2024年度/2B30126001 (府大)
【前期(月3、月4、月5、火3、火4、火5、水3、水4、水5、木3、木4、木5)、後期(月3、月4、月5、火3、火4、火5、水3、水4、水5、木3、木4、木5)】生物有機化学実験 <前期、後期>
生物有機化学実験を行うために必要な基礎的な実験操作を習得させることを目的とする。溶媒抽出や各種クロマトグラフィー、官能基変換反応や結合形成反応などについて実践させる。さらに赤外分光光度計や核磁気共鳴装置などの各種分光機器の機能や操作方法についても理解させるとともに、実験背景や原理、実験操作の意義、実験データの解析、適切な報告書の作成方法についても教示する。
- 科目ナンバリング
- CAAGC2309-J3 (府大)
- 授業管轄部署
- 農学部
- 授業形態
- 実験
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 2年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 4単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 生命体を構成する主な物質は水と有機化合物である。そのため、有機化合物の物性や反応性について実践的に学ぶことは、生物有機化学の基礎を理解する上でも重要である。具体的には、以下の能力を身につけることを達成目標とする。 1.生物有機化学実験を行うために必要な基礎的な化学実験技術を習得し、実践できること. 2.各実験テーマの意義、原理について説明できること. 3.重要な官能基変換反応や炭素-炭素結合形成反応を習得し、その反応機構を説明できること. 4.実験結果の整理、解析、考察など適切にまとめられた実験レポートを作成できること. 5.試薬の安全な取り扱いや処理方法、実験器具を適正に使用できること. 6.種々の分光計を適正に操作できること. 7.測定して得られた各種スペクトルを正しく解析できること.
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 授業目標(達成目標)の1~7の達成度で成績評価を行う。C(合格)となるためには1~7の全ての項目を実践でき、かつ内容、操作、意義を理解していることが必要である。成績を評価する手段として、実験の実施状況、およびレポートを用いる。成績評価に占める割合は実施状況が55%、レポートが45%とする。
- 履修上の注意
- 保護メガネ、白衣、上履きを必ず持参すること。 (関連科目) 有機化学Ⅰ、有機化学Ⅱ、生体分子合成法、有機構造解析学、生物制御化学、天然物化学
- 教科書
- 初回の講義の際に実験テキスト(プリント)を配布
- 参考文献
- 「第 8 版 実験を安全に行うために」(化学同人) 「第 4 版 続・実験を安全に行うために」(化学同人) 「フィーザー/ウィリアムソン:有機化学実験(第8版)」(丸善)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | 概要説明(その1)・安全教育(その1) (目標)生物有機化学実験(前半)について概説するとともに、実験器具や試薬類の安全な取扱い、ならびに事故防止のための心構えについて理解する. | 学生実験オリエンテーションで学習した安全に化学実験を行うための注意事項を復習しておく |
第2回 | 実験器具の確認・実験用ガラス器具の使い方 (目標)生物有機化学実験では様々な器具を使用する.器具の名称・取扱いの基本を理解する. | 配布実験書の実験準備項目を読んで、理解しておく |
第3回 | 混合物試料の抽出分離(1):酸・塩基試薬の調製 (目標)有機化合物の抽出分離には適切な酸・塩基溶液を使う必要がある.酸・塩基溶液の適切な調製法を理解する. | 配布実験書の「混合物試料の抽出分離」の項目を読んで、理解しておく |
第4回 | 混合物試料の抽出分離(2):分液操作 (目標)混合物試料を抽出分離する.抽出分離の理論・原理を理解し、分液漏斗を使った操作を安全に行えるようにする. | 配布実験書の「混合物試料の抽出分離」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第5回 | 混合物試料の抽出分離(3):TLC(薄層クロマトグラフィー) (目標)前回の実験で抽出分離した試料が、原理に基づいて分画されているかどうかをTLCで確認する.TLCの原理と基本操作を学習する. | 配布実験書の「混合物試料の抽出分離」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第6回 | 紫根抽出物の調製 (目標)天然物資料である紫根から有機溶媒を使い、脂溶性成分を抽出する原理・方法を学習する. | 配布実験書の「紫根からshikoninの単離」の項目を読んで、理解しておく |
第7回 | クロマトグラフィー法:カラムクロマトグラフィーによる分離精製 (目標)前回調製した紫根抽出物からカラムクロマトグラフィーにより、shikoninを単離する。クロマトグラフィーの原理と基本操作を理解する. | 配布実験書の「紫根からshikoninの単離」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第8回 | シコニンの確認・1H NMR測定 (目標)前回単離したshikoninの1H NMRを測定する.NMRの基本原理と測定試料調製法を理解する. | 配布実験書の「紫根からshikoninの単離」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第9回 | 1H NMRスペクトルの解析法 (目標)前回測定したshikoninの1H NMRスペクトルの解析手法を理解する。 | 配布実験書の「紫根からshikoninの単離」の項目を読む.前回配布したNMRの参考資料を復習しておく. |
第10回 | HPLC(高速液体クロマトグラフ)によるシコニンの分析 (目標)精製したshikoninをHPLCで分析し、純度を決定する.HPLCの原理と使い方を学ぶ. | 配布実験書の「紫根からshikoninの単離」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第11回 | アセチルサリチル酸の合成 (目標)基本的な合成反応であるアセチル化を通して、有機合成反応の基本的操作を習得する. | 配布実験書の「アセチルサリチル酸の合成」の項目を読んで、理解しておく |
