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2024年度/1GAF042301 (公大) / (市大)

【金2】メディアと人権 /[杉本]全S <前期>

《⼈権》を軸に、メディア総体を巡る問題について考える。これが本講座のテーマである。 マス・メディアの⼤きな存在意義とは、⼈々の「知る権利」に応え、⺠主主義の基盤「情報の平等」「少数意⾒の尊重」などを実現することにある。しかし新聞や雑誌、テレビなどの既存メディアは、その役割を果たしているだろうか? インターネットの普及は、従来、国家や⼤企業の独占物だった情報発信を個⼈レベルで可能にし、さまざまな障壁を超えた「コミュニケーション⾰命」を実現した⼀⽅で、そのメディアとしての優位性ゆえの深刻かつ対処の難しい⼈権侵害事件をも⽣み出している。 ・「総メディア時代」の渦中で改めて考えたい「表現の⾃由」とは何か。 ・社会問題化したヘイトスピーチとネットとの関係は従来考えられない情報量、速さ、記録性を持つネット空間での差別事件に私たちはどう対処すべきなのか。 ・マス・メディアはマイノリティを如何に「報じて」きたのか。 ・近隣諸国との摩擦や「テロ」を巡る濁流報道は何を⾒えなくしているのか。 ・マス・メディアで⼈権侵害、差別事件が繰り返されるのは何故か。 具体的な例に即して、これらの問いについて、共に考えていきたい。 なお、社会情勢などに応じて各回の内容は変更、あるいは前後することがある。

担当教員氏名
中村 一成
科目ナンバリング
XXXCHU16042-J1 (公大) / GEHUM0117 (市大)
授業管轄部署
国際基幹教育機構(学部)
授業形態
講義
開講キャンパス
杉本
開講区分
週間授業
配当年次
1年 (公大) / 学年指定なし (市大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (市大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
・自分たちの「思考」「常識」「世界」がいかにメディア情報によって形成されているかを対象化し、その「枠組み」や「自明」を相対化できるようになること ・新聞、テレビ、雑誌、SNSなど身の回りに溢れるメディア情報を鵜呑みにせず、多角的に検証し、「人権」の観点からそれを読み解く姿勢を身に着けること ・権力や大企業でなくとも情報発信ができるようになったネット時代(「情報の民主化」時代)の時代的意味と、そのメディア的優位性が持つ人権侵害の重大性、ワンクリックで加害者となり得る危険性を自覚すること。総メディア時代の「たしなみ」を見に着ける。 ・「表現の自由」の本来的な意味とその価値、及びその限界について自分の考えを展開できること
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回講座全体のガイダンス(授業におけるルール、シラバス内容の詳細、評価方法などの説明)と、メディア史の概略など「メディア」 書籍『想像の共同体』 「プロパガンダ」 「ナチス」と情報戦略 映画『意志の勝利』『汝の敵日本を知れ』『国民の創生』 について調べる
第2回既存メディアによる差別、人権侵害事件1「人種差別撤廃条」 『新潮45』休刊問題 「優性思想」 「生権力(ミッシェル・フーコーの概念)」 「ヘイト本」 について調べる
第3回既存メディアによる差別、人権侵害事件2「レイシズム」 「ニュース女子問題」「放送法」(特に4条) 「ニュース女子」裁判と確定判決 『「BPO」の成り立ちと位置づけ」 大阪府警機動隊員による「土人」発言 について調べる
第4回既存メディアによる差別、人権侵害事件3止「ハシシタ 奴の本性」を巡る「『週刊朝日』連載中止問題」 「部落差別」 「アウティング」 「差別糾弾」 について調べる
第5回表現とは不自由である1「メディア」と「タブー」 「差別語」「不快語」 「糾弾権」 「アファーマティブアクション」 「同和対策事業」 について調べる
第6回表現とは不自由である2「放送禁止歌」 「自主規制」 「イムジン川」 「竹田の子守歌」 について調べる
第7回表現とは不自由である3止「シャルリ・エブド」 「スカーフ論争」 『「表現の自由」とその歴史」 「イスラモフォビア」 について調べる
第8回「パレスチナ報道」が覆い隠すもの「二枚舌外交」 「シオニズム」 「バルフォア宣言」 「サイクスピコ協定」 「パレスチナ」 について調べる
第9回サブカルチャーと歴史修正主義、否認論/差別煽動1「『マルコポーロ』廃刊騒動」 「関東大震災時の朝鮮人虐殺」 「歴史修正主義」 「否認論」 「サブカルチャー」 について調べる
第10回サブカルチャーと歴史修正主義、否認論/差別煽動2止「学知」 「映画『主戦場』」 「映画『否定と肯定』」 「リップシュタット裁判」 について調べる
第11回インターネットと差別1「京都朝鮮学校襲撃事件」 「『行動する保守』運動」 「ネット掲示板」 「在日特権」 「ヘイトスピーチ」 について調べる
第12回インターネットと差別2止「徳島県教組襲撃事件」 「反ヘイトスピーチ訴訟」 「ネットヘイト訴訟」 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判 「部落地名裁判」 について調べる
第13回ネットと差別を巡る対応「インターネットとヘイトスピーチ」 「プロバイダ責任制限法改正」 「侮辱罪」の「罰則強化」 「欧州のネット規制」 「条例におけるネット対策」 について調べる
第14回体験的「犯罪報道」の害悪「夜討ち朝駆け」 「実名報道」 「匿名報道」 「メディアスクラム」 「冤罪」 について調べる
第15回総まとめこれまでの授業について復習し、 「疑問点」 「更に知りたい点」 などについて、まとめておく
授業内容
上記の内容について、講義形式で行う。毎回、最後の10分ほどを簡単なミニレポート(コミュニケーションカード)作成にあてる。テーマは、その回の授業内容に関するもの「1題」と「自由記述」の計2題。授業終了時までに提出してもらう。
事前・事後学習の内容
前述した「事前・事後学習の内容」について、授業で展開する。毎回の項目については調べて授業に望んで欲しい。
成績評価方法
到達目標(前述)の達成度で評価する。試験(5割)と、各回授業時のミニレポートの結果(5割)で判断する。合格(C判定以上)の最低基準は、三分の二(10回分)以上のミニレポート提出と、期末試験の受験、提出。ミニレポートは「出席点」ではないので、「出せばいい」ではない。規定の分量を満たしているかや、授業で提示したテーマに沿っているかなどの形式に加え、書かれた内容など、「レポート」に値する内容であった場合に「提出」と判定する。絵日記のような内容は評価しない。コピペなどの不正には厳しく対処する。
履修上の注意
新聞、テレビのニュースはできる限りチェックして欲しい。授業を受ける上でのアドバンテージになる。
教科書
教科書的に使うテキストは特になし。各界のテーマに沿い、書籍や論文、新聞記事などの部分コピーをその都度、配布する。

