2025年度/1GGB024203
【木4、木5】応用物理学実験 /必:工<電シス>N <前期>
(公大) / 応用物理実験 /必:工<電シス>N (府大)
実験を通して物理学の原理の理解を深めるとともに,複合的且つ応用的な物理実験の方法を習得させる。さらにコンピュータを利用した機器の使用法に慣れさせ,将来におけるより高度な各専門分野の実験に対処できる能力を養うことを目的とする。また,与えられた実験条件のもとで最良の結果を得,報告書としてまとめる能力を養うことを目的とする。
- 担当教員氏名
- 田口 幸広
- 科目ナンバリング
- XXXPHY2M024-J3 (公大) / FLPHY2935-J3 (府大)
- 授業管轄部署
- 国際基幹教育機構(学部)
- 授業形態
- 実験
- 開講キャンパス
- 中百舌鳥
- 開講区分
- 週間授業
- 科目分類
- B11
- 配当年次
- 2年 (公大) / 2年 (府大)
注意: 配当年次は学部・学科によって異なる場合があるので、UNIPAで確認してください。
- 単位数
- 2単位 (公大) / 2単位 (府大)
注意: 実際の単位数は学部・学科によって異なる場合があるので、必ずUNIPAで確認してください。
- 到達目標
- ・物理学の原理に関する理解を深め,物理工学研究に用いられる基礎的実験テクニックを習得する。実験結果の処理方法や考察等,実験報告書作成に関する実践的な処方も同時に身につける。 ・後述する個々の実験テーマにおける原理の理解や技術の習得以外に,授業全体を通して以下の能力を身につけることを達成目標とする。 1. 実験開始前に実験内容を理解し,作業の実施手順を考えておく等,しっかり準備をした上で実験に臨むことができる。 2. 実験中は共同実験者と協力して作業を分担し,意見交換を行いながら進めることができる。 3. 実験終了後にも実施内容を確認できるよう実験ノートを記録することができる。 4. 測定値の精度を最大限活用し,正しく有効数字を取り扱うことができる。 5. 文献値と比較できる実験結果がある場合には,誤差を評価,検討できる。 6. 見やすく丁寧で正確なグラフを描くことができる。 7. 他の人に読んでもらうことを第一に考えつつ,一般的な作成ルールに従ってレポートをまとめることできる。 8. 読む人に自分の考えを理解してもらえるよう,論理的,具体的に考察を記述することができる。 9. 他の人の著作物を利用したり,参考にしてレポートを作成した場合,参考文献としてレポートに明記できる。
- 各授業回の説明
- 授業内容
- ・初回授業でガイダンスを行う。授業の進め方,実験実施/レポート作成に関する注意事項,成績評価について説明する。 ・以下の実験テーマを2〜3人1組のグループに分かれて行う。1つの実験テーマは,4グループで2週かけて実施する。各テーマの実施順序および使用する装置番号は適宜指示する。 1. コンピュータを用いた金属の熱分析 (目標)熱電対の原理を理解し,熱起電力を温度に変換できる。溶融させたSn金属の冷却曲線から融点を求めることができる。Pb-Sn合金の状態図を理解し,溶融した合金の冷却曲線から共晶点を求める。合金の冷却曲線の数値微分から初晶点を求め,合金の組成を推定できる。 2. 放射線計測 (目標)ガイガー・ミュラー計数管の動作原理を理解し,最適使用電圧を決めることができる。放射線計測の統計的性質を理解し,2線源法を用いて計測装置の分解時間を求めることができる。誤差波及の法則を使って,個別の測定値の誤差の影響を調べることができる。γ線の吸収測定から鉛の吸収係数を求めることができる。 3. X線回折 (目標)塩化ナトリウムおよび塩化セシウムの粉末X線回折の実験を行い,ブラッグの法則,ミラー指数の定義を理解し,観測された回折ピークに対応する結晶面のミラー指数と原子面間隔を求めることができる。 4. 真空蒸着 (目標)蒸着を行うために容器内を排気する過程を記録し,装置の排気特性を調べることができる。蒸着するアルミニウムの体積とガラス基板までの距離から,蒸着膜の厚さを計算できる。蒸着中の様子の観察記録から,蒸着中の容器内の圧力変化に対する原因を推定することができる。 5. レーザーによる光の干渉・回折実験 (目標)格子定数が既知の透過回折格子による回折スポットを観測し,レーザー光の波長を求めることができる。間隔が未知の金属製メッシュおよび単スリットの回折パターンを観測し,それぞれの間隔を求めることができる。 6. 電気伝導 (目標)4端子法の原理を理解し,半導体の抵抗率を測定することができる。ホール効果の原理および正孔の概念を理解し,半導体のホール係数および担体数を求めることができる。測定結果からp型,n型を判別することができる。
- 事前・事後学習の内容
