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2025年度/1FCB402010 (公大) / (市大)

【水5】民事訴訟実務の基礎 <前期>

民事事件における法曹の役割は,民事紛争を法的な観点から構成して紛争の解決を図るものである。交渉,保全,訴え提起,訴状審査,管轄,口頭弁論期日,争点整理,集中証拠調べ,判決と続く民事訴訟実務手続の流れを理解するとともに,民事紛争解決のためには,いかなる事実が法的に重要なものであるか(要件事実)及び争いとなっている事実がどのようにして確定されるのか(事実認定)について,基礎的理解を修得させるとともに,民事訴訟実務の基礎的知識を修得させることが主題である。 なお,要件事実については,訴訟物,請求原因,抗弁,再抗弁の定義,具体例,関係及び基礎的な考え方を学ぶことを重視する。

担当教員氏名
安田 善紀原田 裕彦
科目ナンバリング
FCALAW82002-J1 (公大) / JAPRA8802 (市大)
授業管轄部署
ロースクール
授業形態
講義
開講キャンパス
杉本
開講区分
週間授業
科目分類
法律実務基礎科目
配当年次
2年 (公大) / 2年 (市大)

注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。

単位数
2単位 (公大) / 2単位 (市大)

注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。

到達目標
交渉,保全,訴え提起,訴状審査,管轄,口頭弁論期日,争点整理,集中証拠調べ,判決と続く民事訴訟実務手続の流れを理解するとともに,民事紛争解決のためには,いかなる事実が法的に重要なものであるか(要件事実)及び争いとなっている事実がどのようにして確定されるのか(事実認定)について,民事訴訟実務の基礎的事項を説明できるようになっていることが到達目標である。また,教科書に記載されている基本的な事例については,訴訟物,請求原因,抗弁,再抗弁に適切に振り分けることができるようになっていることが到達目標である。
授業内容
第1段階 第1〜3回授業の内容(コアカリキュラム第3章,以下括弧内はコアカリキュラムの該当箇所示す。) 民事訴訟手続の流れを理解することを目標として,下記『民事訴訟第1審手続の解説』に基づき保証債務履行請求事件についての審理手続を学習する。 第1回 民事訴訟第1審手続(1) 民事保全,訴えの提起,訴状受付,訴状審査(補正命令,訴状却下),要件事実,訴訟物の特定,請求の趣旨,請求原因,訴訟要件の審査,(司法研修所ビデオ−民事訴訟第1審手続の流れ併用) 第2回 民事訴訟第1審手続(2) 口頭弁論期日の指定,答弁書,請求原因に対する認否,被告の主張,第1回口頭弁論期日における手続,訴訟指揮,弁論準備手続期日,争点整理(同司法研修所ビデオ併用) 第3回 民事訴訟第1審手続(3) 集中証拠調べ,和解期日(裁判官,弁護士の役割),和解調書,口頭弁論の終結,判決言渡し,旧様式判決,新様式判決(同司法研修所ビデオ併用),民事執行 第2段階 第4回〜第14回の内容(第1章1-1ないし4および第2章2-1) 要件事実の基礎的な事項の理解,各訴訟類型の要件事実についての検討及び事実認定 第4回 要件事実基礎論 要件事実と要件事実論の違い,判決における事実摘示の意義,主張,立証責任の分配(請求原因,抗弁,再抗弁の意義)や要件事実に関する諸問題(主要事実と間接事実の区別,法律上の推定,規範的要件)について検討する。 第5回 売買契約に基づく代金請求訴訟 売買代金支払請求訴訟の特質及び要件事実,条件,期限,同時履行,弁済,契約の解除及び消滅時効の抗弁等について 第6回 貸金請求訴訟について 貸金返還訴訟の特質及び要件事実,弁済,相殺,消滅時効の抗弁について 第7回及び第8回 所有権に基づく不動産明渡請求訴訟 所有権に基づく不動産明渡請求訴訟の特質及び要件事実,「もと所有」,権利自白,所有権喪失の抗弁,対抗要件の抗弁,対抗要件具備による所有権喪失の抗弁について 第9回 不動産登記手続請求訴訟 所有権に基づく所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟の特質及び要件事実,取得時効,所有権に基づく抵当権設定登記抹消登記手続請求訴訟の特質及び要件事実,登記保持権原の抗弁について 