状態の変化にともなって起きる熱の出入りの量を推定できるようになること、を目標とする。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 講義の内容を十分に理解し、講義の進度についてゆくためには、毎週の講義の前後に1時間の予習と2時間の復習を励行することが推奨される。復習では、講義当日のうちに講義内容に関連する例題・練習問題などを実際に解いてみるとともに解答例を参照することにより、講義内容の再確認、理解の間違いの訂正を可能ならしめるので、たとえ短い時間であっても、実行することが推奨される。特に、物理化学では単位をともなう数値計算が頻繁に出てくるので、実際に自分の手を使って計算をしてみることにより、計算力の向上が図れるとともに内容の理解にも大いに役立つ。
- 成績評価方法
- 到達目標(1)~(3)の達成度で成績評価を行う。C(合格)となるためには、教科書の授業で扱う章についての基本的な問題(例題・章末問題レベル)が解けることが必要である(ただし、軽微な計算ミスは除く)。成績を評価する手段として、小テスト・中間・定期試験を用いる。成績評価に占める割合は、前半小テストと中間試験を50%、後半小テストと期末試験を50%とする。
- 履修上の注意
- 高校レベルの物理と化学を理解していることを前提として講義を進める。高校で物理を選択していなかった者は「入門物理学1」、「入門物理学2」を履修しておくことが望ましい。
- 教科書
- 「熱力学 基礎と演習」、朝倉書店、ISBN 978-4-254-25036-7
- 参考文献
- バーロー 物理化学 上、東京化学同人、ISBN 4-8079-0502-3 アトキンス 物理化学 上、東京化学同人、ISBN 978-4-8079-0908-7
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 |
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第1回 | 授業ガイダンス(ミクロとマクロの世界、物理化学で学ぶこと、単位の話) |
第2回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第2章熱力学の概要 |
第3回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第3章気体の熱力学(1、理想気体) |
第4回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第3章気体の熱力学(2、実在気体) |
第5回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第5章エネルギー・エンタルピーと熱力学第一法則(1)(系と周囲、エネルギー、モル熱容量と内部エネルギー) |
第6回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第5章エネルギー・エンタルピーと熱力学第一法則(2)(熱力学第一法則とエンタルピー) |
第7回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第6章エントロピーと熱力学第二、第三法則(1)(不可逆変化と可逆変化、熱機関) |
第8回 | 前半のまとめと演習(中間テストを含む) |
第9回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第6章エントロピーと熱力学第二、第三法則(2)(エントロピー) |
第10回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第6章エントロピーと熱力学第二、第三法則(3)(不可逆過程とエントロピー増大) |
第11回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第7章自由エネルギーと化学平衡(1)(自由エネルギーと化学反応の効率) |
第12回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第7章自由エネルギーと化学平衡(2)(熱力学的性質の相互関係と自由エネルギーの各種依存性) |
第13回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第7章自由エネルギーと化学平衡(3)(化学ポテンシャルと化学平衡) |
第14回 | 教科書「熱力学 基礎と演習」第9章相平衡 |
第15回 | 後半および全体のまとめと演習 |
第16回 | 定期試験(期末試験) |
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Updated on 2025/4/5 6:32:00