2025年度/1AHB010100
【水3】量子力学2 <後期>
(公大) / 量子力学II (府大) / 量子力学2 (市大)
基礎物理学Ⅳ、量子力学1で学んだ量子系(主に波動力学)よりも広い範疇の量子系(多粒子系の量子力学、場の量子論や量子情報論等)にも適用できる量子力学の基本的枠組、その枠組での具体的な問題の解法と近似理論、が主題である。
- 担当教員氏名
- 西川 裕規
- 科目ナンバリング
- AHBPHY31010-J1 (公大) / CSPHY3410-J1 (府大) / SBQM06301 (市大)
- 授業管轄部署
- 理学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 3年 (公大) / 3年 (府大) / カリキュラムにより異なります。 (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大) / 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 基礎物理学Ⅳと量子力学1で学んだ事柄(波動力学)を、本授業で示した量子力学の基本的枠組での具体例としても理解する事、量子力学の基本的枠組の概念と枠組内での計算(例えばディラックのブラケット記号等の意味や計算)が理解実行できる事、およびそれらを通じて、各自がこれから学習する可能性がある種々の量子系の理解に備える事、が到達目標である。
- 各授業回の説明
- 成績評価方法
- 上記の到達⽬標の達成度を確認する定期試験の成績で評価する(成績評価における定期試験の割合は100パーセントである)。 定期試験で出題された問題に対して、量子論の枠組みを適用し基本的な計算が正確に実行できることが合格の最低基準である。
- 履修上の注意
- 基礎物理学Ⅳ、量子力学1、量子力学1演習の履修を前提とする。線形代数Ⅰ、Ⅱに相当する内容を復習することが望ましい。
- 教科書
- 9月頃発売予定の教科書を使用予定である。
- 参考文献
- メシア量子力学 、A.メシア (著), 小出 昭一郎 (翻訳), 田村 二郎 (翻訳)、東京図書ワインバーグ量子力学講義 上下、S・ワインバーグ (著), 岡村 浩 (翻訳) 、ちくま学芸文庫 その他参考文献は多数ある。受講者からの相談に応じて適宜提示する。量子論―その数学および構造の基礎 、アイシャム (著), 佐藤 文隆 (翻訳), 森川 雅博 (翻訳)、吉岡書店
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
---|---|---|
第1回 | 状態と状態ベクトル(ベクトル演算、状態ベクトルの物理的分類、重ね合せでの相対位相の重要性) | 事前学習は特に求めない。第1回から第5回で量子論の枠組を説明するので、事後学習として授業内容を復習すること。 |
第2回 | 状態間の近さ(内積、コーシー・シュワルツ不等式と状態ベクトルのなす角、射影演算子) | 事前学習として第1回の授業内容を確認し、事後学習として授業内容を復習すること。 |
第3回 | 物理量と測定(量子論での物理量による状態の分類、測定確率と期待値、物理量に対応する演算子) | 事前学習として第1回から2回の授業内容を確認し、事後学習として授業内容を復習すること。 |
第4回 | エルミート演算子の固有値問題(スペクトル分解) | 事前学習として第1回から3回の授業内容を確認し、事後学習として授業内容を復習すること。 |
第5回 | 時間発展(シュレディンガー方程式、シュレディンガー、ハイゼンベルグ、相互作用表示および形式解と時間順序積)、線形演算子の数学的事柄1(行列表示) | 事前学習として第1回から4回の授業内容を確認し、事後学習として授業内容を復習すること。 |
第6回 | 線形演算子の数学的事柄2(エルミート共役、正規演算子の固有値問題、ユニタリー演算子のスペクトル分解) | 事前学習として第1回から5回の授業内容を確認し、事後学習として授業内容を復習すること。 |
第7回 | 不確定性関係と最小不確定状態、同時固有状態 | 事前学習として量子論の枠組を確認し、事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第8回 | 系の合成と忘却(テンソル積と部分トレース) | 事前学習として量子論の枠組を確認と量子力学1で学習した変数分離法を復習すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第9回 | 角運動量の固有値問題 | 事前学習として量子論の枠組を確認と第7回の内容を復習すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第10回 | 角運動量の合成(具体的例示、クレブシュ・ゴルダンの法則) | 事前学習として量子論の枠組を確認と第8,9回の内容を復習すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第11回 | 正準共役演算子対(位置と運動量等)の固有値問題 | 事前学習として量子論の枠組を確認すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第12回 | 固有値問題と変分原理、変分法(線形部分空間の状態、パラメータ付の状態、冪級数で表示された状態と逐次変分(摂動論)) | 事前学習として量子論の枠組を確認すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第13回 | 摂動論の解法(可解条件、1次、2次摂動等) | 事前学習として量子論の枠組を確認すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第14回 | 時間に依存する摂動論(フェルミの黄金則等) | 事前学習として量子論の枠組を確認すること。事後学習としては授業内容を復習すること。 |
第15回 | 量子情報理論の基礎(密度演算子、von Neumannエントロピー、エンタングルメントエントロピー等) | 事前学習として特に第8回の内容を復習のこと。 |
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Updated on 2025/7/18 6:29:57