第12回 | 質量分析法:GC-MSによるアセチルサリチル酸の分析 (目標)前回合成したアセチルサリチル酸をGC-MSで分析する.GC-MSの基本的原理と操作を学ぶ. | 配布実験書の「アセチルサリチル酸の合成」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第13回 | 抗菌試験(1) (目標)基本的な生物検定法である抗菌試験を通して、化合物の生物検定法の原理・手法を学ぶ. | 配布実験書の「抗菌試験」の項目を読んで、理解しておく. |
第14回 | 抗菌試験(2) (目標)基本的な生物検定法である抗菌試験を通して、化合物の生物検定法の原理・手法を学ぶ.検定結果の解析法を学ぶ. | 配布実験書の「抗菌試験」の項目を読む.加えて、前回の内容を復習しておく. |
第15回 | 実験レポートの作成について(その1) (目標)実験データの解析や考察など、研究レポートの作成法、ならびに研究倫理について理解する. | 配布実験書と記録した実験結果を復習しておく. |
第16回 | 概要説明(その2)・安全教育(その2) (目標)生物有機化学実験(後半)について、その背景について概説するとともに、実験器具や試薬類の安全な取扱い、ならびに事故防止のための心構えについて理解する. | 準備学習として「化学B」の教科書 3章以降を読み返しておく. |
第17回 | ガラス工作実験:キャピラリー・ピペット・ガラススパチュラ・ろ紙受けの作製 (目標)ガラス管やガラス棒を使い、基本的なガラス工作の安全かつ適切な操作について理解する. | 前回の目標について復習し、配布プリントのガラス工作に該当する項目を事前に読んでおく. |
第18回 | 酵素反応(1):リパーゼによる光学活性アルコールの速度論的光学分割 (目標)酵素の特長の一つである分子認識能について、光学分割実験を通じて実践的に理解する. | 配布プリントの実験番号1の内容を事前に読んでおく.また、使用する試薬類の物性についてあらかじめ調べておく. |
第19回 | 酵素反応(2): クロマトグラフィー法による生成物の単離 (目標)化合物分離に有用なクロマトグラフィー法の中からドライローディングによる分離について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポート作成に着手する.配布プリントの実験番号1の内容を再度、読み返しておく. |
第20回 | 酵素反応(3):化合物の同定 (目標)化合物同定に有用な赤外吸収測定ならびに旋光度測定を行い、その原理も含めて実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号1の内容を再度、読み返しておく. |
第21回 | 芳香族求電子置換反応(1):ニトロムスク(香料化合物)の合成 (目標)基本的な有機化学反応の一つである求電子置換反応について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号2の内容を読み、使用する試薬類の物性についてあらかじめ調べておく. |
第22回 | 芳香族求電子置換反応(2):生成物の単離精製と化合物の同定(融点測定法) (目標)合成反応後の一般的な後処理法について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポート作成に着手する.配布プリントの実験番号2の内容を再度、読み返しておく. |
第23回 | 有機化合物の同定(融点測定法) (目標)化合物の物理的性質を評価する手法の一つとして融点測定を行い、純度評価と併せて実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号2の内容を再度、読み返しておく. |
第24回 | 有機化合物の精製:再結晶法 (目標)固体の生成物の分離精製に有用な再結晶法について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号2の内容を再度、読み返しておく. |
第25回 | 遷移金属触媒反応:鈴木―宮浦クロスカップリング (目標)高効率かつ高選択的な有機合成反応の一つである遷移金属触媒反応について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号3の内容を読み、使用する試薬類の物性についてあらかじめ調べておく. |
第26回 | 試薬の精製:減圧蒸留によるベンズアルデヒドの精製 (目標)試薬の代表的な精製法の一つである蒸留操作について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号5の内容を読み、使用する試薬類の物性についてあらかじめ調べておく. |
第27回 | アルドール縮合(1):ジベンザルアセトンの合成 (目標)官能基の特性を利用した基本的な有機化学反応の一つであるアルドール縮合反応について実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号6の内容を読み、使用する試薬類の物性についてあらかじめ調べておく. |
第28回 | アルドール縮合(2):有機化合物の同定(1H NMR、13C NMR測定およびスペクトル解析法) (目標)化合物同定に有用なNMR測定を行い、スペクトル解析とともに実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポート作成に着手する.配布プリントの実験番号6の内容を再度、読み返しておく. |
第29回 | 化学発光試験:ルミノールの合成 (目標)発光特性を有する有機化合物を合成し、化学発光テストを行うとともにそのメカニズムについて実践的に理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる.配布プリントの実験番号4の内容を読み、使用する試薬類の物性についてあらかじめ調べておく. |
第30回 | 総括:実験レポートの作成について(その2) (目標)実験データの解析や考察など、研究レポートの作成法、ならびに研究倫理について理解する. | 前回の目標について復習し、実験レポートにまとめる. |
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Updated on 2025/4/5 6:18:06