2025年度/1BHA012100 (公大)
【木2】幾何学特論D <前期>
ホモトピー論の基礎的な事項について講義する。講義序盤ではこの分野の根本的な問題意識とそれに対する基本戦略を、同じく基本的な概念であるホモトピー群およびCW複体に触れつつ説明する。その後、CW複体に関する諸定理の証明を通してその有用性の理解を目指し、さらに圏論的な視点を導入する。また、その過程でいくつかの発展的なトピックについても簡単に触れていく。
- 担当教員氏名
- 蓮井 翔
- 科目ナンバリング
- BHAMAT52012-J1 (公大)
- 授業管轄部署
- 理学研究科
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 1年 (公大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 主としてCW複体という概念の有用性の理解を目指す。CW複体の定義、および関連する基本的な諸定理を理解し、具体的な問題に応用できることを目標とする。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 講義資料を事前に配布するので、一通り目を通し、前提とされている知識が十分でないと感じた場合は前もって復習しておくこと。また、基本的に毎回レポート問題を用意するので、講義後はそれを解きつつ理解が不十分な箇所がないか確認し、必要なら教員に質問すること。
- 成績評価方法
- 授業目標の達成度について、レポート課題を通じて評価する。成績評価は100%レポート課題による。C (合格) となるには、レポート課題とした基本的な問題が概ね正しく解けることが必要である。
- 履修上の注意
- 事前に配布する講義資料に沿って講義を行うので、事前にチェックして明らかに不足している知識は埋めておくなど、講義資料をうまく活用してほしい。
- 教科書
- 特に指定しない。(事前に講義資料をpdf形式で配布する。)
- 参考文献
- 西田吾郎, ホモトピー論, 共立出版, 1985. 中岡稔, 位相幾何学 -ホモロジー論-, 共立出版, 1999. 服部晶夫, 位相幾何学, 岩波基礎数学選書, 1991. A. Hatcher, Algebraic Topology, Cambridge University Press, 2001.
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 |
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第1回 | 講義全体の導入。特に、ホモトピー型およびホモトピー集合という基本概念について説明する。 |
第2回 | 一点和やsmash積 (特に被約懸垂) など、ホモトピー論について説明する上で不可欠な諸概念を導入する。特にホモトピー群とその群構造について説明する。 |
第3回 | 本講義の中心概念であるCW複体を定義し、導入的な説明を行う。 |
第4回 | 今後の議論で必要となる空間対の概念を導入し、さらにそれに付随する諸概念 (相対ホモロジー群や相対ホモトピー群など) について説明する。 |
第5回 | 本講義に関連する2つのホモトピー近似定理 (単体近似定理および胞体近似定理) について説明する。 |
第6回 | ホモロジー群に関する切除同型定理と、ホモトピー群に関するその対応物であるBlakers–Masseyの定理について述べる。 |
第7回 | 圏および函手の概念を導入し、ホモロジー群やホモトピー群といった既出の概念をこの観点から整理する。 |
第8回 | 図式の極限および余極限を定義し、身近な圏における具体例を挙げて説明する。 |
第9回 | ホモトピー論における基礎的な概念の1つであるコファイブレーションを導入し、関連する基本的な定理をいくつか述べる。さらに、ホモトピー論における最も重要な定理の1つであるHurewiczの定理について説明する。 |
第10回 | ホモトピー論的な構成と相性のよいホモロジー群の完全列であるPuppe列について述べ、その応用としてCW複体のホモロジー群の計算方法を説明する。 |
第11回 | ホモトピー論における基礎的な概念の1つであるファイブレーションを導入し、関連する基本的な定理をいくつか述べる。 |
第12回 | 前回定義したファイブレーションの例として、ファイバー束の定義と具体的な構成方法を述べる。また、普遍束や分類空間といった重要な概念についても触れる。 |
第13回 | 既知の空間にCW複体の構造を入れる方法 (CW分解) や、この分解を通してホモトピー群の元を得る手法など、具体的な計算に関わる方法論をいくつか紹介する。 |
第14回 | モデル圏の概念を導入し、この観点からホモトピー論の基礎的な概念の多くがすっきりと整理できることを説明する。 |
第15回 | 安定ホモトピー論や高次圏など、発展的な話題をいくつか紹介する。 |
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Updated on 2025/7/16 6:37:25