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2024年度/1FCB217010 (公大) / (市大)

【金3】民事訴訟法総合演習 <後期>

民事訴訟法が定める「判決手続」のうち、第一審手続における手続法上の一般的問題と、多数当事者訴訟・複数請求訴訟などの複雑訴訟ならびに上訴・特別訴訟手続における手続法上の諸問題を取り上げる。実際の裁判例の事件を範として作成された具体的事例(設例)と、その事例に関連する様々な設問を検討することを通じて、民事訴訟法の規律がどのような場面でどのように機能するか、またその規律がどのように理解され、適用されるべきかを考える。このことにより、民事訴訟法に関する具体的な事例問題に対応できる論述能力を高めることを目的とする。

担当教員氏名
鶴田 滋高田 昌宏
科目ナンバリング
FCALAW81024-J2 (公大) / JAEPR8813 (市大)
授業管轄部署
ロースクール
授業形態
演習
開講キャンパス
杉本
開講区分
週間授業
科目分類
法律基本科目
配当年次
2年 (公大) / 2年 (市大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (市大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
本演習は、民事訴訟法の判決手続について一通り基本的理解のある受講者が、判決手続に関する自分の基本的知識を確認しながら、さらにその理解を深め、その知識を具体的な事案へ応用する能力を身につけることを目標とする。そのため、本演習では、実際の裁判例の事件を参考に作成された事例問題(後掲教科書の設例および設問)が取り上げられ、受講生は、その事例問題に関連する判例および文献を参考にしながら自分で問題の解決を試みることが要求される。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回当事者能力と当事者適格 当事者能力の有無が問題となる「法人でない団体」をめぐる訴訟を例にして、当事者能力、当事者適格(任意的訴訟担当)等の問題を検討する。また、環境紛争などの集団的紛争における当事者適格の問題も取り上げる予定である。後掲教科書:UNIT. 4 (集団訴訟)受講者は、教科書(後掲)の事例問題を、自分の基本書、ならびに教材に収録されている判例・文献資料を活用して検討し、自分でそれに対する解答を作成して、授業に臨む必要がある。また、授業後は、授業で取り上げた事柄の確認と、授業で十分に取り上げることができなかった箇所の補充ができるよう、補習資料を配布する予定であるので、それも活用しながら、しっかり復習をすることが必要である。
第2回訴えの利益・訴訟要件の審査 訴訟要件の1つである「訴えの利益」の判断基準および取扱いを考察する。とくに訴えの利益については、確認の訴えにおける訴えの利益(確認の利益)に関する具体例を取り上げるほか、訴えの利益を中心として、訴訟要件の審理・判断のあり方を検討する。後掲教科書:UNIT. 5(訴えの利益)同上
第3回訴訟上の相殺と二重起訴の禁止 訴訟上の相殺とそれに関連する訴訟上の諸問題を検討する。例えば、相殺の抗弁と二重起訴の禁止規定(民訴法142条)との関係や、相殺の抗弁と確定判決の既判力(民訴法114条2項)に関する問題を検討する。後掲教科書:UNIT. 1(重複訴訟の禁止と相殺の抗弁)同上
第4回処分権主義①(申立事項と判決事項の一致) 民事訴訟の中心原則である処分権主義の一内容としての申立て拘束原則(民訴法246条)の意義とその適用を、立退料判決や債務不存在確認訴訟を例にして考察する。後掲教科書:UNIT. 7(処分権主義)同上
第5回処分権主義②(一部請求) 債権者が債権の一部を訴求した場合、手続上どのような問題が生じるか。いわゆる一部請求の問題を通じて、処分権主義のみならず、訴訟物、既判力、信義則等にも考察の幅を広げるとともに、それらの相互の関係を検討する。後掲教科書:UNIT. 16(一部請求)同上
第6回弁論主義(裁判上の自白を含む) 弁論主義の意義および内容を確認したうえで、弁論主義と密接に関わる「裁判上の自白」の法理につき、自白の要件、効果、対象(間接事実・補助事実の自白、権利自白)などの重要な論点を取り上げる。後掲教科書:UNIT. 9(弁論主義・自白)同上
