2025年度/1GAF015301 (公大) / (市大)
【金4】戦争と人間 /[杉本]全S <前期>
1868年の明治維新から1945年の敗戦に至るまで、近代日本はおよそ10年ごとに戦争を繰り返してきました。この講義では「近代日本の戦争と平和」をテーマとするものですが、その際に「システム(政治・社会体制)」や「ソフト(軍事力を支える思想・価値観)」という視点に注目し、これらの「システム」や「ソフト」に否応なく巻き込まれた、もしくは主体的に関わった「人間(個人)」についても注目します。なぜ、他国の将兵や民衆を殺戮することが〈戦争〉によって正当化されるのか、この講義を通して皆さんとともに考えていきたいと思います。
- 担当教員氏名
- 北泊 謙太郎
- 科目ナンバリング
- XXXCHU16015-J1 (公大) / GEENV0117 (市大)
- 授業管轄部署
- 国際基幹教育機構(学部)
- 授業形態
- 講義
- 開講キャンパス
- 杉本
- 開講区分
- 週間授業
- 配当年次
- 1年 (公大) / 学年指定なし (市大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。学年指定なしの表記は、要覧等を確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (市大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- 現代社会の課題を考える上でも重要な「戦争と平和」生成のプロセスを、過去―現在―未来という時間軸に沿って位置づけ、理解するという歴史的思考力を身につけることができます。そのことを通じて、戦争の時代を生きた「人間(個人)」がどのような時代状況を背負ってきたのかを、様々な史料や文献から客観的に分析することができるようになることも、本授業の到達目標です。
- 各授業回の説明
- 事前・事後学習の内容
- 事前学習では、授業前に配布するレジュメや資料を通読しておくこと。事後学習では、授業で提示した主要論点をレジュメなどにより確認・整理しておくこと。なお講義内容の理解を深めるために、参考文献で取り上げた図書を読んで学習しておくことが望ましい。
- 成績評価方法
- 到達目標で掲げた内容に対応する形で、とくに以下の3点について注意しながら評価します。 1)授業内容、あるいは参考文献などで述べられている内容を的確に理解できているか(かつそれに対する論理的批判ができていればなおのことよい)。 2)「戦争と平和」に関する日本史上の様々な事象について、どれだけ自分で調べて知識や情報を収集できるか、そしてそれらの知識や情報を整理して、わかりやすい形でまとめながら叙述することができるか。 3)「戦争と平和」に関する日本史上の様々な事象について、その時代的特徴をふまえつつ、また同時代の政治・社会システムや軍事力を支える思想・価値観等との相互関連のなかで理解することができるか。 毎回の授業で提出するミニレポート(コミュニケーション・カード)の内容(40%)、学期末試験(60%)により総合的に評価します。 授業には8回以上出席(コミュニケーション・カード)し、かつ学期末試験で50%の得点をした者を合格最低基準とします。
- 履修上の注意
- 本講義は対面授業を基本形態とします。 毎回の授業のテーマに関して、ミニレポートの提出を義務づけます。コミュニケーション・カードで提出、もしくはMoodleでのオンラインで提出すること。成績評価に大きく影響するので必ず提出すること。
- 教科書
- 教科書は使用しません。毎回、レジュメ(講義プリント)を配布します。
- 参考文献
- 井上勝生著『シリーズ日本近現代史① 幕末・維新』(岩波新書赤1042、2006年) 原田敬一著『シリーズ日本近現代史③ 日清・日露戦争』(岩波新書新赤版1044、2007年) 加藤陽子著『シリーズ日本近現代史⑤ 満州事変から日中戦争へ』(岩波新書新赤版1046、2007年) 吉田 裕著『シリーズ日本近現代史⑥ アジア・太平洋戦争』(岩波新書新赤版1047、2007年) 牧原憲夫著『全集日本の歴史13 文明国をめざして』(小学館、2008年) 小松 裕著『全集日本の歴史14 「いのち」と帝国日本』(小学館、2009年) 大門正克著『全集日本の歴史15 戦争と戦後を生きる』(小学館、2009年) 飯塚一幸著『日本近代の歴史③ 日清・日露戦争と帝国日本』(吉川弘文館、2016年) 櫻井良樹著『日本近代の歴史④ 国際化時代「大正日本」』(吉川弘文館、2017年) 河島 真著『日本近代の歴史⑤ 戦争とファシズムの時代へ』(吉川弘文館、2017年) 源川真希著『日本近代の歴史⑥ 総力戦体制のなかの日本政治』(吉川弘文館、2017年) 木畑洋一著『20世紀の歴史』(岩波新書新赤版1499、2014年) 江口圭一著『十五年戦争小史[新版]』(青木書店、1991年) 大日方純夫・山田朗・山田敬男・吉田裕著『日本近現代史を読む(増補改定版)』(新日本出版社、2019年) ※参考文献については、授業のなかで適宜指示しますが、とりあえずは以上の参考文献のいずれかを手にとって読むことをおすすめします。
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
授業 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | イントロダクション:「戦争」を歴史的に考える |
第2回 | 幕末維新期の戦争と「民兵」の登場 |
第3回 | 徴兵制の成立 |
第4回 | 日清戦争:「国民」の形成 |
第5回 | <総力戦>としての日露戦争 |
第6回 | 第一次世界大戦:新兵器の登場と戦死傷者の拡大 |
第7回 | 「平和」への模索:国際連盟設立と戦争違法化体制 |
第8回 | 満洲事変と民衆の戦争支持 |
第9回 | 日中全面戦争の展開:上海戦と南京事件、戦争の長期化・泥沼化 |
第10回 | 日本軍と「慰安所」政策:日中戦争期を中心に |
第11回 | 第二次大戦の勃発とアジア太平洋戦争への道 |
第12回 | アジア太平洋戦争(1):初期作戦の成功と「皇民化政策」 |
第13回 | アジア太平洋戦争(2):戦局の転換と米軍の反攻 |
第14回 | アジア太平洋戦争(3):絶望的抗戦期の戦闘と敗戦―特攻・本土空襲・沖縄戦― |
第15回 | 本授業のまとめ |
第16回 | 学期末試験 |
Loading...
Updated on 2025/7/17 6:41:01