第10回 賃貸借契約終了に基づく不動産明渡請求訴訟 賃貸借契約終了に基づく不動産明渡請求訴訟の特質及び要件事実(解約申し入れ,賃料不払,増改築禁止特約違反),建物所有目的の抗弁,一時使用の再抗弁について 第11回 動産引渡請求訴訟 動産引渡請求訴訟の特質及び要件事実,悪意の抗弁,過失の評価根拠事実の抗弁について 第12回 請負関係訴訟 請負関係請求訴訟の特質及び要件事実、報酬請求、契約不適合を理由とする修補との同時履行の抗弁について 第13回及び第14回 事実認定の基礎(第2章2-2ないし4) 事実認定の対象および事実認定のあり方。 自由心証主義,証拠の種類,直接証拠と間接証拠,書証(処分証書,報告文書),形式的証拠力,成立の推定,実質的証拠力等諸概念の理解の確認。 争点についての証拠の収集,立証方法について,間接事実による推認,文書の真正の推定(2段の推定,署名代理)などの事実認定について具体的事例から検討する。 また,裁判例から具体的に事実認定の諸問題(経験則,一応の推定,証明妨害,相当な損害額の認定)について検討する。 第15回 民事保全・民事執行(第3章のうち,民事保全・民事執行) 被保全権利・保全の必要性,執行開始要件,債務名義の概念,債権執行,動産執行,不動産執行など 第16回 期末試験
事前・事後学習の内容
第1段階では,3回に分けて,ビデオを併用しながら,民事第1審手続の実務の流れを概観するので,下記『民事第1審手続の解説』を読み込み,今,手続はどの段階にあるのか,その際の手続はいかなるものかをしっかりと予習されたい。なお,その際,引用されている条文は手間をいとわず実際に必ず目を通しておくこと(これは必ず将来の役に立つ。)。 第2段階では,第4回で要件事実についての基礎的な解説及び基本的な書き方の解説をするので,それに向けて下記『新問題研要件事実』を精読しておくことが要求される。 予習の範囲は以下の通りとなる。 第1回~第3回  事前に精読した下記『民事第1審手続の解説』の内容(解説編および記録編のいずれも)をおさらいしておくこと。 第4回~第15回 事前にムードルにアップする予習レジュメの各質問に回答できるようにしておくこと。 事後の学習は,各回の内容について理解して実際に使える(人に具体例を挙げて説明でき,起案できる状態。)ようになることである。 授業開始前に下記『民事第1審手続の解説』及び『新問題研究要件事実』を精読しておくこと。
成績評価方法
絶対評価 到達目標の達成度について評価を行う。提出するレポート(30%)及び学期末の試験(70%)を総合評価する。合格となるためには、民事訴訟実務の基礎的事項について説明できるようになっていることが求められる。
履修上の注意
各自の民事訴訟法及び民法の基本書を読み返しておくこと。また,要件事実の学習には,民法条文の要件・効果を正確に理解していることが前提であるので,条文をひくとともに,授業開始前に下記『民事第1審手続の解説』,『新問題研究要件事実』及び『4訂 紛争類型別要件事実』をいずれも精読しておくこと。
教科書
司法研修所『民事訴訟第1審手続の解説-事件記録に基づいて-』(法曹会,4版,2020年) 司法研修所『改訂 新問題研究 要件事実』(法曹会,2023年) 司法研修所『4訂 紛争類型別要件事実』(法曹会,2023年) 司法研修所『民事判決起案の手引』(法曹会,10訂補訂版,2020年) 講義開始までに最新版が出版された場合は,最新版を使用する。

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参考文献
岡口基一著『要件事実マニュアル第1巻(第7版)』(ぎょうせい,2024年) 岡口基一著『要件事実マニュアル第2巻(第7版)』(ぎょうせい,2024年) 大島眞一著『完全講義民事裁判実務基礎編』(民事法研究会,2023年)
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Updated on 2025/7/8 6:30:57

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