2024年度/2B30385001 (府大)
【金3】関数解析学 <後期>
バナッハ空間,ヒルベルト空間およびそれらの空間上の線形作用素について講義する.連続関数の空間やルベーグ空間など多くの重要な関数空間がバナッハ空間あるいはヒルベルト空間となることを確認し,ノルムに応じて関数列が収束するかどうかが変わることを具体例により観察する.バナッハ空間上の有界線形作用素について基本的な性質を理解した後,実対称行列に対するスペクトル定理が,ヒルベルト空間上のコンパクトな自己共役作用素に対して拡張されることを示す.
- 担当教員氏名
- 菅 徹
- 科目ナンバリング
- CSMAT3319-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 理学部
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 3年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 関数は自然にベクトルとみなすことができる.良い性質を持つ関数のなすベクトル空間にノルムあるいは内積が定義され,そこから定まる距離に関して完備であるとき,そのベクトル空間をバナッハ空間あるいはヒルベルト空間とよぶ.バナッハ空間またはヒルベルト空間となる重要な関数空間の例を知ること,これらの空間およびその間の線形作用素の性質を理解することが目的である. 具体的な到達目標は以下の通りである. 1.ノルム空間の定義と性質を理解し,与えられた集合がノルム空間であるかどうか確かめることができる. 2.内積空間の定義と性質を理解し,与えられた集合が内積空間であるかどうか確かめることができる. 3.ノルム空間の完備性について理解し,与えられた空間が完備であるかどうか判定できる. 4.与えられた関数列がどのノルムで収束列となるのか判定できる. 5.有界線形作用素の定義と性質を理解し,与えられた写像が有界線形作用素であるかどうか確かめることができる.
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 授業中に挙げる例は自分でもう一度自力で計算し直すこと.抽象的に定義される数学的対象は,多くの例を通じてイメージを掴む必要がある.
- 成績評価方法
- 授業目標の1~5の達成度で総合的に評価する. 1~5の基本的な問題ができれば,C(合格)とする.ただし軽微な計算ミスを除く. 成績は授業数回ごとに出されるレポートで評価する. (ただし状況に応じて変更する可能性がある)
- 履修上の注意
- 特になし
- 教科書
- 特に指定しない
- 参考文献
- 「関数解析」 増田久弥 著 (裳華房)
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- (関連科目)現代積分論,関数方程式論I・II
授業 | 授業内容 |
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第1回 | 講義の概要およびノルム空間の定義 |
第2回 | ヘルダーの不等式とミンコフスキーの不等式 |
第3回 | ノルム空間の例 |
第4回 | ノルム空間における点列の収束 |
第5回 | バナッハ空間の定義と例 |
第6回 | ルベーグ空間とソボレフ空間の完備性 |
第7回 | 連続的埋め込みとコンパクト埋め込み |
第8回 | レリッヒ・コンドラショフの定理 |
第9回 | ヒルベルト空間の定義と例 |
第10回 | ヒルベルト空間における完全正規直交系 |
第11回 | 有界線形作用素 |
第12回 | コンパクト作用素 |
第13回 | コンパクトな自己共役作用素に対するスペクトル定理(1) |
第14回 | コンパクトな自己共役作用素に対するスペクトル定理(2) |
第15回 | スペクトル定理の応用 |
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Updated on 2025/4/5 6:42:47