第7回口頭弁論とその準備 口頭弁論に関する規律に関する理解を深めながら、口頭弁論の準備のための制度と、攻撃防御方法の提出に関する規律を考察する。後掲教科書:UNIT. 11(口頭弁論の準備)同上
第8回証明責任・証明軽減 訴訟の背骨とも称される証明責任の意義とその分配ルールについて確認したうえで、証拠偏在の事案での証明責任を負わない当事者の主張・立証負担の問題を取り上げる。また、それに関連して、証明負担の軽減の諸方策、証明の前提となる証拠収集の手段(文書提出命令など)についても考察する。後掲教科書:UNIT. 13 (立証活動)同上
第9回既判力の作用・既判力の時的限界 確定判決の既判力がどのように作用するかを、訴訟の基準時後の形成権行使のケースを例に考察する。後掲教科書:UNIT. 18(既判力の時的限界)同上
第10回既判力の客観的範囲 既判力の客観的範囲の規律を取り上げるとともに、判例・学説による紛争蒸返し禁止の法理の形成について考察する。後掲教科書:UNIT. 17(判決効の客観的範囲と上訴の利益)同上
第11回既判力の主観的範囲 既判力の主観的範囲に関する規律で問題となる口頭弁論終結後の承継人などを、具体的な事例を通じて考察する。また、執行力の主観的範囲や反射的効力についても検討する。後掲教科書:UNIT. 19(判決効の主観的範囲)同上
第12回必要的共同訴訟 相続関係訴訟を例にして、必要的共同訴訟の規律を検討する。とりわけ、固有必要的共同訴訟の成否をめぐる問題を考察する。後掲教科書:UNIT. 30(相続関係訴訟)同上
第13回同時審判申出共同訴訟・補助参加 同時審判申出共同訴訟の制度を考察するとともに、補助参加制度について、参加要件をなす「補助参加の利益」、参加の効果としての「参加的効力」とその範囲、訴訟告知とその効果などを検討する。後掲教科書:UNIT. 22(補助参加と同時審判申出訴訟)同上
第14回独立当事者参加 難解な独立当事者参加の規律を正確に理解できるよう、具体例を検討する。独立当事者参加の要件、独立当事者参加訴訟の審判、二当事者訴訟への還元を主に取り上げる。後掲教科書:UNIT. 23 (独立当事者参加)同上
第15回複数請求訴訟・控訴 複数請求訴訟として、訴えの変更、反訴、および請求の併合を取り上げ、それらの手続上の諸問題を考察する。また、これとあわせて、上訴の利益や不利益変更禁止の原則などの上訴の基本問題を検討する。後掲教科書:UNIT. 21(複数請求訴訟と控訴)同上
第16回期末試験同上
成績評価方法
(1) 到達目標の達成度について評価を行う。 (2) 相対評価。期末試験(筆記試験)の結果(比率70%)、および、中間小テスト(11月から12月に実施予定・比率30%)により評価する。 (3) 合格(単位取得)のための最低基準 より複雑な事例問題について、条文等を示して問題の所在を指摘し、一定の具体的な結論を導くことができること。
履修上の注意
とくになし。
教科書
三木浩一=山本和彦編『ロースクール民事訴訟法〔第5版〕』(有斐閣・2019年)を基本教材として使用する。必要に応じて、事例問題、参考判例、論点、参考文献等を示した資料を配布する。

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参考文献
三木浩一=笠井正俊=垣内秀介=菱田雄郷『民事訴訟法〔第4版〕』(有斐閣・2023年)、長谷部由起子『民事訴訟法〔第3版〕』(岩波書店・2020年)、高橋宏志『民事訴訟法概論』(有斐閣・2016年)、同『重点講義民事訴訟法(上)〔第2版補訂版〕』(有斐閣・2013年)、同『重点講義民事訴訟法(下)〔第2版補訂版〕』(有斐閣・2014年)、高田裕成=畑瑞穂=垣内秀介編『民事訴訟法判例百選〔第6版〕』(有斐閣・2023年)
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Updated on 2025/4/5 6:44:26

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