2025年度/1BJD033001 (公大)

【月5】表面・真空工学特論 <前期>

前半（第1回〜第8回）は、初回のガイダンス以降、ナノテクノロジーを支える物質表面の観察あるいは加工を行う装置の動作原理となる電子または正イオンの生成の基礎過程である金属表面を介した電子トンネル遷移について、特に電界イオン顕微鏡法との関わりを中心として、その基礎事項について学ぶ。 後半（第9回〜第15回）は、産業技術の基盤である真空技術の基礎について講義を行う。理想気体の諸性質を導き，気体の流れやコンダクタンスについて講義する。また，真空ポンプ，真空計測について詳述する。

担当教員氏名

福田 常男、小林 中

科目ナンバリング

BJDAPP54001-J1 (公大)

授業管轄部署

工学研究科

授業形態

講義

開講キャンパス

中百舌鳥

開講区分

週間授業

科目分類

電子材料コースB群科目

配当年次

1年 (公大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数

2単位 (公大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標

前半の講義では、電界放射、電界イオン化など表面を介した荷電粒子（電子およびイオン）生成に関わる過程について理解し説明出来る。また、其々の過程において、金属表面に形成される局所的な仕事関数およびトンネル障壁についても理解し説明出来る。更に、生成された荷電粒子のビームとしての軌道運動と輸送に関わる静電レンズ、磁場レンズの働きを理解し説明出来る。 後半の講義では、希薄気体の諸特性を理解するとともに，真空工学の基礎理論や真空ポンプ・真空計などの原理を理解する。また、これらの装置の設計ができるようにする。真空技術者２級の合格を目指す。

各授業回の説明

授業	授業内容	事前・事後の学習内容
第1回	ガイダンスと全体の説明	事後学習の内容：ガイダンスでの説明内容の確認
第2回	荷電粒子ビームの諸特性、ビームの集束・発散と空間電荷効果	事後：授業内容の確認
第3回	電子の発生機構：熱陰極、電界放射、光電子放出、二次電子放出	事後：授業内容の確認
第4回	イオンの発生機構：衝突電離、プラズマ、電界イオン化、液体金属イオン源	事後：授業内容の確認
第5回	荷電粒子の軌道運動とビーム輸送（１）：静電レンズ、近軸軌道	事後：授業内容の確認
第6回	荷電粒子の軌道運動とビーム輸送（２）：磁場レンズ、近軸軌道	事後：授業内容の確認
第7回	荷電粒子の分光（分析）の原理：質量、エネルギー、スピン	事後：授業内容の確認
第8回	金属の仕事関数：電子を金属内に留める起源 電子のトンネル障壁の透過（JWKB近似）：表面を介した電子遷移過程	事後：授業内容の確認
第9回	真空の歴史，気体の状態方程式	(事前)参考書第1章 (事後)教科書１.1-3
第10回	気体分子の速度分布	(事前)教科書1.4 (事後)教科書１.4
第11回	平均自由行程と衝突確率，入射頻度と熱遷移	(事前)教科書1.5-6 (事後)教科書１.5-6
第12回	分子流領域、粘性流領域での気体の性質	(事前)教科書1.7 (事後)教科書１.7
第13回	気体の流れとコンダクタンス	(事前)教科書1.7 (事後)教科書１.7
第14回	真空ポンプ：各種真空ポンプの作動原理	(事前)教科書3-4章 (事後)教科書3-4章
第15回	真空計測の基礎 ：真空領域での圧力計測	(事前)教科書2章 (事後)教科書2章
第16回	定期試験

成績評価方法

(1)各到達目標の達成度は、授業内での質疑応答および適宜行う確認テスト（50%）または課題レポートの結果（50%）を総合的に判断して行う。 (2)合格（単位修得）は、(1)の評価において合計60%以上とする。

履修上の注意

学部講義の固体物理学、統計力学、電磁気学を良く理解しておくこと。

教科書

金属表面を介した荷電粒子の生成とビーム形成に関する回では、関連資料および情報に関して適宜講義内で紹介する。 「わかりやすい真空技術」（第３版）（日刊工業新聞社）（福田常男）[ISBN:978-4526064258]

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参考文献

塚田捷「仕事関数」（物理学One Point-21、共立出版、1983）[ISBN:978-4-320-03204-0] 「真空の物理と応用」（熊谷他、裳華房）[ISBN:978-4785323110]

オフィスアワー

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教員への連絡方法（メールアドレス等）

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