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2025年度/1BJD025001 (公大)

【金2】凝縮系物性学特論 <前期>

強相関物質が示す電気的・磁気的・熱的・光学的に特異な現象の理解には、希土類f電子 (遷移金属d電子) と伝導電子間の混成、つまり電子状態の理解が重要となる。本講義では、強相関系物質の電子状態を理解するために必要となる理論的知識や実験手法について学ぶ。基礎として種々の凝縮系物質の電子状態の特徴を学んだ後、強相関物質の特徴や電子状態観測で重要となる光電子分光法の解説をする。応用として強相関物質が示す近藤効果や金属絶縁体転移、価数揺動などの物理現象について最新のトピックスを交えながら解説を行い、電子物理工学における具体的問題への応用力を養う。

担当教員氏名
三村 功次郎
科目ナンバリング
BJDPHY52021-M1 (公大)
授業管轄部署
工学研究科
授業形態
講義
開講キャンパス
中百舌鳥
開講区分
週間授業
科目分類
電子物性コースB群科目
配当年次
1年 (公大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
電子物理工学における基礎として、強相関物質および電子状態観測に関する基本事項に習熟し、強相関物質の物性に関する具体的問題を当該物質の電子状態から理解できるようになることを目標とする。以下の能力を身につけることを到達目標とする。
  1. 光電子分光法の実験原理を説明できること。
  2. 光電子分光のスペクトル形状が1粒子グリーン関数を用いて説明できること。
  3. 強相関物質の物性 (c-f混成,磁気秩序,近藤効果,金属絶縁体転移,価数揺動 等) に関する基礎知識を説明できること。
  4. 上記の2に関連して、強相関物質の物性と電子状態の関係を説明できること。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回講義全体に関する説明,凝縮系物理に関する基本のまとめ配布プリントの復習など
第2回強相関物質の基本1:電子配置,LS結合,結晶場効果配布プリントの予習・復習など
第3回強相関物質の基本2:フェルミ液体,f電子(d電子)と伝導電子の相互作用配布プリントの予習・復習など
第4回強相関物質の基本3:近藤効果配布プリントの予習・復習など
第5回強相関物質の基本4:RKKY相互作用と磁気秩序配布プリントの予習・復習など
第6回強相関物質の基本4:量子相転移配布プリントの予習・復習など
第7回光電子分光法の基本原理配布プリントの予習・復習など
第8回1粒子グリーン関数と光電子スペクトル形状配布プリントの予習・復習など
第9回角度分解光電子分光配布プリントの予習・復習など
第10回共鳴光電子分光,スピン分解光電子分光配布プリントの予習・復習など
第11回強相関電子系に対する電子状態観測のトピックス1:近藤効果,重い電子系と不純物アンダーソン模型に基づくスペクトル解析1配布プリントの予習・復習など
第12回強相関電子系に対する電子状態観測のトピックス2:近藤効果,重い電子系と不純物アンダーソン模型に基づくスペクトル解析2配布プリントの予習・復習など
第13回強相関電子系に対する電子状態観測のトピックス3:金属絶縁体転移(近藤絶縁体),価数揺動(価数転移)の電子状態配布プリントの予習・復習など
第14回強相関電子系に対する電子状態観測のトピックス4:角度分解光電子分光でみる磁気相転移,重い電子状態1配布プリントの予習・復習など
第15回強相関電子系に対する電子状態観測のトピックス5:角度分解光電子分光でみる重い電子状態2,超伝導(量子臨界現象)配布プリントの予習・復習など
第16回まとめ
事前・事後学習の内容
本講義の内容を理解するために、講義の進行に合わせて参考書を熟読することをお勧めします。
成績評価方法
到達目標の1~4の達成度で成績評価を行う。 C (合格)となるためには、1~4の全ての項目で基本的な設問に答えられることが必要である。 成績を評価する手段として、レポート(2回/100%)を用いる。
履修上の注意
授業時間だけでは、講義内容をよく理解し、授業目標を達成することは困難です。各回の授業テーマに合わせて参考文献の対応する箇所をあらかじめ読むことをお奨めします。また、授業内では最新トピックスの解説も行うため、予習だけでは十分な理解は得られません。最新トピックスは引用元を明らかにした上で解説するので、配布プリントと合わせて復習を行い授業内容の理解に努めてください。
教科書
なし。各回に学習事項をまとめたプリントを配布する。

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参考文献
  • Stefan Hüfner “Photoelectron Spectroscopy” (Springer)
  • 小林俊一 編 “物性測定の進歩II –SQUID, SOR, 電子分光–” (丸善)
  • 高橋隆 著 “固体光電子物性” (朝倉書店)
  • 上田和夫・大貫惇睦 著 “重い電子系の物理” (丸善)
  • 藤森淳 著 “強相関電子系の基礎 原子, 分子から固体へ” (内田老鶴圃)
  • 伊達宗行 監修 “大学院物性物理2 強相関電子系” (講談社サイエンティフィク)
オフィスアワー
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その他
(関連科目) 光物性特論、固体電子論特論

Updated on 2025/8/3 6:38:11

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