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参考文献
『メディアとプロパガンダ』(ノーム・チョムスキー、青土社)、『イスラム報道』(エドワード・サイード、みすず書房)、『想像の共同体』(ベネディクト・アンダーソン、書籍工房早山)、『フェイクと憎悪』(永田浩三編、大月書店)、『部落解放同盟「糾弾」史』(小林健治、筑摩書房)、『竹田の子守唄』(藤田正、解放出版社)、『放送禁止歌』(森達也、光文社)、『レイシシズム・スタディーズ序説』(鵜飼哲、酒井直樹、テッサ・モーリス・スズキ編、以文社)『あいちトリエンナーレ「展示中止」事件』(岡本有佳、アライヒロユキ編、岩波書店)、『歴史修正主義とサブカルチャー』(倉橋耕平、青弓社)、『さらばヘイト本』(大泉実成、加藤直樹、木村元彦編、ころから)、『「在日特権」の虚構』(野間易通、河出書房新社)、『インターネットとヘイトスピーチ』(東京第二弁護士会編、現代人文社)、『ネットと愛国』(安田浩一、講談社)、『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』(中村一成、岩波書店)、『あきらめない――ヘイトクライムとたたかった2,394日』(冨田真由美、アジェンダ・プロジェクト)、『日本型ヘイトスピーチとは何か』(梁英聖、影書房)、『映画でみる移民/難民/レイシズム』(中村一成、影書房)
オフィスアワー
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教員への連絡方法(メールアドレス等)
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Updated on 2025/4/5 6:44:33

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