大阪公立大学 授業カタログのロゴ

Project TryAngleは学生スタッフによる大学公認のシステム開発チームです。 利用者の観点からより便利になるよう、学生自身の手で新システムの開発などを行っています。

ios_share

2025年度/1DEAB29100

【金4】国際金融論特殊研究演習3 <前期、後期>

(公大) / 国際金融論特殊研究演習 (市大)

金融のビジネス的な側面に対する理解を深めるため、主にアメリカについて個別金融機関の活動に関する研究と、金融システムの機能に関する研究を取り上げ、それらの関係を整理していく。個別金融機関の活動に関する研究のほとんどは、特定の機関のビジネスモデルや業界の勢力図について分析している。一方で、金融システムの機能に関する研究の多くは、業界の集計データを利用して、そのマクロ的な影響を分析している。これらをつなぐものは、個別の金融機関がどのような競争・分業関係を通じて、金融という機能を実現しているのかという発想である。個別の金融機関の進化と環境変化との相互作用に注目すれば、個別機関それぞれのビジネスモデルが複雑な相互作用と通じて、金融システムの効率性や健全性に影響している仕組みを理解できる。

担当教員氏名
神野 光指郎
科目ナンバリング
BEACOM84042-J2 (公大) / CD3SC0026.5 (市大)
授業管轄部署
経営学研究科
授業形態
演習
開講キャンパス
杉本
開講区分
週間授業
科目分類
分野専門演習科目
配当年次
3年 (公大) / 1年 (市大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
4単位 (公大) / 4単位 (市大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
具体的なデータと状況証拠を用いて、各種金融機関のビジネスモデルの変遷を踏まえ、それらがどのような相互作用を通じて金融システムの全体構造を動態的に変化させているのかを説明することが出来る。
各授業回の説明
授業授業内容事前・事後の学習内容
第1回ガイダンス各種資料の入手方法を確認しておく。
第2回貨幣と支払い決済システムの歴史報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第3回銀行ネットワークの形成報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第4回銀行ネットワークを補完する慣行と法規制の変遷報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第5回銀行の国際支払いネットワーク形成の歴史報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第6回銀行の国際支払いネットワークへの各国中央銀行の関与報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第7回フィンテックの国際支払いサービスと既存の支払いインフラ業者との相互作用報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第8回中央銀行の非銀行支払いサービス進化への対応報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第9回資産運用業界の歴史報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第10回資産運用商品の変遷報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第11回資産運用商品製造プロセスの変化報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第12回資産運用業者と投資銀行の協力・競争関係報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第13回資産運用商品の販売プロセスの変化報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第14回ブローカーと投資顧問報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第15回カストディ、アドミニストレーション、ポートフォリオ構築・リバランス支援報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第16回ベンチャー金融における役割分担報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第17回非公開市場を巡る個人ネットワーク、投資銀行ネットワーク、マーケットプレイス報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第18回LBOとPEファンド報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第19回投資銀行のPEファンド向けサービス報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第20回信用ファンドの成長と投資銀行の関与報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第21回資産運用業界と企業の関係報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第22回投資銀行の企業向けIRサービス報