2024年度/1BKA023001 (公大) / (府大)
【金1】バイオインフォマティクス特論 <前期>
- バイオインフォマティクスとは、コンピュータを用いた生物分野の大規模データ解析技法の総称である。
- ゲノムシーケンシング時代における配列解析やデータベース、およびポストシーケンス時代における遺伝子発現、分子間相互作用、多型、生体ネットワークなどの解析技術は全て、バイオインフォマティクスに含まれる。
- 特に、次世代シーケンサー等の分析機器の発達とともに、バイオインフォマティクスの重要性は高まっている。
- 本講義では、コンピュータを用いてこれらの大量情報から有用な情報を抽出し、利用するための生物学的・情報科学的原理と応用について、理解・習得することを目標とする。
- 科目ナンバリング
- BKAOAG62015-J1 (公大) / LAOAG6225-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 農学研究科
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 2年 (公大) / 1年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 特に、以下の到達目標を設定する。
- バイオデータベースを積極的に活用できる。
- 次世代シーケンシング(NGS)の解析手法を習熟する。
- プロテオミクスの原理と手法を習熟する。
- 各授業回の説明
- 今世紀に入って急速に発達してきた分野であるバイオインフォマティクスについて、その歴史と全体像について説明する。
- バイオインフォマティクスとは何か、どのように役に立つのか、今後はどのように発展するのかについて、理解する。
- 次世代シーケンサーの発達などもあり、公共データバンクに多くの生物の遺伝子情報が蓄積されてきた。
- 公共データバンクの情報に基づくバイオデータベースとはどのようなものか、またその活用方法について説明する。
- 紹介したバイオデータベースを実際に活用し、どのような生命情報が得られるかについて理解する。
- 遺伝子の機能と進化の関係についての知見を深めるために、 Gcorn データベースを構築した。
- また、種分化と同調しない進化を示す遺伝子を検索するために、 Ucorn データベースを構築した。
- これらのデータベースの活用方法と今後の発展について説明する。
- Gcorn データベース、および Ucorn データベースの活用方法について習熟し、遺伝子の機能と進化の関係について考察する。
- ビッグデータに対する相関ネットワーク解析の手法について説明する。
- Pajekツールを利用した相関ネットワーク解析方法について習熟する。
- 各種のNGSデータの解析方法について説明する。
- NGSデータを解析する方法について理解を深める。
- 転写物から完全長cDNAを取得するための方法を説明する。その配列情報を基にして、同じ遺伝子から転写される転写物のバリアント、すなわち選択的スプライシングによる転写物、異なる転写開始点からの転写物、あるいは相補鎖から転写された転写物等が存在することを解説する。
- BLAST解析を復習し、BLASTプログラムについての理解を深めておくこと。できれば参考書の212~254ページを読んでおくことが望ましい。
- ゲノム上の遺伝子領域をin silico予測するための2種類のアルゴリズムとして、①配列相同性に基づく予測(empirical method)、および②配列情報のみを用いた予測(ab initio予測)、について説明する。さらに、実際に解析ツールを用いて、両アルゴリズムに基づいた遺伝子予測の方法を解説する。
- 配列相同性に基づく予測、および配列情報のみを用いた予測について理解する。さらに、両手法を解析ツールを用いて実践できるようにする。
- Non-coding RNA (ncRNA)の種類、性質、および機能について説明する。また、ncRNAの機能を考えるうえで重要なRNAの二次構造について解説する。
- Non-coding RNA (ncRNA)の種類、性質、および機能、二次構造について理解する。
- 立体構造に基づいてタンパク質の物性と機能を理解する方法を理解し,演習を通じていくつかの方法に習熟する。
- タンパク質の立体構造データを定量的に解析できるようにする。
- また,一次配列情報から立体構造を予測する方法を理解し,演習課題にあげられたタンパク質の立体構造を予測できるようにする。
- さらに,点変異がタンパク質の立体構造におよぼす影響を予測できるようにする。
- タンパク質の立体構造情報に基づいたドラッグデザインについて説明する。
- また,ドッキングシミュレーションソフトウェアを用いた薬剤探索について実例を通して解説する。
- タンパク質の立体構造情報に基づいたドラッグデザインについて理解する。
- また,ドッキングシミュレーションソフトウェアを用いた薬剤探索を実例を通して理解する。
- タンパク質の質量分析法の種類を説明し、その測定原理について解説する。
- タンパク質の質量分析法の種類を把握し、その測定原理を理解する。
- 第2回の授業で取り上げた公共データベースの中から、主要データベースに絞り、提供される情報について掘り下げて説明する。
- 主要データベースの現状と今後について理解する。
- 第2回の授業で取り上げた公共データベースの中から、核酸配列データベースに絞り、提供される情報について掘り下げて説明する。
- 核酸配列データベースの活用方法について理解する。
- 第2回の授業で取り上げた公共データベースの中から、タンパク質配列データベースに絞り、提供される情報について掘り下げて説明する。
- タンパク質配列データベースの活用方法について理解する。
- 第2回の授業で取り上げた公共データベースの中から、その他の情報を提供するデータベースに絞り、提供される情報について掘り下げて説明する。
- その他のバイオデータベースの活用方法について理解する。
- 成績評価方法
- 授業目標の項で上げた3項目の達成目標に従い、各回の講義(第1~15回の授業と課題レポート、90%)と期末レポート(10%)により評価する。
- 各回の講義の評価は6%×15回として計算する。各回の評価の配分は6%であるが、評価方法は担当教員ごとに異なる。
- 合計で60%以上を合格(C以上)とする。
- 合格者は、各回の授業で説明した内容を理解して、自分の研究に活用できることを表す。
- 履修上の注意
- 授業時間外の学習(準備学習等について)
- 1コマ目の講義科目であり、十分な実習時間は授業時間内には含まれていないため、授業時間外に取り組める課題を適宜提供する。
- 取り組んだ内容についてレポートを提出し、各教員が評価する。
- 教科書
- なし
- 各授業で提供されるパワーポイントスライドや参考書を参照すること。
- 参考文献
- David W. Mount著、Bioinformatics:Sequence and Genome Analysis 第2版 メディカルサイエンスインターナショナル
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | (担当教員:尾形善之)バイオインフォマティクスの歴史と全貌 | |
第2回 | ( 担当教員: 尾形善之)バイオデータベース | |
第3回 | ( 担当教員: 尾形善之)遺伝子進化情報データベース | |
第4回 | ( 担当教員: 尾形善之)相関ネットワーク解析 | |
第5回 | ( 担当教員: 尾形善之)NGS解析 | |
第6回 | ( 担当教員: 青木考)完全長cDNA取得と転写物バリアント | |
第7回 | ( 担当教員: 石橋宰)ゲノム上の遺伝子予測 | |
第8回 | ( 担当教員: 石橋宰)Non-coding RNAとRNA二次構造の予測 | |
第9回 | ( 担当教員: 西村重徳)タンパク質の立体構造データの解析 | |
第10回 | ( 担当教員: 西村重徳)タンパク質の立体構造に基づいた創薬 | |
第11回 | ( 担当教員: 乾隆)プロテオミクスと質量分析 | |
第12回 | ( 担当教員: 尾形善之)バイオデータベース特集(1) 主要データベースの現状 | |
第13回 | ( 担当教員: 尾形善之) バイオデータベース特集(2) 核酸配列 | |
第14回 | ( 担当教員: 尾形善之) バイオデータベース特集(3) タンパク質配列 | |
第15回 | ( 担当教員: 尾形善之) バイオデータベース特集(4) その他
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Updated on 2025/4/5 6:41:36