2024年度/2C10017001 (府大)
【集中講義】数学科教育法D 工学(電気・機械)・生命(理学[数理]) <前期>
この授業では,「中央教育審議会:幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(H20年1月答申)」に立ち,教育に関する関心や意欲をたかめ,実践できる態度を育成し, 実際に授業を担当する上で必要となる数学科学習指導要領(カリキュラム)の考え方(解説)や,「教育目標・目的・方法・内容」についてまとめ評価・教授及び学習に関する理論を歴史的にとらえ,数学教育における教育の方法や技術の修得に重点を置く。 また,受講者自らが新しい学力観にたった「メタ学習」の観点から,このような学びをとおして問題を発見し,問題(課題)を設定し,問題解決・課題解決をはかる中で,生徒一人一人に「問題の発見力」を持たせ, 自分で問題を発見し解決するための「情報自体を活用する方法」を身につけさせることができる力を育成することも意図している。 さらに、現在国際的に求められているPISA型学力について実践し、その実体験から学力とは何かを考え、各自の教育観・学力観を立てる。 このような学びを実現させるために,グループ学習を重視し,マイクロティーチング・プレゼンテーションをとおして「教えるもの」と「学ぶもの」の相互の立場を経験し,自己の教育観・教育力の基礎的基盤の確立を目指す。 そして,体験したマイクロティーチングを礎にして,生きる力を知的な側面から支える「確かな学力」を育成するため,生徒の学習意欲をたかめ,自ら学び自ら考える力などを育成でき, 判断力や表現力を身につけさせることができる「数学教育」について,受講者自らがプロジェクトをたて,教育コースウェアを研究・開発し, バズ式セッションで討議し,グループ活動・他者評価・自己評価,相互評価をおこない,実践的な学びをチームとして展開する。
- 科目ナンバリング
- FLCTL2D06-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 国際基幹教育機構(学部)
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 集中講義
- 配当年次
- 2年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 教育における「評価」について基礎的な知識を身につけ,歴史的・体系的にわかりやすく説明でき,「評価」とは教える者自らに対するものであることを体得する。 ・教授論・学習理論について基礎的な知識を身につけ,自らの考える数学教育のあり方の基礎を確立する。 ・教育現場の現状や困難性を理解し,教育するものとしての責任と義務を共有でき,自己の教育観の基盤を確立する。 ・ 中・高等学校の学習指導要領について基礎的な知識を身につけ,歴史的・体系的にわかりやすく説明できる。 ・生徒を「教えられる者」という捉え方から「学ぶもの」という自主・自律としての存在であるという捉え方へ,視座・視点の転換を体得する。 ・ 「教える者」は「学ぶのも」の支援者でもあり,心の動きや状況を見ながら実際にプログラムを進行していくもの(ファシリテーター)でもあるという視座・視点への転換を体得する。 ・ 評価の意義及び方法の知識を実践において適用し,運用する方法を学び,教授者の自己教育力を高める「評価」の方法の基礎を体得する。 ・ グループ学習の活用法を体得する・ マイクロティーチングをとおして総合的な教育実践力の基礎を体得する。 ・従来型の教育から創造型人材育成教育への基礎となる「遷移」を体験する。 ・ 「生きる力」や「確かな学力」について考えをまとめ,各自の「学力観」を立てることができる。特にPASA型学力について各自の実体験から学力観を構築する。 ・ 中・高等学校教科「数学」及び選択教科としての「数学」の学習指導要領について体系的な知識を身につけ,わかりやすく説明できる。 ・数学的見方・考え方のよさについて具体的に理解・習得できるような教育コースウェア(教育課程,年間指導計画,単元計画,本時の学習についての学習指導案・学習指導細案・ワークシート・板書計画・評価)を作成できる。 ・ 教育コースウェアについて「教育目標・目的,内容・方法,評価(評価規準,評価基準,ルーブリック等)」を構築できる。 ・ バズ式セッションをおこなえる。 ・ 今回の学習指導要領改定のメイン活動である「数学的活動」について理解し、この活動を組み込んだ数学教育が展開できるようになる。 ・ 教具の重要性を理解し、具体的に教育に組み込み展開できる力を培う。 ・ 模擬授業をおこなえ,総合的な教育実践力を体得する・ 観点別評価をおこなえ,評価の意義及び方法の知識を実践において適用・運用でき,教授者の自己教育力を高める評価法を体得する。 ・ チームとしての学びの過程から創造型人材育成教育への遷移を体得する。 ・ 教育を担当するものとしての「問題発見能力」「情報収集力」「問題解決力」「発想力」「時間管理力」「コミュニケーション力」を体得する。 ・ 「Plan-Do-Check-Actのサイクル」をシステマティックに組み上げ,教育者としての基盤を確立し,教員採用試験に対する基礎を確立する。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 毎回の学びを次週までに「学びの記録と振り返り」としてワードで、指定した形式(A4、40字,40行、余白各20mm)で 「1行目に 2014第□回学習ノート 2行目に 通番 学生番号 氏名 読み仮名」その下に以下のA,Bについてま とめてメールに添付して送信すること。この「学びの振り返り」により、各自の学習が確固としたものになることを期す。