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第23回流通市場を巡る投資銀行、企業、運用会社の関係報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第24回資本市場取引、流通市場取引と支払い決済システム報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第25回企業の財務活動報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第26回サプライチェーンと金融報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第27回与信審査と取引相手認証の類似性報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第28回銀行の財務サービスと投資銀行サービス報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第29回経済循環における金融の役割報告資料の作成と、ディスカッションで気づいた点についての調査
第30回まとめ期末レポート作成準備
授業内容
初回はガイダンスを行う。 2~8回は貨幣と支払い決済システムを対象とする。 各種金融機関の支払い・決済関連、現金管理関連業務の実態とその変遷を把握する。 新たに登場した金融機関の支払い・決済関連業務がいかに多様化してきかた、既存のインフラ業者がそれにどのように対応してきたか把握する。 支払い決済システムの変化に中央銀行がどのように対応してきたか把握する。 9~15回は投資理論と資産運用業界を対象とする。 資産運用業界の商品製造過程と、そこに関与するプレーヤーの事業内容について把握する。 資産運用業界の商品販売過程と、そこに関与するプレーヤーの事業内容について把握する。 16~20回は非公開市場を巡る資産運用業界と投資銀行の動向を対象とする。 ベンチャー金融に関わるプレーヤーがどのように案件を発掘するかについて実態を把握する。 LBO市場の変遷と、資金調達方法の変化の実態を把握し、そこに関与するプレーヤー間の関係について整理する。 21~24は投資銀行が持つ企業と投資家の仲介役という側面を対象とする。 企業と投資家の相互の利害関係について整理する。 なぜ投資銀行がその間に介在できるのかについて、分野毎に実態を把握する。 企業と投資家が仲介役の影響力を牽制する方法について把握する。 25~29回は企業の財務活動と銀行の財務サービスを対象とする。 銀行の投資銀行サービスと財務サービスがどのように関わっているのか把握する。 金融機関の与信、支払いタイミングの変更、企業による取引相手の認証が極めて密接な関係にある事を把握する。 支払い決済に関する貨幣理論と、資本市場・流通市場における仲介理論の関係を整理する。 30回はまとめを行う。
事前・事後学習の内容
ガイダンスでは入手可能な情報について紹介する。 2~8回の貨幣と支払い決済システムについては、貨幣論、物価理論についての研究、支払い決済サービス、現金管理サービスに関する業界雑誌、新聞記事から情報を収集し、編集して報告を作成する。 9~15回の投資理論と資産運用業界については、証券規制機関、公的取引所、各種業界団体、コンサルタント、市場情報会社が発行する報告書、データを収集し、編集して報告を作成する。 16~20回の非公開市場を巡る資産運用業界と投資銀行の動向については、個別資産運用会社、業界団体、コンサルタント、市場情報会社が発行する報告書、業界雑誌、新聞記事から情報を収集し、編集して報告を作成する。 21~24回の投資銀行が持つ企業と投資家の仲介役という側面については、金融機関の仲介活動に関する情報を学術雑誌、公的機関報告書、業界雑誌、新聞記事から収集し、編集して報告する。 25~29回の企業の財務活動と銀行の財務サービスについては、企業の現金管理と供給網管理および、金融機関の財務サービスと供給網サービスに関する情報を学術雑誌、公的機関報告書、業界雑誌、新聞記事から収集し、編集して報告する。 30回にはまとめのレポート作成を行う。各種金融機関のビジネスモデル変化の相互作用による金融システム機能の実現方法変化について整理する。
成績評価方法
(1)到達目標の達成度について評価します。 (2)毎回の報告50%、学年末のレポート50%を目処に点数化します。 (3)合格のための最低基準は、基本的な資料を全てサーベイできているか、データを揃えているか、それらを踏まえて既存の理論を評価できているかです。
履修上の注意
金融論、国際金融論についての修士レベルの基本的な知識が必要です。
教科書
特定の教科書はありません。各種資料について、最新のものを利用します。

Loading...

参考文献
楊枝嗣朗・神野光指郎編『貨幣とは何か?-支払決済システムと金融仲介-』文眞堂、2024年、ISBN 9784830952630フェリックス・マーティン著、遠藤真美訳『21世紀の貨幣論』東洋経済新報社、2014年、ISBN 9784492654651 ジャスティン・フォックス著、遠藤真美訳『合理的市場という神話』東洋経済新報社、2010年、ISBN 9784492654361 ラース・トゥヴェーデ著、赤羽隆夫訳『信用恐慌の謎』ダイヤモンド社、1998年、ISBN 9784478200483
オフィスアワー
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
教員への連絡方法(メールアドレス等)
- 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -

Updated on 2025/7/18 6:40:30

ページ上部へ戻る