2024年度/1BJD019001 (公大) / (府大)
【金4】非線形動力学特論 <前期>
非線形性が生み出す時間的な振動や空間的な構造に関する解析は,工学のあらゆる分野に共通の問題を含んでいる。この講義では,非線形動力学の観点から普遍的な性質をもつ写像系や微分方程式を例にとり,基礎的な概念・事柄について解説する。微分方程式の定常解と安定性の概念を復習し,時間発展の理論の基本となる周期的な振動現象として減衰振動子,強制振動子について復習した後,リミットサイクル振動,パラメトリック励振について学ぶ。これらの問題を通じて相空間での解析や分岐理論について習得する。またカオスを示すモデル系を用いて,ポアンカレマップや埋め込み理論,リアプノフ指数など,複雑な現象を解析・分類するための手法を学ぶ。さらに,厳密解の得られない非線形問題の近似解を求めるための近似法である摂動法や平均化法について学び,具体的な例題を通じて実践力を養う。
- 科目ナンバリング
- BJDPHY52015-J1 (公大) / TPPHY5509-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 工学研究科
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 科目分類
- 電子物性コースB群科目
- 配当年次
- 1年 (公大) / 1年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 非線形微分方程式の解析手法について理解を深めるために,基本的な例題を実際に解析し,具体的問題への応用ができるようになることを目標とする。以下の能力を身につけることを達成目標とする。 1. 振動を含む非線形微分方程式の定常解の安定性解析を行い,安定性の条件を適切に判別できること。 2. 分岐現象について理解し,分岐図を適切に図示できること。 3. カオス運動について理解し,運動の時系列およびアトラクターを適切に図示できること。 4. 非線形微分方程式を無次元化し,適切にスケーリングが行えること。 5. 非線形微分方程式に対して多重時間尺度法や平均化法を用いて近似解を求められること。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 講義内容を復習すること。
- 成績評価方法
- 小テストおよびレポート課題によって到達目標の1〜5の達成度を評価する。成績評価に占める割合は、レポート60%、小テスト40%である。レポートの採点では授業内容を正しく理解しているかを総合的に判断する。合格となるためには6割以上を達成することが必要である。
- 履修上の注意
- 講義時間だけでは内容を理解し授業目標を達成することは困難ですので,授業時間外の学習でも講義内容を復習してください。
- 教科書
- 指定なし。適宜,演習問題やレポート課題を出します。
- 参考文献
- 「カオスの中の秩序」P. Berge, Ch. Vidal and Y. Pomeau (原著), 相沢 洋二 (翻訳)(産業図書)「非線形科学入門」吉田善章(岩波書店)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- (関連科目)応用動力学特論、非平衝系の動力学特論
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
---|---|---|
第1回 | 非線形微分方程式の定常解と安定性(担当:堀田) | 線形代数と微積分について大まかに復習しておくこと |
第2回 | 減衰振動子(担当:堀田) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第3回 | 相空間(担当:堀田) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第4回 | 強制振動子と共振現象(担当:堀田) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第5回 | パラメトリック共鳴(担当:堀田) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第6回 | リミットサイクル振動(担当:堀田) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第7回 | 分岐理論1(担当:堀田) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第8回 | 分岐理論2(担当:堀田)
| 第1回から第7回までの内容を復習すること |
第9回 | 分岐理論3(担当:及川) | 分岐理論について再度復習すること |
第10回 | 写像系とポアンカレマップ(担当:及川) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第11回 | カオスにおける周期倍分岐と間欠性(担当:及川) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第12回 | リアプノフ指数(担当:及川) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第13回 | ローレンツモデル(担当:及川) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第14回 | ストレンジアトラクター(担当:及川) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第15回 | 弱非線形解析(担当:及川) | 前回の内容の復習をしておくこと |
第16回 | まとめ(担当:及川) | 第8回から第15回までの内容を復習すること |
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Updated on 2025/4/5 6:41:31