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2025年度/1BEAD07000 (公大)

【水6、水7】エフェクチュエーション論研究 <後期>

本授業では、新たな価値を創造するエキスパートの起業家から発見された「エフェクチュエーション(effectuation:実効理論・実効論)」と呼ばれる思考様式を学びます。 エフェクチュエーションは、極めて高い不確実性に対して、予測ではなくコントロールによって対処する思考様式であり、起業家やスタートアップのみならず、「不確定な状況における意思決定の一般理論」(Sarasvathy 2008, 訳書p.340)として、既存企業における新規事業開発や市場創造プロセスを含む、最適なアプローチの予測が困難な様々な問題に対して有効な論理であると言えます。 本授業は、講義を通じてエフェクチュエーションを概念的に理解するのみならず、毎回に授業中に出題する課題や演習を通じて、受講者ひとり一人が、不確実性を伴う自らの新しいチャレンジにおいて、エフェクチュエーションを活用できるようになることを目標としています。また、環境分析に基づいて最適なアプローチを予測しようとする「コーゼーション(causation:因果論)」と対比したエフェクチュエーションの特徴を理解し、状況に応じて2つの思考様式を組み合わせて活用できるようになることを目指します。

担当教員氏名
未定
科目ナンバリング
BEAMAN52001-J1 (公大)
授業管轄部署
経営学研究科
授業形態
講義
開講キャンパス
梅田サテライト
開講区分
週間授業(後半)
配当年次
1年 (公大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
1.コーゼーション(因果論)とエフェクチュエーション(実効論)という、2つの論理の特徴を理解している。2.状況に応じて、2つの思考様式の使い分け・組み合わせができる。3.不確実性に対処する上でのマインドセットを身に付けており、自身の実践に適用できる。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回【11/26, 6限】 エフェクチュエーションの概要、5つの原則
第2回【11/26, 7限】 目的でなく手持ちの手段に基づく着手ミニレポート①「手持ちの手段」の棚卸
第3回【12/03, 6限】 手持ちの手段をアイデアに変換する
第4回【12/03, 7限】 期待利益でなく損失の許容可能性に基づく行動ミニレポート②「許容可能な損失」の評価
第5回【12/10, 6限】 許容可能な損失に基づく行動(続き)
第6回【12/10, 7限】 計画重視でなく偶発性の活用ミニレポート③潜在的なパートナーに対する問いかけ
第7回【12/17, 6限】 競合分析でなくパートナーシップの構築
第8回【12/17, 7限】 コミットメント獲得のための問いかけミニレポート④「問いかけ(asking)」の実践とその結果
第9回【01/07, 6限】 行動の結果を踏まえた手段の再評価
第10回【01/07, 7限】 予測でなくコントロール可能性への集中ミニレポート⑤「手持ちの手段(資源)」の再評価と行動の再定義
第11回【01/14, 6限】 エフェクチュエーションの全体プロセス
第12回【01/14, 7限】 コーゼーションとエフェクチュエーションの接続ミニレポート⑥コーゼーションとエフェクチュエーションの接続
第13回【01/21, 6限】 コーゼーションとの接続(続き)
第14回【01/21, 7限】 既存組織におけるの活用、全体まとめ 特になし(期末レポートへの取り組み)
第15回【01/28, 6限】 実践事例のプレゼンテーション
事前・事後学習の内容
毎回の授業では講義内容を踏まえた事後課題(ミニレポート①~⑥)を出題します。各ミニレポートは翌週のグループディスカッションの時間に共有をお願いする予定です。翌週の授業日の前日に設定された提出期日までに提出した上で、翌日の授業にも持参ください。
成績評価方法
平常評価(ミニレポート、授業参加)     50% 期末評価(レポート)             50% 本授業では、平常評価と期末評価によって成績評価を行います。平常評価は、授業の講義内容を踏まえたミニレポート(全6回)の提出、出席、ならびに授業中の議論やグループディスカッション等への積極的な参加によって行われます。期末評価は、本授業を通じて受講者一人ひとりが自ら実践したエフェクチュエーションのプロセスに関するケース・レポートの提出に基づいて行われます。
履修上の注意
本授業の特徴は、座学としてエフェクチュエーションを概念的に理解するだけではなく、受講者一人ひとりにとっての不確実性を伴う実践に対して、エフェクチュエーションの思考様式を適用することで理論に対する理解を深める、アクティブ・ラーニング形式をとることです。 そのため、毎回の授業で出題される事前課題及び演習課題に個人ワークとして取り組んでいただくこと、加えて、個人ワークの内容を授業時間中のグループディスカッションの時間に許容可能な範囲で他の受講者と共有して議論と理論への理解を深めること、を授業参加の前提としており、積極的な議論への参加を平常点評価の対象にもしています。 またエフェクチュエーションは、手持ちの手段(資源)や許容可能な損失に評価の際に、実践する起業家自身の内的環境を行動のデザインに反映するアプローチをとるため、受講者ご自身の内面について振り返っていただくような演習を伴うことも、多くの他の授業とは異なる本授業の特徴であると考えています。ただし授業中の演習やディスカッションで共有をいただく発言や受講者ご自身の実践内容については、授業目的以外に無断で利用することが決してありませんし、受講者間でもその旨を確認させていただきます。
教科書
吉田満梨・中村龍太 (2023).『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』ダイヤモンド社. (ISBN: 978 4478110744)

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参考文献
Sarasvathy, S. D. (2008). Effectuation: elements of entrepreneurial expertise. Northampton: Edward Elgar Publishing. (加護野忠男監訳、高瀬進・吉田満梨訳『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』碩学舎, 2015年, c *原著は2022年に2nd editionが出版されていますので、英語で読まれる方にはそちらを読んでいただくことをお薦めします(ISBN: 978 1 83910 257 8) Sarasvathy, S. D. (2001). “Causation and effectuation: Toward a theoretical shift from economic inevitability to entrepreneurial contingency.” Academy of Management Review, 26(2), 243-263. *エフェクチュエーションについて最初に発表された学術誌の論文です Read, S., Sarasvathy, S., Dew, N., and Wiltbank, R. (2017). Effectual entrepreneurship, 2nd edition. Routledge. *世界中で活用されているビジネススクール向けのテキストです。1st editionは日本語の抄訳も出版されています(吉田孟史 監訳、寺澤朝子・弘中史子訳『エフェクチュアル・アントレプレナーシップ』ナカニシヤ出版, 2018年.) Simon, H. A. (1996). The sciences of the artificial. MIT press. (稲葉元吉・吉原英樹訳『システムの科学』パーソナルメディア社, 1999) *Sarasvathy教授の師であるハーバート・サイモン教授の著作で、エフェクチュエーションとの関連については、第6回の授業で議論します。その他、授業の内容に関わる参考文献は、授業中に随時提示致します。
オフィスアワー
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Updated on 2025/7/9 6:48:01

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