2024年度/2B30386001 (府大)
【月2】関数方程式論I <前期>
常微分方程式の基礎理論を紹介する。具体的には、関数列の一様収束と連続性、ベクトルの1次独立性の判定法、行列の対角化可能性の判定法、解の存在性と一意性、線形微分方程式の解構造、行列理論を用いた解法などについて解説する。
- 担当教員氏名
- 松永 秀章
- 科目ナンバリング
- CSMAT3320-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 理学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 3年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 常微分方程式は1変数の未知関数とその導関数を含む方程式で、力学や電気回路のみならず、自然科学や工学の様々な分野で登場する。この授業では、前半で関数列の一様収束に関する命題、ベクトルの1次独立性や行列の対角化可能性の判定法などの理解と修得を、後半で常微分方程式の解の存在性と一意性、線形微分方程式の解構造、行列理論を用いた解法、級数解法などの理解と修得を目指す。具体的には、以下の能力を身につけることを目標とする。 1. ε-N論法やε-δ論法を用いて、数列や関数の極限に関する命題を証明できる。 2. ε-δ論法を用いて、関数の連続性や一様連続性に関する命題を証明できる。 3. ε-N論法やε-δ論法を用いて、関数列の一様収束に関する命題を証明できる。 4. ベクトルの1次独立性や行列の対角化可能性を理解し、判定できる。 5. 行列理論を用いて、定数係数連立線形微分方程式の一般解を求めることができる。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 授業時間だけの学習では、この授業の内容を理解し、その内容を定着させることはできません。授業中の課題はもちろんのこと、なるべく早めに復習を行って下さい。例題が豊富な教科書を採用していますので、例題を読んで問を解いていけば、自然に定理の内容も理解でき、自学自習できるようにもなっています。ただし、定期試験前に慌てて勉強しようとしても、内容が多すぎて「手遅れ」になることがほとんどですので、普段からの学習を心がけて下さい。
- 成績評価方法
- 授業目標の1~5の達成度で総合的に評価する。 1~5の基本的な問題ができれば、C(合格)とする。ただし、軽微な計算ミスを除く。 成績評価は、発表・レポート40%、定期試験60%で行う。詳細は第1回目の授業で説明する。
- 履修上の注意
- 授業開始前日までに受講登録を済ませること。
- 教科書
- 「イプシロン・デルタ論法 完全攻略」原惟行・松永秀章 著(共立出版)ISBN 978-4-320-11012-0 「常微分方程式入門 第3版」 原惟行・松永秀章 著(共立出版)ISBN 978-4-320-11335-0
- 参考文献
- 田島一郎著「解析入門」岩波全書
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 |
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第1回 | 記号論理と否定命題について学ぶ。また対偶命題や背理法による証明を理解する。 |
第2回 | ε-N論法を用いた数列の極限の定義を学ぶ。またε-N論法を用いて数列の極限に関する命題を証明する(基礎編)。 |
第3回 | ε-N論法を用いて数列の極限に関する命題を証明する(応用編)。 |
第4回 | ε-δ論法を用いた関数の極限の定義を学ぶ。またε-δ論法を用いて関数の極限に関する命題を証明する。 |
第5回 | 関数の連続性と一様連続性の定義を学ぶ。またε-δ論法を用いて関数の連続性や一様連続性に関する命題を証明する。 |
第6回 | 関数列の一様収束の定義を学ぶ。また連続関数列の一様収束極限に関する命題を証明する。 |
第7回 | 関数列の積分とlim の順序交換可能性、関数列の微分とlim の順序交換可能性について学ぶ。 |
第8回 | 1回から7回までの授業内容に関する中間試験、およびその解説を行う。 |
第9回 | ピカールの逐次近似法を用いて常微分方程式の解の存在性を証明する。またグロンウォールの不等式を用いて常微分方程式の解の一意性を証明する。 |
第10回 | 行列の固有値、固有ベクトルの求め方と行列の対角化について復習する。 |
第11回 | 線形微分方程式の基本解行列の定義、基本解行列であるための必要十分条件に関する命題を証明する。 |
第12回 | 行列の理論を用いた定数係数2次元線形微分方程式の一般解の求め方について学ぶ。 |
第13回 | 行列の理論を用いた定数係数3次元線形微分方程式の一般解の求め方について学ぶ。 |
第14回 | 線形近似による非線形モデルの解の安定性解析について学ぶ。 |
第15回 | これまでの学習の総まとめを行う。 |
第16回 | 期末試験を行う。 |
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Updated on 2025/4/5 6:18:11