2024年度/1DFA005000 (公大)
【集中講義】研究公正B(都市経営) <前期>
そもそも研究とはどういう営為なのか、研究の倫理問題とはどういうものか、研究に関わる研究者の責任とはどういうものか。学生が研究を実行する者として、研究不正を防止し人権を擁護した研究を可能にする知識の獲得、および、研究者としての責任ある姿勢の修得を目的に、研究公正・倫理に関する基礎知識を提供し、自身の責任ある研究活動を始めるために法令や研究指針にそった計画をたてる演習を行う。 *初回の授業の際に、APRIN e-learningプログラムを受講し、修了証を提出してください。
- 科目ナンバリング
- BFYOSO7E003-J1 (公大)
- 授業管轄部署
- 都市経営研究科(創造都市含む)
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 梅田サテライト
- 開講区分
- 集中講義
- 科目分類
- 基礎科目
- 配当年次
- 1年 (公大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 1単位 (公大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 1 公正で責任ある研究活動を実行するために必要な研究公正・倫理に関する基礎知識を修得する。 2 自身の責任ある研究活動を始めるために法令や研究指針にそった研究計画をたてることができる。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- (1)到達目標の達成度について評価を行う。 (2)全体としては第2~11回のレポート50%と、第1・12-15回のレポート50%の比重で総合的に評価し、担当教員の合議により最終評点を決定する。 (3)合格(単位修得)のための最低基準は、院生が研究者として最低限身に着けておくべき「研究公正」に関する知識について、一定の水準に達していること。
- 履修上の注意
- 当科目は、研究活動の基礎概念のイントロダクションをなす科目であり、不正行為を事前に防止し公正な研究活動を推進するための教育の一環として、必須科目として位置づけられている。 初回の授業の際にAPRIN e-learningプログラムの修了証を提出してもらうので、それまでにプログラムを受講すること。
- 教科書
- 以下の公開情報が基本テキスト。各自、事前にダウンロードして保存が必要。 (公開情報) ① 日本学術振興会「科学の健全な発展のために」編集委員会 (2015)「科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-【テキスト版】」。 https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1353972.htm ② 文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課 研究公正推進室(2021)「公正な研究活動の推進に向けた取組」。 https://www.mext.go.jp/content/20210521-mxt_kiban02-000004257_1.pdf また、各講師から都度、講義のレジュメを配布する。
- 参考文献
科学技術社会論学会編集委員会編『研究公正とRRI』玉川大学出版部, 2017
神里彩子, 武藤香織編『医学・生命科学の研究倫理ハンドブック』第2版, 東京大学出版会,2023
眞嶋俊造, 奥田太郎, 河野哲也編著『人文・社会科学のための研究倫理ガイドブック』慶應義塾大学出版会 , 2015
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | (服部俊子担当) 研究公正のオリエンテーションとして、現代においてなぜ研究者に研究公正・倫理が要請されてきたのか、研究倫理や科学技術倫理の文脈から確認する。 | 事前学習はmoodleにて指示する。事後学習は復習し、提示された課題に取り組むこと。 |
第2回 | (市田秀樹)近年においては、不適切なオーサーシップや二重投稿が研究不正とみなされることが増えていることから、不適切なオーサーシップとはどのような行為であり、なぜ問題なのか、また適切なオーサーシップの基準はどのようものなのか、さらには研究成果の発表における二重投稿やサラミ出版とはどのような問題なのかといった、オーサーシップと二重投稿の問題を中心に、研究発表の倫理について具体的な事例をもとに検討する。 | 第1回参照 |
第3回 | (第2回と同様) | 第1回参照 |
第4回 | (堀尾正靱)研究公正の問題構造が一通り見えたところで、改めて、問題の本質を考えることにしたい。まず、この回では、社会において「研究」とは何かを、「情報」とは何であり、「学術的知識」とは何でどのように形成され共有されるのかを、人間と「学術研究対象」との関係、人間社会における「学術的知識」の持つ意味などとの関係を含めて考察する。また、クーンのパラダイム論、武谷の三段階論など、集合的な研究における学術的認識の発展段階の存在を考える。このような枠組みの中で、研究者の研究方法論をとらえるとともに、研究不正の重大な問題を確認し、研究公正の現代的重要性を把握する。 | 第1回参照 |
第5回 | (第4回と同様) | 第1回参照 |
第6回 | (井上理砂子)テーマは「研究と不正、そしてメディア」です。 研究成果を研究不正の社会的背景は諸々ありますが、その一つに「専門分野に関するジャーナリズムの弱さ」を指摘する声があります。この講義では、研究成果をめぐるメディア報道の傾向や問題点を最近の事例とともに、一つの典型としてSTAP細胞騒動を振り返り、課題を整理します。 | 第1回参照 |
第7回 | (井上理砂子)テーマは「フェイク時代のファクトチェック」です。 ファクトチェックとは、社会的影響が大きい発言・発表や、多くの人が関心を寄せる情報について、事実か否かを調査し、評価を公表する取り組みです。例えばインターネット上で不正を発信することは簡単ですが、正しいか不正かを検証・評価する過程は容易ではありません。「不正を許さない社会」に向けて、ネット査読やAIによる判定とともに、2016年以降盛んになったファクトチェックの役割がいま、注目されています。ファクトチェックの歩みと現状を紹介、活用法とともに課題を考えます。 | 第1回参照 |
第8回 | (名渕浩史)都市ビジネスの分野の立場から研究公正について論じる。特に企業・消費者等に対するリサーチ(量的調査・質的調査)と成果の公表における倫理的課題について検討する。 | 第1回参照 |
第9回 | (第8回と同様) | 第1回参照 |
第10回 | (志水洋人)保健医療社会学分野の立場から研究公正・倫理について論じる。英国の議論を参照しつつ、日英でのフィールドワーク経験をもとに話題提供する。具体的には、調査の事前準備、調査過程でのラポール形成、倫理的配慮における画一化の難しさなどを検討する。自身の「失敗談」も交えることで議論を促進したい。 | 第1回参照 |
第11回 | (第10回と同様) | 第1回参照 |
第12回 | (服部俊子)『「科学・技術と倫理」の観点から、科学や技術が内包する倫理問題や科学や技術が社会におかれることで生じる倫理問題について説明する。 | 第1回参照 |
第13回 | (服部俊子)模擬研究テーマをもとに、研究に内在する倫理問題を研究者として考え、配慮する方法を学ぶ。また、自身の責任ある研究活動を始めるために法令や研究指針にそった研究計画をたてる演習を行う。 | 第1回参照 |
第14回 | (第13回同様) | 第1回参照 |
第15回 | (第14回同様)および研究公正科目のまとめ | 第1回参照 |
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Updated on 2025/4/5 6:50:32