2025年度/1AKB035001 (公大) / (府大)
【木2】応用酵素学 <後期>
各種実用化酵素(洗剤用酵素、繊維加工用酵素、食品工業用酵素、臨床診断用酵素など)について概説するとともに、酵素による物質生産、人工的酵素改変法、遺伝子組換による酵素の大量生産法、新機能酵素、極限環境酵素などについても講述する。
- 担当教員氏名
- 阪本 龍司
- 科目ナンバリング
- AKBAGC32025-J1 (公大) / CAAGC3323-J1 (府大)
- 授業管轄部署
- 農学部
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 3年 (公大) / カリキュラムにより異なります。 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 生体内のすべての生化学反応は酵素により触媒されている。生化学研究の進展に伴い、多種多様な酵素が発見され、それらの諸性質が明らかにされてきた。それらの触媒機能は産業や医療などの多くの分野で利用され、現代社会において欠くことのできないものとなっている。本講義は実用化酵素の作用機構とその応用事例についての理解を深めることを目的とし、応用研究が基礎研究の上に立脚していることを学ぶ。具体的には、以下の能力を身につけることを達成目標とする。 1.酵素の構造を説明できること。 2.酵素の精製法および分析法を説明できること。 3.酵素の速度パラメーターを説明できること。 4.極限環境酵素の応用事例を説明できること。 5.PCRを用いたタンパク質変異導入法を説明できること。 6.洗剤、ジュース製造、醸造、繊維加工、畜産における酵素の作用機構および応用事例を説明できること。 7.酵素法による光学活性化合物の合成について説明できること。 8.酵素法による油脂加工について説明できること。 9.臨床診断における酵素の作用機構および応用事例を説明できること。 10.酵素の固定化法について説明できること。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 授業時間だけでは、講義の内容を理解し、その理解を定着させることはできません。毎回の講義内容を復習も含めて整理しておくこと。また、講義内容に関連して興味のあることや知りたいことなどは学術情報センターやインターネットなどで情報を収集することによって、より興味と理解が深まります。質問については、授業後の休み時間はもちろん、授業中でも説明が分からない場合は随時質問してください。また、オフィスアワーは設定していますが、それ以外の時間でも気軽に居室へ訪れて下さい。
- 成績評価方法
- 授業目標(達成目標)の1〜10の達成度で成績評価を行う。C(合格)となるためには、1〜10の全ての項目で基本的な問題が解けることが必要である。成績を評価する手段として、「課題」、「中間試験」、「期末試験」を用いる。成績評価に占める割合は、課題が15%、中間試験が45%程度、期末試験40%程度とする。
- 履修上の注意
- (関連科目)微生物学 1・2、応用微生物学、酵素化学、生物資源利用学、糖質科学、食品化学、食品製造学
- 教科書
- プリントを配付
- 参考文献
- 産業用酵素, 上島孝之著,丸善,1995 年,3000 円。 酵素テクノロジー,上島孝之著,幸書房,1999 年,2800 円。 酵素サイエンス,相坂和夫著,幸書房,1999年,3200 円。 フードプロテオミクス-食品酵素の応用利用技術-,井上國世(監修),シーエムシー出版,2009年,3400円 応用酵素学概論,喜多恵子著,コロナ社,2009年,3300円。 酵素と応用製品の市場2020,シーエムシー出版,2019年,70000円。 酵素利用技術体系,小宮山眞(監修),エヌ・ティー・エス、2010年,65000円。
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | 「シラバスに沿って講義の概要説明」「アミノ酸、酵素の構造と特性」 (目標)酵素の1次構造から4次構造および物理化学的な特性を理解する。 | シラバスの内容を事前に読んでおく。 |
第2回 | 「酵素の精製法および速度パラメーター」「好熱性酵素」 (目標)種々のカラムクロマトグラフィーによる酵素の精製法および速度パラメーターについて理解する。好熱性酵素の特性と応用事例を理解する。 | 前回の目標について復習し、プリントにて今回の講義概要に該当する部分を事前に読んでおく。 |
第3回 | 「PCRの原理と応用」「変異タンパク質の創製法」 (目標)PCRは分子生物学分野で不可欠な技術である。その原理と応用技術について理解する。洗剤用酵素は産業酵素として需要が高く、様々なタイプの変異酵素が創製されている。洗剤用酵素を題材として、タンパク質工学的および分子進化工学的手法によるタンパク質の変異導入法を理解する。 | 同上 |
第4回 | 「洗剤用酵素の利用例」 (目標)洗剤用として使用されている様々な酵素の反応特性について理解する。 | 同上 |
第5回 | 「繊維加工、紙・パルプ加工および畜産における酵素の利用」 (目標)種々の酵素の特性を利用して、繊維(綿、絹)加工、紙・パルプ加工や家畜飼料の消化性改善など多くの用途で酵素が使用されていることを理解する。 | 同上 |
第6回 | 「食品加工用酵素 (1)」(パン、チーズ、練り製品) (目標)パン製造、チーズ製造、蒲鉾などの練り製品製造として使用されている様々な酵素の反応特性について理解する。 | 同上 |
第7回 | 「食品加工用酵素 (2)」(油脂類) (目標)リパーゼの触媒能を理解し、機能性油脂や構造油脂、バイオディーゼルの製造法ついて理解する。 | 同上 |
第8回 | 中間試験。 (目標)中間段階で試験を行うことで、これまでの講義内容の理解を定着させる。 | 1〜7回目までの復習。 |
第9回 | 「食品加工用酵素 (3)」(ジュース、茶、コーヒー) (目標)種々の酵素の特性を利用して、清澄化や圧搾率向上、味質改善など多くの用途で酵素が使用されていることを理解する。 | プリントにて今回の講義概要に該当する部分を事前に読んでおく。 |
第10回 | 「食品加工用酵素 (4)」(醸造、その他) (目標)ビール、ワイン製造では濾過性向上や圧搾率向上、カロリー改善など多くの用途で酵素が使用されていることを理解する。 | 前回の目標について復習し、プリントにて今回の講義概要に該当する部分を事前に読んでおく。 |
第11回 | 「酵素法による光学活性化合物の合成」 (目標)酵素が有する立体選択性を利用した甘味料およびアミノ酸の合成法を理解する。 | 同上 |
第12回 | 「酵素を用いた物質生産」 (目標)酵素を利用したペニシリンやアクリルアミドなどの合成法を理解する。 | 同上 |
第13回 | 「臨床診断用酵素 (1)」 (目標)臨床診断においてコレステロール、中性脂肪、血糖値など多くの検査項目が酵素法で行われていることを理解する。 | 同上 |
第14回 | 「臨床診断用酵素 (2)」「固定化酵素」「バイオ燃料」 (目標)臨床診断において肝障害、腎障害による逸脱酵素活性の測定方法を理解する。また、酵素の固定化法についても講義する。再生可能資源であるバイオマスを原料としたエタノール生産についても解説する。 | 同上 |
第15回 | 期末試験 中間テスト以降の講義内容をテスト範囲とする。 | 9〜14回目までの復習。 |
第16回 | 総括:期末試験の解説 (目標)この授業で学んだことについて、苦手な箇所を克服する。 | 1〜14回目までの復習。 |
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Updated on 2025/6/27 6:34:05