2024年度/1GAA002301 (公大) / (市大)
【木3】倫理学入門 /[杉本]全S <前期>
道徳という社会規範の根拠や妥当性などについて、反省的に考えるのが倫理学である。この講義では、倫理学の基本的な考え方のいくつかを取り上げ、その内容や方法について検討することを通して、道徳を反省的に考えることを学ぶ。できるだけ身近な問題として考えられるよう、「市民の道徳」という観点から考える内容とする。市民の道徳の軸となる自由と理性、正義と功利、公共性の概念を考察し、そのうえで市民社会で望まれるメディアや科学技術、教育の在り方を論じる。
- 担当教員氏名
- 土屋 貴志
- 科目ナンバリング
- XXXCHU11002-J1 (公大) / GELIB0103 (市大)
- 授業管轄部署
- 国際基幹教育機構(学部)
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 1年 (公大) / 学年指定なし (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 倫理学の重要な問題について考えることにより、倫理学的問題に即して考え、自分の意見を持ち、その根拠を他者に共有できる形で説明する能力を身につける。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 学期末の試験やレポートは行わない。到達目標の達成度について評価を行う。 毎回、授業時に提示された問題への回答を記入した小レポート(回答レポート)を、授業前日朝までに提出する。担当教員は、各回の回答レポートを8点満点で評価し、学期末にすべての回答レポートの得点を合計して評点原案を作成する(上限100点)。 授業に出席しても、回答レポートを提出していなければ、評点はつかない。また、回答レポートを提出しても、当該の回の授業に出席しなければ、その回答レポートは未提出扱いになる。 受講者は、本科目に関する自らの学習活動を自己採点し、その根拠を記した「自己評価レポート」を学期末に提出する。 科目担当教員は、原則として、評点原案と、自己評価レポートにおける自己採点を、平均して最終評点とする。ただし、自己評価レポートが作成要領に従っていない場合は評点原案から減点し最終評点とする。 単位を取得するためには、受講カード、10回以上の小レポート、作成要領に従った自己評価レポートを提出し、倫理学の4つの重要問題について自分の意見とその根拠を他者に説明できることが求められる。
- 履修上の注意
- ・学籍番号・氏名(ふりがな)・自己紹介を記入した「受講カード」を、開講後1か月以内に作成提出させる。受講カードには、受講者の顔と名前を覚えるために、顔写真の貼付を求める。ただし、顔写真を提出する代わりに、科目担当教員に名前を覚えさせるよう、頻繁に発言や質問(科目担当教員から指名することもある)を行ってもよい。 ・履修登録していても、受講カードと自己評価レポートのいずれか一方でも提出しない場合は履修放棄とみなす。 ・本科目は、毎回、事前に回答レポートを提出した上で出席しなければ、単位は修得できない。相応の覚悟をもって履修すること。
- 教科書
- 使用しない。資料は学習支援システムを通して配付する。
- 参考文献
- 以下の参考図書のほか、授業中に適宜紹介する。 レイチェルズ『現実をみつめる道徳哲学』晃洋書房、サンデル『これからの「正義」の話をしよう』早川書房、杉本俊介『なぜ道徳的であるべきか』勁草書房、プラトン『国家』岩波文庫、ホッブズ『リヴァイアサン』ちくま学芸文庫、ロック『完訳統治二論』岩波文庫、アリストテレス『ニコマコス倫理学』光文社古典新訳文庫、ベッカリーア『犯罪と刑罰』東京大学出版会、ベンサム『道徳および立法の諸原理序説』ちくま学芸文庫、J.S.ミル『自由論』日経BPクラシックス、カント『プロレゴーメナ・人倫の形而上学の基礎づけ』中公クラシックス
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | オリエンテーション | シラバスを精読し科目の概要を確認する |
第2回 | 道徳の理由①人を殺してはいけないのはなぜ? | 人を殺してはいけないのはなぜか?その究極の理由として考えられることを整理してくる |
第3回 | 道徳の理由②人を殺してはいけないのはなぜ?~討論 | 第2回の授業で発表された理由のすべてに対し、反論を考える |
第4回 | 道徳の理由③理由の整理 | 第3回の授業で出た反論に対し、さらに反論を考え、自分が最も有力だと考える理由とその根拠を説明する |
第5回 | 相対主義①規範は人/文化/時代によって異なる? | 《規範は人や文化や時代によって異なり、異ならない規範は存在しない》という相対主義の主張に関し、異なる規範の実例と、異ならない規範の実例を挙げ、そういえる理由を考える |
第6回 | 相対主義②規範は人/文化/時代によって異なる?~実例に即して | 第5回の授業で出た例を念頭に置きつつ、規範に関する相対主義に関して、自分の考えを掘り下げる |
第7回 | 相対主義③規範は人/文化/時代によって、どこまで、なぜ、異なる? | 視聴した番組の内容をふまえ、どういう規範が、(1)なぜ異なるべきなのか、(2)なぜ異ならないのか、(3)なぜ異なってはいけないのか、について、実例を挙げて考える |
第8回 | 中間まとめ | 前半の授業内容全体を再確認する |
第9回 | 正義①死刑とはどんな刑罰? | 「死刑は廃止すべきだ」という議論に対して、賛成か、反対か? 視聴した番組の内容をふまえ、自分の考えと、そう考える理由を、説明する |
第10回 | 正義②「正しい」とはどういうこと?~アリストテレスとベンサム | 第9回の授業で出た意見をふまえ、死刑は「正しい」刑罰であるといえるか、自分の意見とその理由を、「正しい」とはどういうことかに留意しつつ説明する |
第11回 | 正義③国はなぜ刑罰を科す権限を持つ?~社会契約説 | 国が国民に刑罰を科す権限をもつのはなぜか、実例を挙げながら、自分の考えを説明する |
第12回 | 自由①社会における個人の自由とは?~自由の基準 | 社会における個人の自由とは、なぜ、どこまで、認められるべきか。 「差別的言動は表現の自由に含まれたほうがよいか?」について考えながら、その基準と理由を説明する |
第13回 | 自由②社会における個人の自由はどこまで認められる?~ 想像力を働かせて(2024/7/2修正) | 社会における個人の自由は、何のために、どこまで、認められるべきなのか? 「自分の自由を、永久に、すべて捨てるのは自由か」に即して考える |
第14回 | 自由③自由はなぜ大切?~自由の意義 | 社会における個人の自由が認められるべきなのは、そもそも、なぜなのか? 「自殺するのは自由か」に即して考える |
第15回 | 全体のまとめ | これまでの学習活動を振り返り自己評価をまとめたレポートを執筆する |
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Updated on 2025/4/5 6:39:06