- 成績評価方法
- バズ式セッションを中心に展開(グループ員との連携が必須・特に欠席時)。マイクロティーチング(模擬授業)は必 須。毎回の「学びの記録と振り返り」レポートの提出を求める。「マイクロティーチングと評価のまとめ」と, 「レポートなどと日常学習状況(受講状況・態度、平常点、課題提出、課題解決の経過、課題の達成度を含む)の評価」で評価する。
- 履修上の注意
- 現在、授業の教室は未定であるが、 場合によっては、受講者がノートパソコン等を持参する必要がある(後日連絡する)。
- 教科書
- 下田好行『中学校数学の教材開発・授業プラン3年』学事出版2008小 学校学習指導要領解説算数編、中学校学 習指導要領解説数学編(必須携行)、高等学校学習指導要領解説数学編・理数編(必須携行) (学習指導要領解 説については出版社指定なし各250円程度)
- 参考文献
- 北尾倫彦、内海淳、鈴木彬編『観点別評価実践事例集 中学校・数学―資料の収集・解釈と評価技法のアイディ ア』図 書文化社 2003樋 口禎一『数学科教育法 改訂版―中学・高校数学における基礎・基本 (数理情報科学シ リーズ 4)』牧野書店 2007
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | [教育と評価]教育評価の意義について学び,その「評価」観の変遷から新しい「学力」観におけるメタ認知・メタ学 習における評価について考え,数学教育における指導と評価を一体化させる方法を考え,「教育改善のための評 価法」に統合する。また自らの数学力についても確認する。 | |
第2回 | [中学校・高校の数学科学習指導要領解説][教育に関わる教授法と学習理論]序章及び教授の概念を「名人の授 業」を通して学び,教授論のメタ学習の基礎について学ぶ | |
第3回 | [数学的活動]数学教授の概念を学び,数学史や教具・教授メディアの活用・発展及び学習理論への応用につい て学ぶ | |
第4回 | [新しい学力観と評価]数学的な見方・考え方に関わる教授法に関する知識を,学習理論に結びつけ,新しい「学 力」観について考える | |
第5回 | [新しい学力観と評価]数学的な見方・考え方に関わる教授法に関する知識を,学習理論に結びつけ,PISA型学 力について実践的に考察し,新しい「学力」観について考える-2 | |
第6回 | [バズ式セッション,模擬授業・評価]グループ活動として,各自の開発した教育コースウェアについてバズ式セッ ションで討議する。また,討議の結果をフィードバックして各自の考えた教育コースウェアを修正し,最終課題の「45 分間の模擬授業」への学びをおこなう | |
第7回 | 数学教授における[教育の方法・技術]について学び、各自の考えた「評価規準」「評価基準」「ルーブリック」等で 評価をおこない,観点別評価による実践法についての基礎をつくる。 | |
第8回 | [数学科教授計画法]数学科における授業の設計法を体系的に学ぶ。目標の分析法や,授業・指導の組織化の 方法について学び,その知識を援用して学習指導案にまとめる。 | |
第9回 | マイクロティーチングにおける視座・視点について学び,マイクロティーチングの実践力をつける。 | |
第10回 | [学習指導要領]数学科学習指導要領についてまとめ,教育課程の組み立てやそれらの目標や内容について知 り,教科書の分析法や,授業・指導の組織化の方法について考え方を組み立てる。 | |
第11回 | [バズ式セッション,模擬授業・評価]グループ活動として,各自の開発した教育コースウェアについてバズ式セッ ションで討議する。 | |
第12回 | [学級崩壊・学力崩壊]近接校種の教育の現場の状況を知り,各自の目指す校種に至るまでの現状を知る。特に 小学校低学年における学級崩壊の実状を考察して,各自の教育観をたてる. | |
第13回 | [マイクロティーチング(プレゼンテーション)・グループ学習]各自の求める数学教育について,「15分間のマイクロ ティーチング」にまとめ,学習指導案、学習指導細案、教具、板書計画、発問シート等を完成させる。 | |
第14回 | [マイクロティーチング(プレゼンテーション)・グループ学習]各自の求める数学教育について,「15分間のマイクロ ティーチング」にまとめ,実践する-2 | |
第15回 | グループ員各々のマイクロティーチングを「学ぶものの立場」,「同僚(教えるもの)としての立場」で相互評価し, 「教えるもの」としての自己評価を加えて総合的にまとめ,自己の教育力・評価力育成のための方法を体得する。 |
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Updated on 2025/4/5 6:55:03