- ・実験を行う前、事前に内容を理解把握しておくか,していないかでは,実験の成功率や実験にかかる時間が大きく違ってくる。 ・実験を行う前には必ずテキストの該当部分をよく読み,何を調べるためにどのような手順で実験を進めていくか把握しておく習慣をつけよう。可能ならば,測定/観察結果の記録として実験中に必要になると予想される表などを予め用意しておくとよい。 ・演示実験の動画も用意したので、事前に視聴し参考にするとよい。 ・不注意によるケガや事故を予防するため、実験を行う際に予想される危険をリストアップする。 ・実験終了後は,指示通り計算して終わり、とするのではなく,実験目的や測定精度に適った結果が得られているかどうか吟味検討する。当初の予測から外れている場合はその原因について考察する。積極的に他の文献や資料を考察の参考とすることは問題ないが,それらの内容を理解した上で引用すること。
- 成績評価方法
- 授業目標の達成目標1~9および個別実験テーマの目標の達成度で成績評価を行う。 全ての授業に参加し,全てのレポートを提出することを原則とする。 成績評価は,「全レポートの平均点」×「平常点」×0.95+「レポート相互確認の結果報告(最大5点)」で行う。 平常点は,実験の予習状況,実験態度,出席状況などを総合的に判断し,減点法により評価する。 合格となるため目安 やむを得ない場合を除いた欠席が3回の場合にはレポート平均点78点以上が必要 また,C(合格)となるためには,上の授業計画に示した各実験テーマごとの 課題のうちの3/4以上が適切に取り組めていることが必要である。
- 履修上の注意
- レポート点が60点未満の場合、60点以上になるまで再提出を求める。
「定期試験受験心得」に準じて、次の行為を不正とみなす。
- 他者のレポートの一部または全部を写す行為
- 他者にレポートの一部または全部を写させる行為
- 他者にレポート作成を依頼する行為
- 他者に依頼されて本人の代わりにレポートを作成する行為
- レポートのデータや資料等をねつ造または改ざんする行為
- その他、上記の不正行為に準ずる行為
- 教科書
- 大阪公立大学工学部編「応用物理学実験」(2024) 最初の対面実験の際に配付する。
- 参考文献
- 「物理学実験 第7版」(大阪公立大学・国際基幹教育機構・物理学グループ編,学術図書出版社)
- 個別の実験テーマに関する参考文献はテキスト該当部分の章末に記載
- 「アカデミック・ライティング入門:レポートの書き方」(大阪公立大学OMUラーニングセンター編) https://www.omu.ac.jp/las/tlc/for_student/materials/tips.html
- オフィスアワー
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- 教員への連絡方法(メールアドレス等)
- - 外部公開シラバスのためデータがありません / Please use UNIPA syllabus -
- その他
- (関連科目)基礎物理学実験1B
授業 | 授業内容 | 事前・事後の学習内容 |
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第1回 | ガイダンス ・授業の進め方と評価方法の説明 ・レポート作成に関する注意 ・テキスト配付 | |
第2回 | 第1回対面実験 | テキストを読み、実験の目的と実験手順を確認する。 想定される実験での危険をリストアップする。 |
第3回 | 第1回実験のレポートを作成し、オンラインで提出 | |
第4回 | 他の人のレポート2通を読み、それぞれのレポートがレポート提出前チェックリストの各項目にかなっているか確認し、その結果を提出する。 | |
第5回 | 第2回対面実験 | テキストを読み、実験の目的と実験手順を確認する。 想定される実験での危険をリストアップする。 |
第6回 | 第2回実験のレポートを作成し、オンラインで提出 | |
第7回 | 第3回対面実験 | テキストを読み、実験の目的と実験手順を確認する。 想定される実験での危険をリストアップする。 |
第8回 | 第3回実験のレポートを作成し、オンラインで提出 | |
第9回 | 第4回対面実験 | テキストを読み、実験の目的と実験手順を確認する。 想定される実験での危険をリストアップする。 |
第10回 | 第4回実験のレポートを作成し、オンラインで提出 | |
第11回 | 第5回対面実験 | テキストを読み、実験の目的と実験手順を確認する。 想定される実験での危険をリストアップする。 |
第12回 | 第5回実験のレポートを作成し、オンラインで提出 | |
第13回 | 第6回対面実験 | テキストを読み、実験の目的と実験手順を確認する。 想定される実験での危険をリストアップする。 |
第14回 | 第6回実験のレポートを作成し、オンラインで提出 | |
第15回 | 対面実験予備日 対面指導でのレポート作成 |
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Updated on 2025/9/2 6:34:30